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コーヒーブレーク(5) -- 時鐘の話し;海坊主対策 |
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船の中では、あいかわらず午前8時から8時半の間に時刻改正が毎日行われていますが、時計を持っていなくても今の時刻は30分単位でわかるようになっています。 時鐘といって、当直のチームが30分単位で鐘を鳴らしてくれるからです。 鐘は当直交代時に前直が8つ鳴らしてくれます、自分達は当直交代後の初めての30分の時に1回、その後30分毎に1回ずつ増やしていき、当直交代時に8つという具合です。 鐘の鳴らし方は2回単位で鳴らします。 例えば3回だと、カンカーン・カーンといった具合です。 この鐘の数でだいたいの時刻がわかります。 真っ昼間に今のように3回鐘がなると午後1時半ということになります。 これは夜中でも同じです。 ただ、例外がひとつだけあって、夕方の4時からの当直の時には、当直交代後の初めての30分の時、すなわち4時半に1回、その後30分単位で1回ずつ増やしていき、6時に4回、次の6時半は通常なら5回なのですが、1回しか鳴らしません。 そして、7時に2回、7時半に3回、当直交代時の午後8時にはいっきに8回鳴らします。 この理由は、海坊主対策なのです。(嘘のようなほんとの話しです。) 海坊主は夕方の6時〜7時くらいに出て来るといわれています。 だから、6時半に1回しか鳴らさないことで海坊主にまだ4時半だと思わせておいて、次に6時だと思う頃には8回鐘が鳴って、あら!もう8時だということで泡を食わせる、と言うものです。 大学に入って1回生の初めての実習の時には、よく間違えて午後6時半に5回鐘を鳴らしてしまって、士官に怒られたりしました。 「ばかやろう、海坊主が出て来るだろう!」といった具合です。 国内の港で帆船や運輸省の練習船を見つけたら、0分、30分になるのを待ってみて下さい。 鐘がなるはずです。 ただし、海坊主対策は航海中だけです。 |
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