【ヴォルフの自室】
コンスを思い、作曲に身の入らないヴォルフ。ピアノに放り出した楽譜が床に落ちてしまい
ます。すると、ともよアマデはすぐさま拾い上げ、胸にしっかりと抱きしめて『おまえ、楽譜を
粗末に扱ったな!』と言わんばかりの顔でヴォルフを睨みつけていました。
【ダンスは踊れない】
松コンスと西田コンスの違い。
松コンス…引っ込み思案?(絶対違う!笑)
西田コンス…努力が嫌い?(生真面目な努力家に見えますけどねえ。)
西田さんの方が女っぽいでしょうか?私はあんまりコンスに色気は求めてないんです。
だって、ヴォルフの浮気相手はみんな色っぽいお姉ちゃんばっかりなんですもの。
コンスは正反対なタイプの方がよいかなあと。(女を前面に出すよりも、ある意味同志?
『インスピレーションを与えたい。』ということは、精神面の支え、創作面の手助けが出来
る、ヴォルフにとっての特別な人間になることがコンスの願いじゃないのかなあ?
だったら、表面上の女の色気は必要ないかと思うんですよねえ。)
ああ、この曲でもっと西田さん炸裂してくれてたら〜!一番ガツン!と欲しいところでファ
ルセットになっちゃったんですよねえっっ。(申し訳ないけれど拍手しませんでした。腕組
んでうなっちゃいました。)
【神よ、何故!】
はい、猊下の登場です(笑)。
♪人間は教育出来る、
猿でも!調教出来る〜♪
♪無礼で、
傲慢!自惚れ!男がつくりっ出っす!(←絶叫)

(しばし沈黙)おんが〜く〜の〜まあじゅ〜
つうううううう〜!(←再び絶叫)

初日はまだ穏やかでした。それでも【あの山口氏が演技をしている!?】と言うことで、友人
一同と驚愕いたしました。(ほんまにファン?)それは動かない山と見えたものが実は恐竜
の背中だったとか、寝ていた恐竜が首をもたげて身を起こしたほどの衝撃で(爆笑)、市村
ぱぱや、井上君とのバトルは本当に見ごたえがありました。
日を追うごとにさらにさらにさらにパワーアップ!遂には男三人の絶叫大会(?)と化し..。
しかーし!!猊下〜!そろそろ堪忍してください〜っっやり過ぎでございます〜!
そこまでやるとお笑いになってしまいます〜!(T‐T)
【夢魔達の仮面舞踏会】
私は初演の西田コンスを観ておりませんので、再演と変わっているのか、それとも松コンス
と演出が違うのかそれはわかりません。
松コンス …『乾杯?それとも、Kiss?』無理に笑顔を浮かべて、いたずらっぽく二つの酒杯
       をかかげるコンス。くちづけする夫の腕を振りほどき、つらそうな顔で背を向ける。
       井上ヴォルフは『やっぱり君が一番!』とばかり、愛おしそうに妻を抱きしめ抱き
       上げてベッドに運ぶ。(初演)
西田コンス…『乾杯?それとも、Kiss?』酒杯とボトルを差し出すも、夫は無造作に取り上げ
       台に置く。(井上君、なんだかなげやり。)悲しげに背を向けるコンス。
とにかく、井上君の表情が初演と違います。愛情が微塵も感じられません。どちらかと言うと
自分の考えにとらわれているような。外ではしがらみにがんじがらめ。思うように自由に生き
られない。何もかもうまくいかない。精神的に追い詰められてイライラしている。
愛情がなくったって女は抱ける。その捌け口をコンスに求めたって感じでしょうか?(露骨で
身も蓋もないのですが。スイマセン。)

悪夢のシーン。とにかく市村さんの存在感が圧倒的!(どうしてもファントムがだぶります。)
井上君の『パパ!行かないで!!』が日を追うごとに切羽詰った感じになってきます。
このシーン、父が死の間際に最後の忠告(警告?)にあらわれたんですね。今更遅いのです
が今回ようやく理解出来ました。(《自分の死を知らせた》なんで私、こんなことわからなかっ
たんでしょう。アホすぎる〜。何を観てたんだ〜っっ。)
【父の死】
セシリア親子の乱入で、これまた日を追うごとにキレ方が激しくなる井上ヴォルフ。
加えてぱぱの死を知らされ、ずっと味方だった優しい姉に絶縁され、トリプルパンチで
放心状態。

《心を鉄に〜》のあたりでいつもは錯乱が始まるのですが、25日はいたって平静。
『父よ、あなたと分かり合える日がくることを願ってた...。』と静かにつぶやいてました。
そのため、ヴォルフの心情がよりリアルに感じられ、錯乱する時との落差が激しく、悲しさ、
せつなさが倍増でした。

ヴォルフの錯乱のシーン。西田コンスは遠巻きにおろおろしています。(西田さんの初演は
どんな感じだったのでしょう?私は二人同じように極限まで追い詰められて、正気を失って
いる夫を、ただ抱きしめる事しかできない松コンスの解釈が好きでした。)井上ヴォルフは
徘徊したり、転げまわったり、コンスのドレスの裾にすがったり、日によって行動は違います。
【グラーベン広場】
シカネーダーからオペラ《魔笛》の制作を持ちかけられるヴォルフ。
ともよアマデ。二人がのぞきこんでいる《魔笛》の台本をまるでひったくるかのように手に
取り、全開の微笑みです。ものすごく嬉しそうに本を抱きしめています。(『わ〜い♪オペラ
だ〜♪《魔笛》だ〜♪』と言わんばかり。まわりにハートマークが見えます。笑)
【ダンスは踊れない】
コンスが夫をなじるシーン。初日の井上ヴォルフの妻を見る眼の冷たいこと!
『うっとおしい女、つまらない女。』と言ってる様なものすごく冷めた眼。他の日はさほど
感じなかったのですが特に初日がそんな風に見えました。すごく生身の男の反応!
やいやい嫁になじられたら、『ああ、うるさい!』ってダンナは逆ギレしますよね?(笑)

