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むつ(2) -- 一般公開


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もう少しむつの話しです。

船内の一般公開では、2日間で10,000人以上の見学者が訪れました。
これはかなりの数字です。
このときは私たちも初めてだったのでわからなかったのですが、このあと訪れた港ごとに一般公開をしたのですが、こんなにたくさんの人が訪れたのはこのときだけでした。
あとでわかったことですが、このあと日本丸は八戸に行くのですが、八戸での一般公開は抽選で選ばれた人だけが見学できることになっていたので、八戸の一般公開の抽選にもれた人たちはみんなむつに来ていたということです。
また、八戸の抽選に当たってる人でも、帆船が好きな人はむつにも来ていたようで、八戸の一般公開のときに「むつにも行ったんですよ」とよく言われました。

日本丸の一般公開のルートは、

  通常の舷梯から上甲板にはいり、
  船尾のほうに行って、反対舷にまわり、
  中央の出入口から船内にはいり、
  士官の部屋をひとつ見せて、第一教室をぬけて、
  また上甲板にあがって、船首をまわって、
  特別に作った舷梯から降りていただく

というものです。

見せる側からの一般公開におけるメインアイテムは、船尾にある帆走用の舵輪と、士官の部屋のボンクメイキング(*1)、それから船首のロープデザインです。
日本丸の舷梯
日本丸の舷梯(これは大阪港での写真です)
船の中にはいろんなサイズのロープがあります。それらのロープにはすべて名前がついています。
しかし、それらの名前に「**ロープ」という名前のついているものはほとんどないのです。
「**シート」、「**ライン」、「**ハリヤード」などです。
一般にはわかりにくいので、この話しでは単に「ロープ」と書くことにしています。

足ふきマットなどもロープで作ったりします。
あまっているロープでそのような実用的なものや飾り物(舵輪の瓶敷など)を作ったり、使用しているロープは視覚的に美しく、しかも、使用するのに便利なように整頓しておきます。(**)

むつでの一般公開では、来ていただいた人たちに申し訳ないなぁと思ったことがありました。
来船者の言葉が解りにくかったので、何度も聞き返したことがたびたびあったのです。
南部弁というものだそうです。
関西人の私には、なかなか聞き取りにくかったです。

(*1)ボンクメイキング
  船では据付けのベットのことを「ボンク」と呼びます。
  したがって、一般のベットメイキングのことです。
  しかし、特別なときにはシーツでいろいろな形を作り、見せるためのベットメイキングをすることがあります。


(**)
ロープワークについては工事中のホームページ(2004年8月現在)ですが、以下のホームページにある「ロープワーク」がわかりやすいので紹介しておきます。

リンク :   ・ESPRIT DU VENT(風の精)  
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