はじめに ●毎年3月に、中核市連絡会より『中核市要覧』という冊子が発行されています。 中核市の基本的な「市勢」の規模・水準・有り様を把握するのに適していると思い、その一覧表のなかで、高槻市がどのような位置を示しているか、をグラフ化しました。 そのグラフから何が見えてくるか、は追って分析していきたいと思っています(2001.7.14記) ● 中核市要覧から「市勢」に係る表を追加しました(2001.7.17記) ●『人口動態から 中核市における高槻市の位置』を読む を追加しました。(2001.7.30記)
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中核市における高槻市の位置 (中核市要覧を読む)) ★「中核市要覧2000年」から分かることを連載していきたいと思います。 |
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はじめに 中核市連絡会が毎年度末に発行している『中核市要覧』を入手しました。そこには、中核市とその候補市である合計34市について、色々な観点から統計数値を集計し、列挙されています。 そこで、そこに表れた統計データから「中核市における高槻市の位置」というものを読みとっていこうと、以下のとおり検討を計画しました。 特に、 中核市に置ける高槻市の位置の視点で その1 『人口動態』を読む @ 人口は微減少傾向−成熟型年へ 高槻市の人口は34市中の25位で、下位に属しています。また、対前年度伸び率ではマイナスとなっており、33位です。高槻市が成熟型都市に移行したことを人口面から示していると言えます。八王子市・岡山市・岡崎市などは人口増となっていますが、34市中8市がマイナスであり、中核市全体としても人口は頭打ちか、減少傾向に入ったと言えます。
A 転出者が上回る社会減の都市 高槻市のマイナスの内容を見てみると、転出者が転入者を上回る社会減によって引き起こされています。高槻市への転入者を住民票からみると、総数は14,958人で、大阪府内からが6,486人(43.4%)、関東圏から1,569人(10.1%)、兵庫県から1,398人(9.3%)、京都府から1,351人(9.0%)などとなっています。大阪府内での移動が約4割、関東圏から1割、残りは近畿各県からの転入となっています。転出先の統計は残念ながらありませんので、不明です。
B出生者は平均以上あるのに…… 高槻市の出生者数は、19位(3,916人)でした。それを市民100人あたりで計算して比較すると、1.089人で8位であり、出生者は平均より上位に位置していることが分かります。
C 依然として大阪の衛星都市 高槻市の昼間人口は287,559人(平成7年度国勢調査)となっており、人口361,635人(同)との比率(昼間人口比率)が79.5%となり、34市中最下位になっています。高槻市が大阪市を中心とする関西経済圏の衛星都市として形成されてきたという基本構造は、現在に至るも変わっていないことを示しています。 100を割っている自治体は、横須賀市(87.3%)、堺市(88.9%)、奈良市(90.7%)、川越市(92.2%)、岡崎市(93.5%)であり、高槻市を含めて6市ですが、いずれも高槻市と同様の理由によって、衛星都市としての性格を示しているものと思われます。
D通勤・通学で昼間は12万人が市外へ 国勢調査から、昼間人口の中身を詳しく見てみると、常住者(自宅従業・市内従業/通学・従業/通学なし)が238,761人、昼間流出者(府内通学/従業者94,053人・他県通学/従業者26,114人)が120,167人となっています。一方、昼間に他市よりの流入者(府内より従業/通学者31,276人・他県より従業/通学者14,815人)は46,091人です。 以上をおおざっぱにまとめると、夜間人口36万人のうち、昼間、家にいるのが13万人、自宅就業/市内就業/市内通学者が11万人、市外へ就業/通学者が12万人、市外から就業/通学者が4万人で、昼間人口は28万人、ということができます。 E 生産人口(15才〜64才)が多い街 年令構成を見てみると、高槻市は「年少」と「老年」が少なく、「生産人口」が多い年令構成になっているということができます。 高槻市の市民100人あたりの出生者数は1.089人で、8番目に多い市ですが、それが年少人口比(0才〜14才)では、13.9%と32位まで落ちています。出生者はそれなりに多いのに、年少人口全体では随分と比率が減ってしまっているということです。それが、高槻市で生まれながら、何かの事情で転出していることを示している、としたらその「事情」なるものをよく追求することがまちづくりを考える上で大切なことだと感じました。
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