トップ >> 練習船実習・回顧録 >> 帆船の話し・海外編 >> 神戸〜シアトル(9) -- 「ボストンティーポット」獲得!! |
||
神戸〜シアトル(9) -- 「ボストンティーポット」獲得!! |
||
<< prev | next >> | |
日付変更線通過後うまく風にのり、毎日平均でも10ノットを越えて帆走していましたが、7/13にはとうとう風がなくなってきました。 そして、その日の夜、キャプテンのナイトオーダーブック(その日の夜の航海に備えて、キャプテンから当直航海士に注意することや命令を書いておく日誌)に次のような文がありました。 |
||
"Tomorrow afternoon, make fast all sails & com'ce propelling." (注:com'ce は commonce、ナイトオーダーブックはログブックと同様全て英語でかかれている。) 「明日の昼、すべてのセールをおろし、機走を再開する。」という意味です。 ところが、7/14朝にまた風がでてきて6〜7ノットで走り出すと、畳帆はとりやめとなりました。 しかし、喜んだのも束の間、その日の18:00に、とうとう畳帆となってしまいました。 ここで、ふと、ここ何日間かよく走ったなぁと言うことになり、ある記録にもしかしたら・・・ ということになりました。その記録とは、「ボストンティーポット」といって、毎年11月までにエントリーした、124時間の帆船の大圏距離を競うものです。 この由来は、ボストン茶会事件のときにイギリスからボストンまで駆けつけたことにちなみ、イギリスの個人の財団がおこなっている物だそうです。 帆船といっても、長さ、重さ等の規定の他に乗組員も50人以上とか、その平均年令が25才以下だとかの色々な制限があります。すなわち、だいたいが各国の練習帆船がそれに相当する船となりますが、これはさきに述べた財団が青少年育成のために設けているものだからだそうです。 ふつうは冬の航海の記録をエントリーするのですが、この航海の 7/9,7/9(R),7/10,7/11,7/12+4時間+時刻改正時間分の大圏距離が、冬の航海を約100マイル程ぬいて1,217マイル。 今年はこの記録をエントリーすることになることになるだろうとのことになりました。 あとは、ここ2、3年連続して授賞しているアルゼンチン海軍の練習帆船リベルタの記録のみ。 実際にこの年の11月には、この時の記録をエントリーすることになり、1989年のボストンティーポットの栄冠は、この日本丸の記録の上に輝くことになりました。 日本の記録としては、この年の3年前に同じくできたてほやほやの日本丸がとって以来2度目のことです。 |
![]() ![]() |
|
| ||
<< prev | next >> | |
|戻る| | ||