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浦賀(3) -- マスト・ヤード・セール。そして登檣訓練 |
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訓練についてです。 まず、いろいろな名称を覚えることです。 2〜3日で全てを覚え、確認のテストがあります。 日本丸には4本のマストがあります。マストの名前はそう難しくはありません。 前からフォアマスト、メインマスト、ミズンマスト、ジガーマストといいます。 前の3本のマストにはそれぞれ6枚づつの横帆がつくためのヤードがあります。 上からロイヤルヤード、アッパーゲルン、ロアーゲルン、アッパートップ、ロアートップ、ロアーヤードです。 ヤードはすべて固定されているわけではありません。 風の方向にあわせてセールを調整するために左右には回ります。 そして、アッパーゲルンとアッパートップはヤード自体が上下します。 これは、これら以外の3本のヤードはセールをセットするのに、ヤードからセールをするするっと降ろしてきてセットするのですが、この2本に関してはセールの下側を固定しておいて、ヤードを上に上げていってセットするからです。 |
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したがって、セールを上げていないときは、アッパーゲルンとロアーゲルン、アッパートップとロアートップは2重になっています。 また、セールを展帆するときはアッパートップを上げるのが一番しんどいのです。 そして、36枚のセールがあります。 セールやヤードを操作するためのロープと、それを留めるためのビレイピンと呼ばれる棒がそれぞれ306本づつあります。 セールとロープにはすべて名前がついています。 これらのことを覚えることのほかに、私たちは連日少しづつ少しづつマストに登る練習をしていきました。 マストは甲板上から約40mもあります。 そして、下からトップ台、ゲルン台と呼ばれる台が2箇所あります。 |
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はじめはトップ台まで、次の日はゲルン台まで、といった具合に何日もかけて一番上まで登れるように訓練していきました。それから、ヤード渡りの訓練もありました。 マストに登るのはマストについているシュラウドと呼ばれる縄ばしごを伝って登っていきます。 そして、実習生は裸足なのです。 つらいことは、足の裏が痛いこと。 それから、はじめは力が入りすぎて二の腕あたりが筋肉痛になることです。 毎日こんなことをやっているのです。 浦賀にいる4日間でかなりうまくなった、と当時は思っていました。 |
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