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コーカサス3国周遊…
アゼルバイジャン・ジョージア・アルメニア
ジョージア 軍 用 道 路 |
8月28日 ムツヘタ
今日は、トビリシから北へ、1日かけて軍用道路を走る。この軍用道路は、ロシアの帝政時代に、ロシアがオスマン・トルコから奪取した地域(今のジョージア、アルメニアなど)を維持するための物資を運ぶための道路だったが、ソ連時代を経て、今では、ロシアとアルメニアとの物資輸送のための道路となっている。アルメニアは、アジェルバイジャン・ジョージア・アルメニアのコーカサス3国の内ただ一つ、現在ロシアと友好関係にある国である。
トビリシから1時間足らずでムツヘタへ着いた。
ムツヘタは、クラ川とアラグヴィ川の合流地点の近くにある。
風光明媚なところだ。
紀元前にあったイベリアという王国の首都だったという。その当時、ここはどんな風に賑わっただろう、と想像してみる。
ジュヴァリ(ジワリ)修道院は高台にある、ジョージア正教会の修道院。
伝記によれば修道院は4世紀、ジョージアへキリスト教を伝道したと信じられている聖女ニノが祈りのためこの地に滞在し、この丘へ十字架を建てたのが始まりであるという。
1時間足らずでスヴェティツホヴェリ大聖堂に着いた。
大きな門前町だ。観光客用の店がびっしり。寺院はどこにあるの?と思ってしまう。
並んだ店を見ながら突き当りまで進むと、寺院があった。
寺院は城壁に囲まれたような感じで、堂々たるものだ。
ジョージアで最古の教会と言われており、ジョージアにキリスト教を伝えたという聖ニノが、初めて教会を建てたのがこの地だという。
現在の建物は、11世紀頃再建されたもので、ジョージア正教の総本山である。
ジュヴァリ(ジワリ修道院)、サムタヴロ教会とともに、ムツヘタの歴史的建造物群としてユネスコの世界文化遺産に登録されたが、2016年、管理計画の問題点などを理由として世界遺産リストから外された。
寺院内は、イコノスタシスも美しく、壮大。
ジュヴァリ(ジワリ)修道院もそうだったが、寺院の中に入るには、頭のスカーフのほかに、女性は、黒い巻きスカート風のものを身に着けなければならない。魅力的といわれる女性の下半身を隠すことが目的といわれる。
ロシアではこうではなかった。女性の下半身には黒い巻きスカートを、などという雰囲気はなかった。私なぞ、黒い巻きスカートには後進的、封建的?な雰囲気を感じてしまう。
ここらあたりは、変な?伝統を守り過ぎ、というか、または、これが正統的な宗教を伝える本道なのか。
ムツヘタから1時間も行くと、アナヌリ教会に着いた。
17世紀末年に作られたそうで、単なる教会であるだけでなく、強固な壁で囲まれた要塞のような感じ。
1970年代(ソ連時代)にできた人造湖であるジンヴァリ貯水湖とアナヌリ教会のコントラストは素晴らしい。
りっぱなイコノスタシスがあり、
一部残っているフレスコ画や外壁の浮彫り彫刻も素晴らしい。
ジョージア軍用道路
一路、ジョージア軍用道路を通ってカズベギへ向かう。軍用道路の景観も素晴らしいものだった。
スライドショーにしましたが、ただひた走るバスの中から撮った写真で、プロの写真ではありません。ご了承下さい。
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ホテルはもうすぐ。
客室のベランダからの眺望もいいが、ホテルのテラスからも。
これは夕景。
手前の山頂の寺院の、夜間はライトアップされていた寺院のライトアップが消える直前
万年雪のカズベギ山 5033m とカズベギの村
8月29日
四輪駆動車に分乗してツミンダ・サメバ教会まで行き、しばし休憩。
まわりの景観が素晴らしい。
クヴェミムタ山 という 2170mの山に
ちょこんとのっかるように建つ
ツミンダ・サメバ教会
こういう(写真)四輪駆動車に分乗して来た。
尋常ではないガタゴト道。揺れる身体がどこかにぶつからないように座席の一部をしっかりつかみながら来た。生まれて初めて、というようなすごい揺れだった。
右の山はカズベギ山。
ちょこんとあるようだが、実は頑丈な造りで、しかも、中は広い。なぜ、こんなものが山頂にあるのか。
信仰の場であることは勿論。それに加えて、万一の時には村民全員が集まることができるように。なぜ? 村民全員が協力して戦うため。だから、相手が攻撃しにくい山頂に造られた。
これは、まわりにある大国(新興も含めた)の勢力争いと領土の奪い合いの歴史に満ちた地域の特徴である。ほとんどの教会が、山頂など近づきにくい場にあるのは、その地域村民の自衛のためでもあった、そうだ。
夕食では、小龍包のようなヒンカリをジョージア風にいただきながら、民族舞踊等を見て寛いだ。
8月30日
今日は、ゴリを通って、クタイシへ。
ゴリにはスターリン博物館がある。スターリンはジョージア出身だそうだ。スターリンがジョージアの誇りというわけでもあるまいが、スターリン在世中にできたというスターリン博物館は立派な建物だということもあり、一応、見学した。
昼食で、このツアー初めての魚料理(鱒)を楽しみ、バスは一路クタイシへ向かった。
途中、露店が沢山あったが、そのうち、これは雑貨を売る店。商品が浮き輪やハンモック等、生活必需品ではなく生活を楽しむものが多く売られている。この地域に住む人々の生活の、ある種幸せそうな豊かさがなんとなく感じられた。
クタイシ郊外にはゲラティ修道院がある。
ゲラティ修道院は、10世紀頃にグルジア(ジョージア)王国の王によって創設された。
アカデミーも併設され、ジョージアを代表する科学者、神学者、哲学者等を擁して、長い間ジョージアにおける知的・文化的な中心地の一つとして機能していたような大寺院でもあり、1994年に寺院全体が「バグラティ大聖堂とゲラティ修道院」として世界遺産に登録されたが、その後、バグラティ大聖堂の再建を理由として、世界遺産への登録がゲラティ修道院のみ、とされた。
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修道院内部の壁画のフレスコ画は、目を見張るほど美しかった。 12世紀から17世紀にかけてのものだそうだ。 |
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8月31日
クタイシの市場でツアーの皆それぞれに、土産物のクルミ等々を買い、今日はメスティアへ向かう。
昼食の後、途中のダムで写真ストップ。
午後5時頃、アッパー・スワネティ地方の中心メスティアに到着。家々にこの地方のシンボルの塔が立っており、いかにも雰囲気があるのですぐ分かる。
ここら当たりは都会的なホテルは無い。私達が泊まるところも民宿という感じ。家族経営のようで、家族サービスは良質だ。
天気は下り坂。どんよりとした低い雲。明日の天気が心配だ。
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