SAFS

Super Armored Fighting Suit
装甲戦闘服スーパーエーエフエス

イ)HJ82/12 (作)HJ82/12(Kow) 
 2884年10月24日、傭兵軍はSAFSの試作を開始した。就役当初は全く新しいタイプの兵器として猛威をふるったAFSも、シュトラール側が次々と戦線に投入するナッツロッカー、ホルニッセなどの新兵器により次第に圧倒され始めた。折から始まっていた、シュトラール軍大攻勢には、これらの新兵器が大量に使用され、傭兵側の戦線は急速に崩壊しつつあった。特にシュトラール軍の主力兵器であるPKAは主要部の装甲に特殊耐熱セラミックを多用しているため、AFSの持つ熱効果により装甲を溶解するPrg.42中間赤外線レーザーガンでこれを撃破することは困難であった。更に、対AFS用に開発された大型重ホバー戦車、ナッツロッカーに至っては全面を非常に厚い鋼鉄板と、PKAの数倍の厚みを持つ特殊耐熱セラミックにより装甲しているため、AFSのPrg.42の集中攻撃にもビクともしなかった。

 事態を憂慮した傭兵軍上層部は次のような仕様を陸戦兵器開発部に対し呈示した。

1.敵ナッツロッカーの複合装甲を一撃で破壊可能な火器を搭載すること
2.敵ナッツロッカーの装備するPrg.42と同系の熱効果レーザーカノンの射撃に耐え得る装甲を持つこと
3.機動性能は現在のA.F.S.同程度、あるいは性能を向上させること
4.生産性の向上、機械的信頼性、部隊稼動率、操作性も現AFSと同程度、あるいは向上することが望ましい

 そして、以上4つの仕様のうち、1と2は絶対必要条件、3は必要条件、4は実現が望ましいという条件とされた。まず1であるが、現在傭兵側の兵器でナッツロッカーを撃破することができるのは、大型のロケットランチャーを装備するドールハウスのみであるが、あのような大型のロケットランチャーをAFSに取り付けるのは不可能である。それから、2.これは捕獲した敵PKA及びナッツロッカーの装備する特殊耐熱セラミック装甲を模倣生産し、装備することで解決できそうである。残る3〜4はこれまでのAFS Mk.I、Mk.II製作の経験を下地に、なんとか実現できそうである。問題は1である。しかしこれも、先のC.W.3.8ミクロン中間赤外線レーザーを開発したゲルツェン博士によって解決された。博士は臭化水銀を原料とするエクサイマー高出力レーザーの小型実用化に成功したのだ。このエクサイマー高出力レーザーは0.5ミクロン波長の超紫外線で、大気穿貫性が強く、敵装甲板を衝撃で叩き破るものである。エクサイマー高出力レーザーを発射するPrg.56レーザーガンを備え、ナッツロッカーの高エネルギーレーザーカノンに耐える特殊耐熱セラミック装甲に身を包み、高出力のエンジンを搭載したスーパーAFSは2884年12月10日から生産に入った。以上のように優秀な性能を持つスーパーAFSはもうひとつ全く新しいシステムを導入していた。従来のAFSの防御における最大のネックであった覗き窓を廃し、テレビカメラによるオプチカルシステムを採用したことである。これは、戦闘服の頭部にある伸縮自在の複数のカメラによる映像を、射撃データーなどと共に、直接視神経に送り込むと言う、後の装甲戦闘機ファルケにも採用されている、画期的な間接視認システムを備えた。

 2884年12月25日、先行生産型の4機はパトロール中のナッツロッカー2機を捕捉、一機を完全に撃破し、その性能の高さを証明した。また、この時ナッツロッカーから直撃を受けた2機のうち、1機はオーバーホールによって、またもう1機は被弾部分の交換のみで戦列復帰し、搭乗員も無傷であった。傭兵軍司令部はSAFSを最優先生産兵器に指定し、拡大生産体制にはいった。

(HOBBY JAPAN 別冊より)

 初期の生産型には、乗員の緊急射出システムが搭載されていたが、一度使用した者は二度と使いたがらない、あるいは二度と使えないような身体になってしまうという乱暴な装置で、部隊での評判は極めて悪く、機体重量の軽減、生産行程の簡略化などのメリットもあるため中期以降の生産型では搭載されなくなってしまった。かわりに、中期以降の生産型には簡単な構造の前部装甲板緊急剥離装置が取り付けられた。また後期の生産型では、機体各所の気密性を強化し、短時間の水中歩行やBC兵器に対する防御性能を高めた。以上の三種は、おおまかに初期型、中期型、後期型と分類されている。

(HOBBY JAPAN 別冊より)

モ乗員緊急射出システム
初期生産型のみに搭載されたが、乗員からは不評であった。

●乗員脱出後、戦場に放棄されたSAFS。(↓)
画像はシュトラール軍により回収された時の記録写真である。全体に焼けただれており、乗員脱出後に炎上したようだ。後部装甲が失われている事から緊急射出システムを備えた初期型である事が伺える。記録された年代は不明であるが、当時の戦闘記録に、2885年4月にト−ヴェ村近郊で損傷遺棄されたSAFSを回収した記録があるので、その機体と思われる。

●SAFS

Manufacturer

傭兵軍中央陸軍工廠

Chassis Nos

14315〜?

Crew

1

Weight(tons)

0.46(初期型)
0.43(中期以降)

Length(metres)

1.18

Width(metres)

0.93

Heigit(metres)

2.23

Armament

4.7cmPrg.56レーザーガン×1

Sight

TZF(sd.)45

Radio

FuG34S

Engine

HL375G

Max Speeds(km/hr)

52

Range(km)

195

Armour(mm)

7mmタングステン装甲+15mmスーパーセラミック

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Original Text by Hiroshi Ichimura & Kow Yokoyama.