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ホノルル〜東京(3) -- スコール、そしてグリーンフラッシュ |
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日本丸が父島を目指して航海している時、カフルイ島を先に出発した海王丸はすでに日本近海まで帰って来ていました。早く帰りつきすぎて八丈島付近で時間調整のために漂流している始末でしたが、台風が近づいていたので東京港外に錨泊するとの知らせが入りました。 以前にも一度書きましたが、海上では雨の降っているところとそうでないところがはっきりとわかります。 前線などは紫色のカーテンのようになってすぐにわかります。この前線につっこんでしまったのはこの頃です。 この時、私は初めてスコールというものを経験しました。 よくすごい雨などを称してスコールを言うことがありますが、その大抵は気象学上ではシャワーであること多いようです。 シャワーとは熱帯地方などでよく見られる豪雨のことをいいます。 スコールはこのシャワーに風が伴ったものをいいます。 この風はどれくらいのものかというと、何メートル以上という規定ではなくて、吹き出す前に比べビューフォート風力階級で4以上差がなければいけません。 このときのスコールでは、風力1(約1m)から風力7(約15m)に変わりました。 私たちは顔を見合わせて、帆走中でなくてよかったと思いました。 もちろん風向もコロっと換わっているので、帆走していれば大変なことです。 しかし、この前線をぬけた後の素晴らしい晴れ間は、なにか映画を見ているようでした。 船の上では何度も日の出や日の入りを見ていますが、いつも太陽が水平線にかかる頃には、水平線近くにだけ雲が出て来て見えないことが多いのです。 しかし、父島近くで日の入りの瞬間を見ることができました。 さらに、この日の入りの瞬間に条件がよければ、太陽の端が水平線にかかった時に、日食の時のダイヤモンドリングのような原理で緑色に光るグリーンフラッシュという現象が見れます。 この時は、このグリーンフラッシュが見られました。(**) いつの間にか、キャプテンも近くに来ており、「私も長い間船に乗っているがなかなか見れない。君たちは運がいい。」といってくれました。 |
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