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eoさんの旅ノート
ここ 船4日目〜9日目 船10日目〜帰路
 

ノルウェー 沿 岸 急 行 船 の 旅


出発〜船3日目

 2008年9月8日から19日まで、沿岸急行船のクルーズを楽しんだ。ノルウェーのベルゲンからキルケネスへ、そして折り返してベルゲンへ戻る12日間のコースである。  Hurtigruten社のノルウェー・コースタル・クルーズNorwegian Coastal Voyage。このクルーズは欧米人にはCoastal Expressという名でよく知られているようで、日本では英語圏での呼び名"Coastal Express"から"沿岸急行船"と呼ばれている。この航路は、もともとノルウェーの北大西洋沿岸の諸都市の物資輸送船として100年以上前から運行されているもので、今もなお物資輸送船としての役割を果たしているが、航路途中の景観が素晴らしいために観光船としての人気が高まり、それに応じて客室等も整備されて、Hurtigruten社もノルウェー・コースタル・クルーズNorwegian Coastal Voyageとして観光対策をとるようになった。
 日本を出て帰るまで2008年9月6日から9月23日までが、私達の旅となる。私達とは私と連れ合いとの2人である。

 準備<コース>
 沿岸急行船でロフォーテン諸島を巡ることは私達の長年の夢だったが、旅行のための準備を実際に始めたのは今年(2008年)の始めだ。この沿岸急行船往復コースに関しては、日本ではパッケジツアーはないので個人旅行となることは分かっていた。私達が往復コースにこだわったのは、往き(北回り)と復り(南回り)はほぼ同じコースをとるが通る時間がほぼ12時間違う、つまり、往きが夜のため観られなかったものが復りは昼なので観ることができる、つまり、往復コースであればコース全部を日中の明るい時間に観ることができるからである。

 準備<船・移動・宿>
   空の移動費用はノースウェスト航空のマイレージであるワールドパークスの特典旅行つまり無料航空券を利用する。沿岸急行船に乗る時期は、あまり寒くなくて比較的に料金の安い9月に。実は、9月のオーロラも少しは期待した。あまり知られていないが、9月はオーロラのよく見えるシーズンなのだと聞いたことがあったのだ。 それも、夏スケジュールとしてゲイランゲル・フィヨルドがコースに入っている9月13日までにベルゲンを出発する。船は新しくて大きい方が良いだろうということで、インターネットで船の航行スケジュールを調べ、9月8日ベルゲン発の沿岸急行船トロルフィヨルドTrollfjord号に乗る、と決めた。
 航空券とセットでない、沿岸急行船の予約だけができる、私達が調べた限りの唯一の旅行代理店ネットトラベルNet Travel Serviceにその船のUクラス客室の予約を依頼した。それが今年(2008年)の3月だったが、既にUクラスに空きは無く、Nクラスであれば、ということだったのでNクラス客室を予約。準備が遅かったかと考えたが、結果はOKだった。実際に私達が使ったNクラス客室は海側で窓も大きい方で、部屋の大きさも適当。これで良かったと思う。
 沿岸急行船の予約確認の後、直ぐに航空券を予約。ワールドパークスはスカイチーム加盟の各航空会社が利用できる。往きはエールフランス機で関西国際空港からパリを経由、オスロまで。復りはKLM機でベルゲンからアムステルダムを経由して関西国際空港まで、を予約。特典無料航空券利用なので、いま問題の燃油サーチャージも無料。何だか得した気分。
 往きのオスロからベルゲンまではノルウェー国鉄のベルゲン急行で移動。ベルゲン急行の座席の予約はノルウェー国鉄のホームページで。通常料金のほぼ半額である特別料金Minipris 358NOKで上級席のコンフォート席が予約できた。
 復りの経由地アムステルダムでは2泊して、ゴッホ美術館と国立博物館のレンブラントを観る。
 次はホテルの予約。オスロでは空港ホテル、往きのベルゲンでは鉄道駅のそばのホテル、復りのベルゲンではフィッシュ・マーケットの近くのホテル、アムステルダムは空港ホテルを予約した。2つは楽天トラベルで予約、他の2つは、楽天トラベルでは空きが無かったのでホテルのホームページから予約した。

