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航法計算の話し;漸長緯度航法 |
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中分緯度航法より、より精度のよい航法計算の方法に漸長緯度航法があります。 中分緯度航法では、緯度差の中点(中分緯度)を取って計算するところと、地球が実は真球ではないところ、等により高緯度のときや東西距が大きいときなどで誤差が大きくなります。 これを考慮したのが漸長緯度航法です。 漸長緯度航法は、地球をベッセル長円体として、これに基づく漸長緯度(meri-dional parts)を利用して計算します。 この値は「天測計算表」の中に「漸長緯度表」として記載されていますし、この値の計算式も記載されています。 しかし、この漸長緯度の計算が複雑であるため、中分緯度航法では誤差の大きくなる高緯度での航海、針路が東西に近い航海(東西距が大きくなる)、距離の長い航海など以外ではあまり使用されません。 【漸長緯度航法の公式】 Dl = Dist * cos(Co) -> Dist = Dl / cos(Co) DL = mDl * tan(Co) (mDl:漸長緯度差) Co = atan( Dl / mDl ) (中分緯度航法と異なりDepが出てこない) mDl = (a/M)*log10(tan(45+lat/2)) - a*e^2*sin(lat) -(a*e^4*sin^3(lat))/3 - (a*e^46sin^5(lat))/3 ここで、a : 360*60/2π M : log10(e) (ここのeは下のeではなく2.71828...というあれです) e : 地球の離心率(0.081819221@1996年ですが、天測計算表では 0.0816968@1840年ではないかと思われます) lat: 緯度 ^ : べき乗を表す これらの計算時は通常、北と東を「+」、南と西を「−」とします。 |
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