旧長浜駅 駅舎


 

<旧長浜駅駅舎 全景>


●旧長浜駅 鉄道記念物指定
 明治15年9月、北陸線の始発駅として、井上勝鉄道局長の指示のもと、英国人技師が設計したものです。東西24.5m、南北9.7m、2階建て煉瓦積み英国式建築物です。当時、駅は琵琶湖に面して建てられていました。これは太湖汽船の長浜〜大津間航路との乗り継ぎに便利なようにと考えられた為です。なお、建物壁面の色は、オリジナルではありません。昔はコンクリート打ちっ放しのような感じでした。

徳垂後裔 功和千時 與國咸休

●徳垂後裔(とくすいこうえい)
  旧北陸線山中トンネル、山中信号所側に有った石額で、黒田清隆の題字です。
  「徳(とく)は後裔(こうえい)に垂れる」と読みます。
  (この鉄路を完成させたという)徳は、子々孫々まで残るという意味です。

●功和千時(こうかうじ)
  旧北陸線山中トンネル、杉津側にあった石額で黒田清隆の題字です。
  「功時(こうじ)に和(わ)す」 と読みます。
  事業(鉄路)の完成は時代の要請にあっているという意味です。

●與國咸休(よこくかんきゅう)
  旧北陸本線葉原トンネル、敦賀側にあった石額で、黒田清隆の題字です。
  「與國(よこく)咸(み)な休(きゅう)す」と読みます。
  同盟国がことごとく盛んになる(ことを願う)という意味です。


永世無窮 萬世永頼 旧29号分岐ポイント


●永世無窮(えいせいむきゅう)
  旧北陸線葉原トンネル杉津側にあった石額で黒田清隆の題字です。
  「永世窮(えいせいきわ)まり無(な)し」と読みます。
  いつまでも、終わることなく(この鉄路が役立つことを願う)という意味です。

●萬世永頼(ばんせいえいらい)
  旧北陸線柳ヶ瀬トンネル柳ヶ瀬側にあった石額で伊藤博文の題字です。
  「万世(ばんせい)永(ながく)く頼む」と読みます。
  この鉄道が世のために働いてくれることを、いつまでも長く頼りにするという意味です。

●旧29号分岐ポイント(鉄道記念物 昭和36年10月14日 指定)
 明治13年(1880)長浜、敦賀間の建設にあたり、英国(カムメル会社製)から購入された、国鉄に現存する最古のポイントです。このポイント(30kg)は、明治15年3月、長浜、柳ヶ瀬間の開通から同32年12月、関ヶ原〜米原間の開通によって、関ヶ原、長浜間が廃線となるまで、長浜駅構内の重要な分岐器として使用されました。長浜構内の諸設備は、このとき、米原駅へ移されましたが、このポイントは残り、大正5年7月から同駅上り2番線計重台ポイントに使われ、昭和36年3月まで約80年に渡り使用されました。

●長浜ステーション記念入場券(未使用)
 古いものがアルバムの中から出てきました。駅舎が一般公開されたときに発売された、記念入場券です。昔は駅舎壁面がコンクリート打ちっ放しであったことが判ります。こっちのほうが、私は好きでした。

●長浜ステーション記念切符(一部使用)
 記念切符も出てきました。切符の左端と右端には、何か別の半券がついていたような気がします。おそらく片方は旧駅舎の入場券であり、もう一方は慶雲館ではと考えています。

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