トップ >> 練習船実習・回顧録 >> 機船の話し・長期実習編 >> 神戸〜ポンペイ(4) -- 初めての時刻改正


神戸〜ポンペイ(4) -- 初めての時刻改正


<< prev next >>

ポンペイが近づいて来ました。

かなり暑くなってきたのに、この時期にブラックアウト操練というのがありました。
これは、発電機が故障した時の訓練です。
航海計器やインターホンなどが使えなくなるので、昔ながらの伝声管を使ったりとおもしろいこともありますが、エアコンも止まってしまうので大変暑い思いをしました。

神戸を出て5日。
私はアナログの腕時計と、ぜんまい仕掛けの懐中時計を持っていました。
腕時計はJST(日本標準時)のままで、懐中時計を船内時に合わせていたのですが、この5日間で懐中時計が潮でやられてしまいました。
そこで、アナログの腕時計を船内時に合わせなければならなくなってしまいました。

どちらにせよ、アナログの時計で時刻改正するのは大変です。
なぜなら、時刻改正のアナウンスは次のように行われるからです。

1分前  :「ただ今より時刻改正を行ないます。
       本日正午の推定位置、北緯(または南緯)××度××分、
       東経(または西経)××度××分の視時に合わせるため、
       時計を××分進めます(または遅らせます)。
       ただ今より××時××分をお知らせします。」
30秒前 :「30秒前。」
10秒前 :「10秒前。」
5秒前から:「5、4、3、・・ピー(ブザー)。」
その後  :「××時××分をお知らせしました。時刻改正を終わります。」
ということで、アナログ時計ではこのアナウンスが始まったときには、秒針が0秒のところをまわっている(毎日校正するのでほぼ正確)ので、うまくいかないのです。
結局その1分後に友人の時計で合わせたりしなければなりませんでした。
(日本に帰って来てから帆船に乗るまでのあいだに、安物のデジタル腕時計を購入しました。もちろん防水仕様です。現在はなぜか時計は持ち歩きません。)

<< prev next >>

戻る