初演の松コンスは激しくなじるんですが、夫に背を向けられてすっと熱が冷めていく感じ。
『ああそうか、そうなんやわ。私はあんたにとって一番とちゃうんやね。音楽よりも才能より
も、大切なもの必要なものにあたしはとうとうなれんかった...。』(何故大阪弁...。)
というような、嫉妬も怒りも全部通り過ぎて悟ってしまった妻でしょうか。お互いまだ愛し合
っている様子だったからこそ、二人ともせつなく悲しかったですね。

西田コンスはすごくさびしそうな様子でしょうか。一生懸命で生真面目で、この様子を見て
いたら、夫の墓も放りっぱなしで、遺骨も他人に売り渡すような妻には見えませんけれど。
【終焉(終演)】
狂ったように作曲に取り組むヴォルフ。楽しそうに書いていた前半とは違い、あせりやら
絶望やらがないまぜになったすごい表情で書き散らしています。
腕にペンを突き刺す時、自分の腕を殴りつけているのか、台を殴りつけているのかわかり
ませんが、効果音より響き渡る『ごつっ!ごつっ!』という鈍い音。聞いてて痛いんです。

たたずむアマデに目をやり、『お前も..、死ぬ...。』と語りかける時、25日だけは正気に
戻っていました。狂気のままの死も良いんですが、自分(ヴォルフガング)に戻って自分の
死を選択するのもありかなと。
初日は差し出されたペンだけをみつめて、『今、このペンを手に取らなければもう俺は俺で
なくなる。音楽でなくなる。』といった切羽詰ったあせりでしょうか。音楽をつなぎとめておく
為に自分の胸に突き立てたといった感じを受けました。(自分一人だけで成仏した?笑)
それ以後は、アマデと二人で成仏しておりましたけど。

崩れおちるヴォルフとアマデ。初演のドラマシティでは頭をピアノにもたれさせ、心持ち
うつむき加減で床に座り込んでいました。大劇場版ではヴォルフは台に腰かけ、ピアノに
仰向けにのけぞっています。どちらかというと床に座り込んでいる方が好きでした。
《ピエタ》のような穏やかな表情が良く見えます。のけぞる方は表情は全く見えませんし、
顎のラインとはだけた胸が青いライトに照らされて、あれだけ生き生きしてた二人が
いかにも《死体》《抜け殻》といった様子でなんだかさびしいんですよね。

【影を逃れて】
全員が勢ぞろい。みなさん淡々と歌っておられますが、高橋さんだけはナンネールのまま
今にも泣き出しそうでした。
(ヴォルフとアマデの立ち位置なんとかならないものかと。並んで立つとアマデがめだたな
いんですもの。アマデが上段、ヴォルフが中段とか離してほしいなあ。)

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【カーテンコール】

初日…『長くなりそうですのでお座りください。』と井上君。スタンディングオベーションで
拍手喝采していた観客はわらわらと着席(笑)。井上君の初日ご挨拶に続き、小池先生
のご挨拶と初日トラブルの解説。

『最後の魔笛のシーンでヴォルフとアマデがひっぱり合う布には【MOZART】と書かれて
おりました。初めてご覧になられる方はなんだろうと思われたのではないでしょうか。
トラブルで開かずそのまま落ちてしまいました。』
(観客爆笑)
続いてリーヴァイ氏の登場に観客騒然。通訳に西田さんがひっぱりだされました。
テレビ放映がありましたので、ご存知だと思いますが、リーヴァイ氏は日本語で一言。

『世界で最も素晴らしい《MOZART!》の公演は日本の《MOZART!》です!本当に!』
追い出し音楽の時も観客はずっと手拍子。アナウンスが入っても拍手。そのうち、井上君
と愛子ちゃんが現われ、左右中央にそれぞれご挨拶。二人で投げキッスの後、愛子ちゃん
をお姫様抱っこして退場でした。(これは以後定番です。)

市村ぱぱは登場の際は何か必ずやって下さいます。2ステップだったり、井上君に張り合
っての足上げだったり(笑)。

25日…市村ぱぱのご挨拶。
『私の息子アマデを演じました愛子ちゃんから一言と思いまし
たがマイクがついておりませんでした。』
(観客爆笑。)
続いて井上君のご挨拶。
『さっきまで死んでいましたのであんまり頭が動いていません。
正直、体力的にもきついし、顎がはずれそうになるし、このまま死んでしまうのではないかと
思うこともありましたが、この作品が皆さまの心に残る作品になればと思います。そして
またこの大阪で、この【MOZART】で皆さんとお会いできたら幸せです。』
(だったかな?)
再びの登場では愛子ちゃんと
『大阪ばんざ〜い!』三唱!(笑)そしてお姫様抱っこした
愛子ちゃんを放り上げていました。

―何故合わぬ!ピアノの音ー
ヴォルフが鍵盤に腕を叩きつけるシーンがありますよね。その動作とオケが一度も合わな
かったんです。井上君合図送ってるのに〜。頼みますよ〜。西野さん!