 沿岸急行船での過し方について知りたいことは山ほどあったが、インターネットでは情報が少なく、旅行代理店ネットトラベル社を頼って色々質問した。特に服装のことは気になった。秋とはいえ、北欧、それも北極圏に入るのだから、ダウンジャケット等もあった方が良いか等。旅行代理店の返答は、ダウンまで要りませんよ、そんなに寒くない、だった。しかし、行ってみるとそうではなかった。やはり寒かった。
 この旅行記には、通常、旅行記には書かないような細かいことまで書いてある部分がある。それは、私達が沿岸急行船に関する情報の乏しさに悩んだので、今後沿岸急行船の旅を考えている人々に、この旅で私達が知ったことを少しでも伝えたいからである。

  9月6日 出発
 関西国際空港11時50分発のエールフランス機AF291でパリへ、パリでAF1274に乗り換え、日付上はその日の21時10分にオスロに到着。
 オスロ空港はノルウェー国鉄のオスロ空港駅が隣接している。インターネットで予約したベルゲン急行のチケットは国鉄駅の自動販売機で入手することになっている。少し不安だったが、駅にはチケット自動販売機がずらりと並んでおり、予約の際に届いたメールに記されたID番号などを入力、あっけないほどスラリとチケットが出てきた。
 宿泊はRadison SAS Oslo Airport Hotel、空港の目の前にある。

9月7日
 ノルウェー国鉄のオスロ空港駅はオスロ空港ターミナルの地下にある。9時38分オスロ空港駅発の国電で10時15分にオスロ駅に到着。10時33分オスロ駅発のベルゲン急行に乗車、ベルゲンには17時52分到着予定。
 オスロ空港駅からオスロ駅までは車内はガラガラ。座席にレシートが落ちていたので何気なく見ると、(ハンバーガーの)マクドナルドのビッグマックが130NOK(ノルウェークローネ)!日本円で2600円!(1NOKノルウェークローネ=20円で計算してあります) 日本のマクドのビッグマックがいくらなのかはっきりとは知らないが、たかがハンバーガーが2600円なんて、うっそー! しかし、この後、私達はノルウェーの物価の高さを実感することになる。

 私達は数年前にJTBの北欧パックツアーに参加して、ベルゲン急行にも乗り、ゲイランゲル・フィヨルドも観て、フィヨルドクルーズも経験した。その時のベルゲン急行乗車はミュールダールからボスまでだったが、今回は始発から終点まで全線の乗車、6時間半の汽車の旅だ。

 オスロを発車したベルゲン急行は森林地帯から田園地帯へと移り、湖も多く、美しい景観が続く。窓から景色を眺めていて、何となく、前回(JTBの北欧パックツアー)とは違う。そういえば雪がない。前回は6月だった。今は9月。考えみれば、9月は雪が最も少ない時期だ。6月は雪はまだ溶けきっていない。7,8月は残雪が溶ける。9月は次の初冠雪を待つばかりというわけで、雪はない。こう考えると、沿岸急行船から観る景観も、これまで写真やインターネットで見たものとは違うかも知れないな、という気もしてきた。
ベルゲン急行  

 おまけに、前の時は雨模様で、
 煙る小雨にぼんやりと浮かぶ雪模様が
 "いかにもベルゲン急行"という厳しい姿だったが、

 今日は快晴、スイスのヨーデルでも聞こえてきそうな明るい世界だ。

 やがて氷河も見え、そしてミュールダール駅に到着。
 ここでフロム鉄道に乗り換える人も多い。私達は、前の時、フィヨルドクルーズを終えてフロム鉄道でフロム駅からミュールダール駅まで、そこからボスまで、わずか小1時間だったけれどもベルゲン急行に乗った。だから、私達は降りずにこのままベルゲンへ向かう。

 ほぼ定刻にベルゲン着。宿泊ホテルは駅前のHotel Grand Terminus。
 まだ明るいので沿岸急行船ターミナルを見に行ってみた。午後6時頃、今夕出港する船のチェックインの最中の筈だ。だが、ターミナルはガランとしている??殆ど人影が無い。入口のガラス戸に書かれている案内を読んで、事情を飲み込んだ。旅行代理店からチェックイン開始時間は午後6時と聞いていたがそうではない!「チェックイン開始時間は午後3時。4時には乗船開始」と書いてある。日本で得た情報とは違う。前日に見に来て、本当に良かった!

