Heavy Amored Fighting Suit
重装甲戦闘服ジェリー

　イ）HJ83/12（作）HJ83/12(Kow)

　試作されたHAFSは、すでに戦場実験を終えた試作SAFSとの1000時間に及ぶ性能比較テストを受け、その結果全てにおいてほぼ互角の性能である事が判明した。しかし、最新テクノロジーを導入したSAFSに対し、従来の技術を用いて性能向上を図ったHAFSは機体重量が極端に増大したため人型装甲スーツの形態をとる事が出来ず、いわゆる二足歩行戦車の形態をとらざるを得なかった。ただし、生産コスト、量産性、保守整備の簡易性に有利であった。傭兵軍陸戦兵器開発委員会は長時間の激論の後、従来の生産設備に少し手を加えるだけで量産を行う事のできるH.A.F.S.の生産を即座に開始し、それと平行して生産設備を改造し、徐々にSAFSの生産ラインと入れ替えていくことになった。SAFSの生産が完全に整うまでの約三ヶ月の間におよそ1,200機が前線へ送られ、主にサンドストーカーの代替兵器として配属された。
　ちなみに『ジェリー』は正式名称ではなく、偵察任務に多用されたために『ピーピング・ジェリー』（のぞき屋ジェリー）と呼ばれた愛称である。

（HOBBY JAPAN　83年12月号より）

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