辛子真緑 お勧めの本 千夜一夜(1001Nachte)
今回お勧めの一冊
滝沢聖峰氏著 Tale of Rose Knight〜ばら物語 Vol.1
最近、ほとんど漫画を買わなくなりました。
以前はギャラリー・フェイクや蒼天航路など、結構色々買っていたのですが・・・。
今では、ギャラリー・フェイクも蒼天航路も、終わってしまいましたしね。。。。
さて、そんな中以前から買い続けているのが、滝沢聖峰氏の作品群です。
実は、デビュー作碧の孤狼―Japanese interceptors 1945から、惹かれっ放しなのです。
(尤も、ガンズ&ブレイズ 上・ガンズ&ブレイズ 下とフー・ファイター―With heart of darknessは、持ってませんが・・・。)
福生にあったフォッケウルフ・Fw190A(これは本当)にユンカース・Jumo213を載せてD−9にしてしまったり、
彗星にX−4(ルールシュタール)搭載してP−61撃墜(彗星が機銃でP−61を撃墜したことはあるらしい)したりと、
なかなか有りそう?で無かった、興味深い題材が多いです。
その中で一番凄かった?のが、著者のデビュー作・キ108改 帰還セズです。
あのレーダースコープに映った女の子の顔と
衝撃の結末は、忘れられません。。。。
さてさて、すっかり前置きが長くなってしまいましたが、今回ご紹介するのは『キ108改 帰還セズ』と同じく?、
女性が主役のこちらの本です。
16世紀・一国としてではなく、都市国家として分立していた頃のイタリアを舞台に、
都市国家の騎士団長・ロザリア・マンテガッツァと、
孤児として黒ツンフト(大砲傭兵ギルド?)のマイスターとして育ったマイスター・ローザの姉妹を中心に、
物語は進んでゆきます。
侯爵・マンテガッツァ家の妹がなぜ孤児になったのか、ロンバルティアを巡る戦いはどうなるのか、
セッシア同盟都市国家の運命は・・・などなど、興味は尽きるところを知りません。
美しい姉妹の戦士が主役・・・と言うも、今まで私が余り見なかったもので、好感が持てます。
ロザリアも凛々しくて良いのですが、ローザが時折見せる艶っぽさ(発砲の瞬間の仕草など)は、また格別です。
(狒々爺か・・・笑)
尤もこのお話、史実ではなく『剣と鎧はあるが、魔法と龍は無い』ファンタジーだそうですが、
当時の事を知るにはなかなか素晴らしい本ではないかと思います。
(私自身は、この時代のこの地方の事について、全くの無知蒙昧ですが・・・)
ロザリアとローザの姉妹、この本のあとがきにある、著者が昔イタリア旅行中に出会った、美しい尼僧がモデルの様な感じですが、
他の滝沢作品の主人公の様に、最後は戦死と言うのは悲しいですね。
確か、この本のあとがきに、著者自身『私の作品の主人公は、死亡率が非常に高い』と書かれる程です。
願わくはロザリアとローザの姉妹、戦災孤児?のジェルソミーナだけでも、そうあって欲しくないですね。
準主役ともいえるルカ中尉は、老境まで生残っている様ですが・・・。(もしかして、決闘で負けるのか?)
いやいや、なんや漫画か・・・とは侮れない、ついつい惹きこまれる一冊です。
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更新日:平成二十年 三 月 五 日
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