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神戸〜シアトル(7) -- 今航海最高の14.9ノット |
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7/9に日付変更線を通過すると、次の日もまた7月9日なのです。 7/9(R)と船のログブック(航海日誌)には記載されています。 とにかく何年かぶりで帆走のみで日付変更線までくることができたそうで、乗組員からは君たちはラッキーだといわれました。しかし、あと10日でシアトルの手前のポート・エンジェルスまでいかなければならず、7/11、または7/12には畳帆(セールをおろすこと)の予定だとキャプテンから聞かされました。 もう2、3日で自然の風で走ることも終わることになると思うと少し残念ではありますが、ここまで帆走だけで来ることができたことに誇りを持とうと自らに言い聞かせました。 私たちの学年のもう半分の実習生が乗り組んでいる海王丸は、横浜出港後1週間で機走に移っていて、日付変更線通過時にのみ一度帆走して、また機走に移ったようです。 彼らに比べれば私たちは恵まれていたのです。 この頃、日付変更線通過直前より吹き出した風がやけに安定していて、スピードもコンスタントに10ノットを越えるようになっていました。航海計画をたてるときには、帆走では5〜6ノット、機走では12〜13ノットで計画を立てるので、この帆走の10ノットオーバーというのはかなりスピードがでているということになります。 |
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その結果として、時刻改正が 7/9(R):18分,7/10:18分,7/11:30分,7/12:27分、と日付変更線前とはうってかわって走るようになりました。 このような事で、畳帆予定日はみごと帆走で過ぎ去り、こんどは最後まで帆走で、などと欲が出て来ました。 といっても、7月12日時点で西経が158度。アメリカ大陸のシアトル付近の先端は西経126度。 まだまだ長い航海が続きます。 しかし、この日、日本丸は帆走での今航海最高の14.9ノットを記録しています。 |
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