「ご愁傷様」
一応、ちょっとは世話になったからと、ハルカにせっかく報告したのにこの反応。なんて奴。
「どういう意味!?」
「いや、そこまで追い詰められたのかと」
「現実!!!」
「そう言う割にお前の頬が赤いのはつねりすぎたせいか?」
「嘘!?」
「嘘に決まってんだろ」
しれっとそんなことを言うハルカが本気で憎たらしい。
「でもそんな反応するってことは確かめたんだな」
「うっ」
・・・だって、夢じゃないかと思ったんだもん。
「で?」
「で?」
って何。
「お前俺に散々面倒かけたんだから、礼のひとつもないのか」
「何でハルカなんかに」
「事あるごとに相談に乗らされた覚えがある」
「ハルカの答えあんまり参考になんないじゃん! しかもいちいち人のことバカにして!!」
「一から教えてほしかったのか? 男の口説き方を。俺に?}
「びみょう・・・」
・・・どころじゃなく、何か嫌だ。
「ほらみろ」
そんなやりとりをしていると、あたし達の会話を聞いていたらしい女子が聞いてきた。
「・・・莉夕、カレシ出来たの?」
「え、・・・うん」
まだ実感湧いてないからか、改めて聞かれると何だか照れる。
でも、何かすごい驚いてる気がするのは気のせい?
あたしにカレシが出来るとおかしいか、とちょっとやさぐれてると、そんなの吹き飛ぶような発言をされた。
「ハルカ君と付き合ってたんじゃないの?!」
「は!?」
「はっ」
ハルカなんかと付き合ってるってのも聞き捨てならないけど、それ以上に聞き捨てならない声が耳に入った。
あたしみたいに「は?」って聞き返したんじゃない。
ハルカの奴、鼻で笑った。嘲笑しやがった!!
「あたしに失礼!!」
「くだらん勘違いをされた方が俺に失礼だろ。心の底から不満だ。心外だ」
「それはこっちの台詞!」
「へえ。意見が一致してよかったな」
むかつく・・・っ!!!
何でこんなのと17年も一緒なんだ。
親同士が仲良いせいでの腐れ縁だからか。
そんな縁、腐り落ちてしまえ!!

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