はね返り係数
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2008.07.20〜更新2008.09.20

はね返り係数
運動量保存の法則
【はね返るボールの観察】
ボールを投げ出す初速度・角度・高さを設定し「はね返り係数」の値によって,
ボールの弾み方がどのように変化するか,観察してください.

参考:ボールに軌跡を付けると,観察しやすくなります.

【考察1】下図は建物の屋上から初速度5[m/s]で真横にボールを投げ出し,はね返り係数が0.7の床と衝突している図です.次のことを考えて下さい.
@ はね返り係数が大きくなると,ボールの弾み方は(悪く 良く )なる.

A ボールが全く弾まない時の,はね返り係数の数値は( 0 1 )である.

B ボールが最も良く弾むときの,はね返り係数の値は( 0 1 )である.


【はね返り係数の公式】
日常私たちはボールの弾み方を,ボールを床に落として,はね返ってくる高さで判断することがあります.
この場合,はね返る前の高さをh1,はね返った後の高さをh2とすると,無意識にはね返り係数 e を と計算しています.
ボールがいつも床と衝突するだけなら,これが公式になりますが,動いている2つのボールが衝突する場合にはこの式を利用できません.
 

【考察2】下図は,2つのボールA・Bの衝突前後の様子を表したものです.

【一般のはね返り係数の求め方】
全ての衝突で成立する,はね返り係数の公式を求めるにはどうすればよいか考えます.

左図は,床とのはね返り係数1のボールが床からはね返り,元の高さに戻ろうとしている様子です.

赤枠で囲まれた部分に注目すると,床に衝突する前後で,ボールの軌跡の間隔が等しくなっています.

これは床に衝突する前後で,ボールの速さが等しいことになり,その結果ボールは元の高さまで戻るのです.

ですから,はね返り係数は衝突前後の高さの比ではなく,速さの比で表せることになります.

結論として,はね返り係数 e の公式は  で計算します.
衝突前のボールAの速度を ボールBの速度を  衝突後のボールAの速度を ボールBの速度を  として,次のことを考えて下さい.
@ 衝突前,ボールAがボールBに近づく速さは( )である.

A 衝突後,ボールBがボールAから遠ざかる速さは( )である.
B だから,はね返り係数eの公式は( )となる.
【重要】まとめを確認して下さい.    

【練習問題】いろいろな衝突について,下図のはね返り係数を下の語群から選んで記号で答えて下さい.(速度の向きに注意)

@e=    Ae=   Be=   Ce=
【語群】 @0.8  A1.0  B0.56   C0.056  D0.72   E0.072