おまけ 遥少年の片思い暦と甲斐への嫉妬暦



四歳。初めて甲斐と会う。
自分がいくら慰めても泣き止まなかった紫織の涙を止め、挙句、すっかり甲斐に懐いた紫織が小さい子にお決まりの「大きくなったら甲斐さんのお嫁さんになる!!」発言までしてしまったために、遥、初めての嫉妬を経験する。しかし、甲斐は展示会が終わると写真を撮る為に全国各地を転々とするために旅立つ。


八歳。再会。
甲斐は帰ってきたら連絡して!!という紫織との約束を守って紫織のもとに展示会の招待状を送る。
めちゃくちゃ嬉しそうに報告してきた紫織を見てむかついた遥は紫織と大喧嘩をする。
しかも、その仲直りのきっかけを作ったのが甲斐だという事がまた面白くなかったが、気まずいままもいやだったので渋々謝った。これを機に更に甲斐への好感度が下がった模様。


十二歳。
文明の利器、携帯の番号とアドレスを教えてもらった紫織は甲斐と連絡をとっているらしい。
自分がしばらく音信不通になろうがおそらく平気な顔をしているに違いないが、甲斐から連絡がないと不安そうな顔をしている。しかし、仕事の邪魔にはなりたくないらしく自分から必要以上には連絡はとらないらしい。その気遣いすら腹が立つ。この頃から、写真家になりたいという夢を本格的に持ち始めたらしいが誰の影響かは火を見るよりも明らかなのでおもしろくない。
この頃すでにもて始めていた遥は紫織の気を引くために女の子と付き合ってみたりしたこともあったが効果は見られず。


十六歳。現在。
相変わらず甲斐に子ども扱いされる事が気に食わない。紫織は宣言どおりほぼ毎日会場に通っているらしくますます機嫌が悪くなる。最近母親の店でバイトを始めた紫織を家まで送っているが、それを甲斐に「逆に危ないんじゃないの?」と本気とも冗談ともつかない調子で言われ、彼の甲斐嫌いに拍車をかける。
 
back
 
top