エドガー・ケイシーの三つのリーディング
 
 私は霊界が存在するのではないだろうかとだんだんに信ずるようになってきた。「前世療法」を訳した作者(山川紘矢・亜希子夫妻)が女優のシャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」という本のことに触れていたので早速、図書館で借りて読んで見た。
 この本のことは十数年前に、女優が霊媒を通しての体験談云々とかで評判になっていたのは知っていたが、当時は霊媒なんて、霊媒師の思い込みだなんて勝手に決め付け一瞥だにしなかった本である。しかし、読んでみてその内容の質の高さに驚いた。
 シャーリー・マクレーンが精神世界に入っていく過程を書いていくのだが、文中かの有名なエドガー・ケイシーのリーディングにも触れていたのでわたしも少し抜粋してみる。
 ケーシーは人の徳性というものを重要視していたという。

 ある三十八歳の女性は男性不信のため、どうしても結婚に踏み切れないでいたが、前世を見てみるとある前世において、新婚まもなく、夫は十字軍に参加するため、彼女を捨てて行ってしまったということがわかった。

 ある十八歳の女性は自分では抑制できないほど肥満していた。リーディングによれば、二つ前の人生において、彼女はローマの運動競技者で美貌と技量に恵まれていた。しかし、彼女はいつも太って体の動きの鈍い人たちを嘲笑っていたということである。

 ある二十一歳の若者はホモセクシャルで悩んでいたが、その前世で彼はフランスの裁判所で、ホモの人間を暴露し、侮辱していたことがわかった。

 リーディングは「人を非難することなかれ、他人を非難すれば、同じ立場に陥るであろう」と諭したのである。
 しかし、私がケーシーを通じた声の中でもっとも勇気づけられたのは次のメッセージである。

「人が犯す最も大きな誤りは、人生はすでに前もって決められており、変えることができないと思ってしまうことだ。現在の人生が最も重要であり、カルマとの関係において、自由意志を発揮することが最も大切である。自分の精神的内面に触れ、人生の目的が何であるかを発見することは我々の自由意志にかかっている。我々の行いは、全て終局的には自分に返ってきて、自分が責任を負わなくてはならない。また責任が何であるかを知ることも、自分の責任である」

 しかし、シルバーバーチの霊訓では、運命全体としての枠組みは決まっているそうで、その枠組みの範囲内で、選択の権利が与えられており、しょせん最終的には因果律という法則に縛られた運命を辿るに違いありません。

 私は過去に聖書も読んだことがあったし、ケイシー関係の本を買ったこともあったが、今回ほどのインパクトはなかった。なぜ今ごろになってこれらの本は私に一大センセーションを巻き起こしたのか。それは、奇しくもシャーリー・マクレーンがこう語っている。
「きっと、誰の場合でも、その人の吸収の速度に合わせてこうしたことは起こるのだろう。つまり、ひとは、物事を受け容れ、理解する準備ができた分だけ進歩していくのだろう」と。
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