グルメ7 仁義なきグルメ・バトル  死闘篇
前回、わざわざまるまる1話使って“無敵の和食の超人vs天才小学生グルマン”の夢の対決のお膳立てが整えられました。
今サラな上 クドくて申し訳ないですが、この「グルマンくん」は一応料理マンガです。
主に 口に入れるものを調理いたす過程を描いたマンガです。

(「覚悟のススメ」 より。)


尻や足を乗せるどころではありませんでした。

葉隠覚悟さんに見つかったら加速削減走を食らわされるかもしれません。
もう「夢の対決」なんてどうでもいいですね?
少なくとも俺はもうどうでもいい。なんか腹も立ってきた。ゆでたまご先生がウンコとかオシッコを作品に取り入れるのが大好きなのは有名です(「スクラップ三太夫」の「ウンコマシンガンでゴワス」他多数)が、まさか料理マンガで、しかもあろうことか厨房でウンコとは…いったいどういうつもりで描いたのか本気で知りたいです。

この勝負でカンロが作った料理は、サクラ鯛のダイナミックたき火焼き
この料理、生きた鯛が泳ぐ小型水槽に直接しょうゆと生米をブチ込んで殺し 蓮の葉でつつんで十分焼いて作ります。汚い。ダイナミックにも限度があります。
あ、「じゅうぶん」焼いたんじゃないよ。「じゅっぷん」。10 minutesです。
なんで10分かというと 「実はカンロは生きた魚に触れなかった」という取ってつけたような設定のため、調理制限時間60分中40分もの間ウダウダしてたからです。
ウダウダ40分・仕込みに10分・焼き10分。
水槽に直接しょうゆと生米をブチ込む(!)汚さはこの際目をつぶりましょう。ブチ込んだ生米を鯛が「腹いっぱい」になるまで食ってから死ぬ(!!)というのも百歩ゆずって認めるとしよう。それでもたった10分で炊き込み御飯は炊き上がるんでしょうか?? もうつぶる目は残ってないし、これ以上ゆずる「歩」は残ってませんよ先生。もう少し美味しい料理についてまじめに考えてください。

結局 魚に触れない問題は気合で解決するし・・・。なんだってんだよ、一体・・・。
(カンロがヘタレてるので)従来の挑戦者である勝烈さんが無理して松葉杖をついてでも出場しようとします。
が、五六八に足をひっかけられ、転ばされてしまいます。
道場さん・・・

そのあまりの外道っぷりにカンロの怒りは再び燃えあがるのでした。その勢いで「生きた魚に触れない」弱点を克服。前回のラストでどんなに怒りに燃えていても 連載的に次の回にまたがったら燃えていたことなどすっかり忘れてしまうんです(作者が)。だから再燃イベントが必要だったんですね!

それにしても巨大生けすから魚を捕まえるところから料理人にやらせるなんて、なんて過酷な番組なんでしょう。黒マグロを一本釣りで釣り上げて殴り殺すってのも相当無茶です。すごすぎるよ! 和食の超人!!

個人的に「超人のくせして」っていう言いまわしが面白いです。

「いったいどうなってしまうんだー」「カンロくんこんな外道に負けないでー」と読者に思わせるための演出だったのかもしれませんが、こんな取ってつけたような逆境じゃなぁ…。どうせゆでマンガでは主人公は絶対に勝つから ぜんぜんドキドキしないし。展開がタルくなっただけでした。残念です。

結果はもちろん、ふしぎな力(=後出し絶対勝利の法則+御都合主義)
により 食井カンロの完勝。
要するに俎板五六八が60分フルに使って完成させた料理(鮪のスペアリブ和風コーラ煮・鮪トロピザ風饅頭)が厨房でウンコもらすような小学生が20分で作った汚い料理に惨敗したということです。
よく考えたらさっきウンコもらしたばっかのやつがおそらくパンツも履き替えずに水槽に飛び込んで魚つかまえてたわけで、衛生的に本当に危ないです。
俎板五六八のモチーフにされた道場六三郎さんが 重ね重ねお気の毒です。

でも、道場先生に朗報。五六八先生にもスゴカッコイイところはあるのです。だから訴えんといて!

(本来のマンガの読み方通り、右上からスタートでお読みください)
その俎板五六八先生の料理風景。
生きたマグロを五六八マグナム(車田パンチ)でK.O.し、全身に装着した「特製包丁」で捌きます。
無茶苦茶だ。「あわわ・・・」という味本くんの反応は至極当然の反応といえます。


このあと、
「せっかくだから食べてあげるけど」とほざきます
1巻巻末で素敵なコメントを書いてくださった服部料理学園の校長に酷似した審査員さんも登場します。
性根腐ってそうな鼻持ちならないクソグルメとして。
見事に、恩を仇で返していますね!
それとも、
「全然読まずにコメント書きやがってこのやろう許せぬ!」
という不満の意思表示としてこんな描き方をしたのでしょうか。
まあどうせ服部先生は読んでないので大丈夫なんですが(笑)

ゆでたまご先生はグルマンくんに限らずあらゆるマンガで頻繁に「取ってつけたような その回限りの設定」を披露されます。いままでそんな伏線は全く張ってなかったのに唐突に変な設定がポンと生まれて、しかもその回に使われた以降その設定が生かされることは一切無い!ってやつです。
ほんーーーのひと握りだが他のゆでマンガから例を挙げると、
「キン肉マン」では「正義超人はお互い握手することが多いから手に友情の握手ダコができている」と かなり後半になってから急に言ってみたり、
「闘将!!拉麺男」では「美来斗利偉ビクトリー拉麺男ラーメンマン(主人公)は実はクローン人間だった!」と かなり後半になってから急に言ってみたり。
・・・本当にキリがないのでこの辺にしとく。
ちなみにゆで世界の「クローン人間」とは腐乱死体を4つ合体させて作った人造人間のことで心臓も4つあります。無茶すぎてこっちの脳が腐りそうです。

今回のグルマンくんでは「カンロくんは生きた魚がこわくて触ることもできない」でしたね。
もちろんこの設定は(今回克服したことも含め)今後一切生かされることはありません。
要するにゆでたまご先生は一度作った設定を後々にも生かしたりするのが壊滅的に苦手なんです。
どんな漫画家だ。
さりげなく田力雪男は標準語の解説役になってるし・・・。
そんな先生が、ついに! ついに伏線を張り、オチもつけ、
その後ずっと覚える事ができました。おめでとう! pめでとう!(続く)