 夕食は、フィッシュマーケットの屋台でサーモンバーガーと小海老のオープンサンドを買い、ベンチに座って湾を眺めながら食べた。計85KONで少し高かったけれど、美味しかった。

9月8日

 沿岸急行船のチェックイン開始時間まで時間がある。
 ケーブルカーでフロイエン山の展望台へ。港とともにベルゲン市街が一望できる。ここでアメリカ人2人連れにカメラのシャッター押しを頼まれたが、後に沿岸急行船の船上で再会、ヤアヤアと挨拶した。
コース図
 更にブリッゲンやフィッシュマーケットで時間をつぶし、ランチはマダム・ベルゲンという飲食店で。テイクアウトが主体の店で、座席が少しだけある。フィッシュケーキと紙コップのシーフードチャウダー。フィッシュケーキは日本の薩摩揚げと同じだが、ちゃんとした薩摩揚げの味を知っている者にとっては、フィッシュケーキは決して美味しいものではない。シーフードチャウダーは美味だが、紙コップに1杯で25KONは…やっぱり高い。高いと言っても仕方ないが。
 ホテルのあるベルゲン駅前からタクシーで沿岸急行船ターミナルへ。143KON(日本円3000円弱)。高いが、ホテルが街の中心ではないのでしょうがないか。
  前日確認した案内の通りに、午後3時過ぎにターミナルに到着。

←Norwegian Coastal Voyageコース
往きはベルゲンからヒルケネスまで北上、復りはヒルケネスからベルゲンまでほぼ同じコースを南下する。
図はツムラーレコーポレーション発行 「沿岸急行船乗船のご案内」より

船 【船1日目】

 チェックインは簡単な英語で済んだ。渡された大封筒にいくつかの資料がはいっている。クルーズカード、航行コース案内の冊子、水パック等船内サービスの案内、今日のスケジュール表etc.

 午後4時には乗船。やはり、胸が高まる。
 キャビン(船室)に入れるのは午後6時から。それまで各種の手続きがある。

 手続きのテーブルは5Fホール。私達は乗船してすぐにそこへ行ってスムーズに手続きを済ませたが、午後5時頃には長い列になっていた。
 クルーズカードにクレジットカード番号を登録する。クルーズカードはいわば船内でのIDカード。キャビンへの入室キーであるだけでなく、寄港地での乗下船、船内での買物や飲物等の支払いに使われる。サウナ室への入室キーでもある。キャビンにいる時以外は常に身に付けていなければならない大事なカードだ。カードを首から提げるストラップ等があれば良いかも知れない。
 水パック
 外国では飲み水はタダではないことはご存知だと思う。沿岸急行船の場合も、食事込みの船代を払っていても、レストランでの飲み水は有料だ。そこで、水パックというものがある。325KONで水パックが買える。これはキャビン単位で、2人室なら2人で使える。1クルーズ中有効なので乗船期間が長いほどお得。昼食と夕食時のレストランで水のボトルを、希望なら何本でも貰える。この水パックがない場合、水のボトル1本36KON。
 次にワインパック
 これは4段階あり、超最上級・最上級・上級・並という感じで、お値段で差が付けられる。夕食時にその日のメニューに合うワインをシェフが選んで提供するのだそうだ。水パックと同じに1クルーズ中有効。お値段は…最も安い最低ランクのもので4000KON(80,000円)以上だった。これを見ただけで、それ以上のものをチェックする気を失った。このワインパックは買わないがそれでもワインが飲みたいという人は、その都度グラスで注文する。これでも安くはないと思うが。

