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コーヒーブレーク(1) -- 当直について |
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ここで、少し船での生活についてお話します。 船の中ではほとんどの部署が3交代で過ごします。 時間帯は0〜4時、4〜8時、8〜12時です。 (それぞれ、「ゼロヨン」「ヨンパー」「パーゼロ」と呼びます) 乗組員は階級によって仕事をする時間帯が決まっています。 例えば、一等航海士は4〜8時、二等航海士は0〜4時、三等航海士は8〜12時といった具合です。 実習生は3つの班にわかれてそれぞれの時間帯の当直につくのですが、実習なのですべてを経験する必要があり、毎日曜日にひとつづつずれることになります。 また、時によっては当直の実習がなく、教室での授業になったりもします。 |
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実習生の1つの班は私たちの場合約20人くらいで、当直実習になったときには、その中から ・ サブワッチ(当直航海士補)2人、 ・ ホイール当番(操舵係)2人、 ・ ルックアウト(見張り)1人、 ・ リーサイド(気象当番)2人、 ・ レーダー係1人、 といった役割を、それぞれの係りに割り当てられている時間ごとに実習していきます。 (機走時にはルックアウトは2人になります) そのほかの人は待機なのですが、何故役の無い人間が多いかというと、よっぽどのことがない限り、その時間帯内のことは、その時のメンバーで行わなければならないためです。 たとえば、風の向きが変わった時などは、セールを調整したりしなければならないのですが、これが大変なのです。 しかし、風が一定している時などはすることがないため、色々な整備点検をしているのです。後輩のためにキャンバスを縫ってセールを作ったりもします。 日本丸に全部で36枚のセールがあるのですが、造船所からは2セットがついてくるだけで、あとは自前になります。 何回も航海するとすぐにぼろぼろになり、そのたびに修繕しながら大切に使うのですが、いつか使えなくなる時のために乗組員や実習生が航海のあいだに作っていくのです。 私たちの航海のときにつけていたセールは、造船所のセール(A帆、B帆といいます)ではなく、先輩たちが作ったC帆でした。 しかし、日本丸のセールは一番大きな物は畳120畳分もあるため、1セットつくるのでも何年もかかってしまします。 そのため、初めてのC帆には感無量でした。 |
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