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練習船の日課(2) -- 朝にすること


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前回の一日の日課を詳しく説明します。

総員起し(ソウインオコシ)
戦前の言葉のようで古臭いのですが、今でもこういう言い方をします。
全員起床!」ということで、練習船ではブザーが「ツッ、ツー」と2回鳴り、「総員起し、総員起し」と当直員がアナウンスします。


朝別科(「日本丸<甲板部関連1>のタンツー用具の写真」参照)
いわゆる、「タンツー(Turn to)」といって、甲板洗い(又は甲板磨き)のことを言います。
練習船の甲板は木(チーク材)でできています。木の甲板は3日乾かすとダメになってしまうようで(どうダメになるかは聞いたことがあるのですが、忘れてしまいました。だぶん乾燥してヒビ割れでもするのでしょう)毎日、海水をまいて洗います。
洗うにはヤシの実を半分に切ったたわしを使います。あまりに汚れていて甲板を磨く時には、砂をまいて、石(砂岩)で擦ります。
タンツーは裸足でするのですが、これを初めて経験するのが1年生の時、すなわち1月や2月であるため、みんなあまりいい印象を持っていません。
私は、1年生の時、宮城県の石巻港外に錨泊したのですが、この時のタンツーでは海水が大根おろしのように凍ってしまい、足はしもやけ状態でした。


旗章掲揚
8:00の八点鐘(時鐘が8回鳴らされること)と同時に、船尾に国旗、メインマストに社旗(会社の旗、練習船では航海訓練所の旗)を掲揚します。
時鐘とは、0:00から30分毎に鐘を鳴らしていき、8回を鳴らすと、また1回から始める(4時間単位=当直時間)ものです。
航海中は、18:30からのみ「海坊主対策」で変則的になります。
(詳しくは「帆船の話し」を読んでください。)


長くなりますので、一旦ここで区切ります。

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