coffeecup"  コーヒーパック(Coffee Deal)
 船特製のマグカップを買うと、そのカップに入れる限り、コーヒー、紅茶は飲み放題。ステンレス製で蓋付きのなかなかしっかりしたカップだ。1個195KON。このカップの有効期限は今年(this year)中。(年が変わるとカップのデザインでも変わるんでしょうか?) このカップがなくても、朝食・昼食時はレストランでコーヒーは飲み放題、夕食後は8階のバーでセルフサービスだが無料でコーヒーが飲める。しかし、だからこんなカップ無くてもいい、とは一概には言えない。最上階のサンデッキで、デッキチェアに足を投げ出して座って周りの移りゆく景観を楽しんでいる時、暖かいコーヒーや紅茶がいつも側にあるのは嬉しい。寒い時期は尚更だ。8階のバー又は5階の売店でいつでも熱いコーヒー、紅茶が貰える。このカップがなければ、コーヒー1杯26KON。マグカップは必ずしも各人1個づつ買う必要はない。複数人が同じカップのコーヒーを飲んでもいいわけです。
lunch
 今日は午後5時半から夕食。今はまだ出港前で雑然としているので、レストランは座席もフリーで、ブッフェスタイル。
 魚介類などたっぷりのメニューで、予想外に豪華。写真の赤い食材はザリガニ。私はこの船旅でザリガニの美味しさに目覚めた。
 通常は、夕食はコース料理で、座席は指定制。ただし、指定が入っていない席があれば、希望すれば変更可。
 昼食、朝食はブッフェで座席もフリー。
pirika  
 夕食を済ませた後に初めてキャビン(船室)に入った。

 ドアを開けると、お〜! ピリカが迎えてくれた。

   今宵こそ君を♪  抱きしめんと♪
   岩陰に寄れば♪  ピリカがわらう♪
  ("知床旅情" 作詞・作曲: 森繁久弥)

  の、あのピリカだ。
 キャビンに敷き詰められた絨毯にピリカが描かれているのだ。入口に親ピリカが、そして子ピリカがキャビンの奥にむかって飛んでいる。

 この鳥は一般的にはパフィンと呼ばれるが、日本では北海道東部の太平洋岸でだけ見られ、"エトピリカ"または"ピリカ"という愛称で呼ばれている。この船の航路にあるロフォーテン諸島では約80万羽が生息しているそうだ。
 部屋のデザインとしては、ちょっとシャレてる。

 キャビンは狭さは感じない。窓の下にあるソファは倒せばベッドになる。ただ、収納は問題だ。収納棚の奥行きが浅くて防寒着等の厚手の衣類が入れにくい。そこで、かさばる衣類をスーツケースに入れ、そのまま開いた状態でベッドの下に滑らせて押し込んだ。箪笥スーツケースというわけだ。フロアが絨毯なので出し入れを繰り返してもスーツケースが傷つくことはない。これで収納はめでたし。
 海に面した長方形の窓は予想よりも大きい感じで満足。大きな鏡の付いた据付けのテーブルの両脇には小物収納のための小棚がいくつもあり、これは便利。洗面・トイレ・シャワーが1つのコーナーにまとまっているのは他のいわゆる豪華巨大客船のこれ相当のクラスのキャビン(私達はこれ相当のクラスしか知らない)と同じ。しかし、使ってみて分かることだが、シャワーを浴びる水が洗面のフロアにかからない等、全体に造りの良さが感じられる。

 出港まで時間があるので、船内を見てまわる。

deck  最上階9階には、パノラマラウンジ、中央には小さなバーとその椅子が並ぶ小サンデッキ、そしてジャグジーが2ヶ所。目立たないがサウナ、エクササイズ室もある。船尾にはデッキチェアがずらりと並んだ広いサンデッキ。
←サンデッキ
パノラマラウンジ  
 8階には、階段で9階とつながったパノラマラウンジ、バー、ツアー案内所、図書室、応接室風の部屋(何の表示も無いが、落ち着いた壁紙に、ゆったりしたソファ、海に面した大きな窓がある)。

