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エンジンの話(1) --
ディーゼルエンジンとタービンエンジン



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ディーゼルエンジンとタービンエンジンの話しです。

ディーゼルエンジンは車に使われているものの、お化けみたいなものです。
例えば銀河丸のメインエンジンは6気筒ターボチャージャー付きの2サイクルエンジンで、シリンダの直径は52cm、行程が105cm、馬力は6200PSです。

車のエンジンと違うところは、燃料と駆動系です。
燃料は安いC重油を使用するため、ヒーターや清浄器を通過してからエンジンに入ります。
そのための装置がメインエンジン周りに沢山あります。
駆動系は、このエンジンは低回転形のエンジン(MAX.160rpm)なので、クラッチというものがありません。
バックする時は、各シリンダの着火順序を逆にして使います。(エンジンを逆回転させる)

タービンエンジンは、ボイラーで蒸気を発生させて、その蒸気でタービンブレードをまわして、その回転を駆動系に伝えてプロペラをまわすエンジンです。
ディーゼルエンジンに比べて音や振動が格段に少ないことなどの理由により、豪華客船の一部によく採用されましたが、燃費が悪いのとトルクが小さいなどの理由により、最近の商船ではほとんど見られないようです。(また、ディーゼルエンジンの改良により騒音のアドバンテージも少なくなってきています)

実習生の立場から、どちらのエンジンが良かったかというと、やはりタービンエンジンです。
エンジンルームの中はどちらも五分五分です。
タービンエンジンは静かだけれども、暑い。エンジン周りで30度、ボイラー周りの一番暑い所では70度にもなります。
ディーゼルエンジンはとにかくうるさい。(80〜90ホーンはあります。)

しかも、エンジンルームの外でもディーゼルエンジンは、その振動が気になるなので(実習生の部屋はエンジンルームに近い)、居心地はタービンエンジンに軍配があがります。

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