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ポンペイ〜オークランド(1) -- いつのまにか赤道通過 |
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ポンペイを出港して、ニュージーランドのオークランドに向かう航海に入りました。 この航海は11日間ですが、最初の6日間、私たち航海科の実習生は機関室にて機関実習に入ることになりました。 逆に、一緒に乗り組んでいる高専の機関科実習生は船橋で航海実習を行ないます。 このあいだに、いつのまにか青雲丸は赤道を越え、南半球へと入りました。 昔ながらの船の習慣では、赤道を越えたことを記念して、赤道祭という行事を行なうそうです。 私たちは、航海科と機関科の当直が再度交替する5日後に赤道祭を兼ねた運動会を行なう予定になっています。 機関室実習のあいだは、船がどこをどのように走っているのか全然わかりません。 しかし、どうやら、近くにサイクロン(このあたりでは台風とは言わない)がいるらしく、揺れが激しくなってきました。 部屋にあるものなどは散らばらないように縛ってあったのですが、やかんやごみ箱などがカランカランと動きまわるようになりました。 さらに、何と、これはさすがに縛ってはいなかったのですが、部屋にある長椅子までが動き出すようになるのは、この数日後のことです。 とにかく私にとって、それからほとんどの実習生にとって初めての南半球です。 今は2月なので、太陽は赤道よりもまだすこし南側に位置しています。 その位置を越えると、太陽は南中ではなくて北中することになります。 しかし、今はその太陽も姿を表すことはありません。 船を苦しめているこの熱帯性低気圧は徐々にその勢いを強め、この年9番目のサイクロンとなり、HARRYと命名されました。 このHARRY君に私たちの青雲丸は、この後数日間苦しめられることになります。 |
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