パノラマラウンジ→
バー

←8階のバー
 吹き抜けの階段部分から見た

 バーでは毎夜、歌手などが雰囲気よろしく歌ってるようだ。
 囲いがあるわけではないので誰でも椅子に座って聞ける。


資料コーナ  図書室の横には、今日や明日の船内スケジュール表や寄港地の地図・案内など置かれた資料コーナーがある。
 いわゆる豪華客船クルーズでは毎日各キャビンに配布されるが、沿岸急行船にはそんなサービスはない。スケジュール表等は自分で取りに行く。

エレベータ  

 7,6階はキャビン。5階には、レストラン、ブティック、売店、シアター(実際は会議場)。売店は24時間営業で軽食や飲物を扱う。海に面した大きな窓を横にした席が沢山ある。昼食時や夕食時、ここの席は食事する人々で満席だ。食事込みではないカタチでの乗船客も少なくないようだ。しかし、やはり高い! 単純なハンバーガーで100KON(2000円)。この国での一般的な食費の高さを考えると、この船の食事込みの船代は割安といえる。

 4階は中央部にフロントと寄港地で乗下船するゲート、そしてキャビン。私達のキャビンもここ。フロントに最も近いキャビンで、フロントマネージャーの部屋の横。非常に便利な場所だった。 3階はキャビンだけ。
 フロア中央部は3階から最上階9階まで通しての吹き抜けで、エレベーター2基が動いている。

 20時、ほぼ定刻に出港。最上階のサンデッキに出てベルゲンの夕景を見送る。
 21時から8階のパノラマラウンジで英語による船内説明会。この前に、ノルウェー語、ドイツ語、フランス語による説明会が行われている。どれだけ聞き取れるか分からないが、聞かなきゃ何にも分からないので、とにかく出席。緊急避難のこと、ライフジャケットの着方、船内サービスの案内、明日のコースであるゲイランゲル・フィヨルドの案内など。

 シャワーを浴びる。据付のボディソープはあるが、ヘア・シャンプ、リンスがない。ヘア・ドライヤがあるのにシャンプはないの? 仕方なく、オスロのホテルの洗面から拝借してきたシャンプとリンスを使ってしのいだ。旅行代理店からは、ボディソープとリンスインシャンプが付いていると聞いたのに?? しかし、これは私達の誤解であろうと、後で分かった。復りのベルゲンのホテルのバスタブに据付のソープがあり、それには、これはボディソープ&シャンプ&リンスの機能をもつものである、とわざわざ書いてあった。ソープとは別にヘア・シャンプやリンスを使うのは決して世界共通の文化ではないことは知っていたが、そうか、ここらたりでは、ボディソープ&シャンプ&リンスの3つの機能をもつソープを使うのが一般的なのかも知れない。沿岸急行船のシャワーに据付のソープは、あれはボディソープ&シャンプ&リンスの機能をもつものだったのかも知れない。

 夜、窓から星空を眺めると、なんと、窓いっぱいに、巨大な北斗七星がどっかと鎮座している。
 はるばると北に来たものよ、という思いしきり。

9月9日【船2日目】

 今日は、ゲイランゲル・フィヨルドを航行。
 前の北欧パック旅行の時は短区間のクルーズだったが、今回はフィヨルドの入口から最奥までをゆっくりと往復する。
ゲイランゲル フィヨルド

