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太陽から船の位置を求める方法(3) -- 中分緯度航法


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太陽から船の位置を求める方法(その3)です。

まずは、準備するものをもう一度説明します。

  (1) 正確な時刻(クロノメータ)
  (2) 正確にわかっている位置
  (3) その位置から現在までの船の針路(コース)、進んだ距離(ログ)
  (4) 推定位置((2)および(3)から求める)

まずは、準備の(2)と(3)を調べます。

1/26 2140: 33-14N、  135-41E     ← 1月26日午後9時40分の確定位置
1/27 0910: S39E(141゚) 170.3miles   ← 上記確定位置からモーニングサイトまでの針路、距離

これらより、現在の時刻(1/27、0910)での推定位置を計算します。(準備の(4))

計算には中分緯度航法という方法を利用します。
この方法は高緯度になったり、東西の距離が長くなると誤差が大きくなりますが、計算が簡単なのでよく使われます。

中分緯度航法の公式は以下の通りです。
緯度差(Dl) = 距離(Dist) × cos(針路(Co))
東西距(Dep) = 距離(Dist) × sin(針路(Co))
経度差(DL) = 東西距(Dep) / cos(中分緯度(ml))
※:同じ経度1度といっても赤道上と北緯35度とでは距離が異なります。この実際の東西方向の距離のことを「東西距(Dep)」といいます。
  「(中分緯度(ml)」は、2つの緯度の中間の緯度のことです。

以上より、推定位置は次のようになります。

推定緯度は、
緯度差(Dl) = 距離(Dist) × cos(針路(Co))より
Dl = 170.3 * cos(141) = -132.3(分) = -2゚-12.3' となり

(33-14N) - (2-12.3) = (31-01.7N)
推定緯度は、
まず、中分緯度を計算し((33-14N + 31-1.7N) / 2 = (32-07.9N))
東西距(Dep) = 距離(Dist) × sin(針路(Co))と、経度差(DL) = 東西距(Dep) / cos(中分緯度(ml))
により、「経度差(DL)=距離(Dist) × sin(針路(Co)) / cos(中分緯度(ml))」となるので、
DL = 170.3 * sin(141) / cos(32.13) = 126.5(分) = 2゚-06.5' となり

(135-41E) + (2-6.5) = (137-47.5E)
となります。

<つづく>

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