←ゲイランゲル・フィヨルド最奥
 

 フィヨルドから大西洋に出る。
素晴らしい景観→


オーレスン  

 大西洋からフィヨルドへのゲートの位置にあるオーレスンAlesund
 初めての寄港地散策。夕刻、1時間ほど歩いた。

 まるでテーマパークのような可愛い美しい街並。一度大火にあい、街全体を建て直したという。アールヌーボー調に統一してあるそうだ。

 この船は34の港に寄港する。乗客は寄港地で下船したければ下船できる。停泊時間は様々で、短時間の停泊の場合は、直ぐに戻るように、という注意がある。

9月10日【船3日目】 トロンハイム

 今日の観光メインはトロンハイム寄港。午前8時過ぎに到着。正午に出港なので、朝食後すぐに街に出た。
トロンハイム  

 まず、小高い丘の上にあるクリスチャンステン要塞に向かう。30分ほどで着く。
 ここからはトロンハイム市街が一望できる。


 次にニーダロス大聖堂へ。ノルウェー最大の石造りの寺院だそうで、荘厳。寺院の建物正面をびっしり埋める聖像群の石の彫刻は見事だ。
 ベンチに座ってしばらく眺めた。

 次に、ショッピングセンターに寄る。ソックス(靴下)を買いたかったのだ。

 昨日、最上階のサンデッキのデッキチェアにキャビン備付けのブランケット(毛布)を敷いて座り込み、そこでゲイランゲル・フィヨルドを眺めていた。
 この船で景観を眺める場所としては、最上階のサンデッキやバー・エリア以外に、パノラマラウンジがある。他に、6階のキャビンをぐるっと取り巻く海側の通路もあるが、この通路から見る景観は、視界が限られる。
 パノラマラウンジでは、床から天井まで全面ガラス窓で囲まれているので、必ずしも最前席でなくても景観は楽しめる。そして、何といっても、暖かい。ゆったりしたソファなので寛げる。しかし、視界は前だけ。
 最上階のサンデッキからは180度の展望にひたることができる。ノルウェー”沿岸の景観”を楽しむことこそ、このクルーズの命、写真も撮りたい、となると、最上階のサンデッキが最高だ。
 で、昨日、私達は殆ど終日、最上階のサンデッキで過ごした。快晴だったが、北欧のフィヨルドのど真ん中で、船最上階の甲板で受ける風は冷たかった。ある程度の防寒着は着ていたが、ストッキングだけの足元の冷たさはコタエた。気温は日本の秋とそれほど変わらないという情報もあったので、私はソックスを用意していなかったのだ。
 船のブティックで売られているソックスは2足セットで57KON。ちと高い、と私は思った。ということで、私は街のショッピングセンターでソックスを買うつもりだったのだ。ところが、ショッピングセンターでもスーパーでも、最も安い物でソックス1足で50KON以上。高い! これで、ノルウェーの人々は生活できるのだろうか、一般市民の平均月収はどの位?などとつい考えた。 帰国後調べました。ノルウェー人の平均月収は日本人の約2倍だそうです。
 当然、私は船のブティックでソックス2足セット57KONを買った。着けてみるととても暖かく、質の良いウールのようで結果はOK。

 トロンハイムを過ぎると、しばらく外海を進むことになる。少し波が立っている。サンデッキにいると風が冷たい。
灯台  

 海面に突き出たような岩の上に、なんと、その土台の岩よりも大きな灯台があった。大海原にポツンと立っている。

 その灯台から人が船に向かって手を振っている。
 灯台がなくてはならないような、荒れることの多い海なのかも知れない。
海坊主  

 再び、島を見ながら進む。

 島にある山々がどれも、まるで海坊主のような形をしている。こんな山並みが延々と続く。
Stokksundet  

 午後遅く、「これから狭いところを通ります」という船内アナウンスがあり、Stokksundet海峡を通過する。船がやっと通れるほどの狭い海路を、島と島の間を縫うようにして、くねくねと曲がりながらすり抜けて進む。
 今日のスケジュール表には「もし天候が良ければ通過する」と書いてあるので、要するに、これはアトラクションであるらしい。

 同じような狭い海路の通過は、これ以後何度かあった。

  明日には北極圏に入ることになるが、その正確な時間を当てるゲームがある。8階の資料コーナーに置かれた応募用紙に「推測時間(秒まで)、自分のキャビン番号」を記入して応募箱にいれる。私達も応募に参加した。

今 日 の 食 事
lunch
 ランチの一部
dinner1
 前菜:カリフラワーのスープ
dinner2
 メイン:サーモンのソテーじゃがいも添
dinner3
 デザート:ムース

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