2009.10.24〜2009.12.11
【波の観察】 波には「横波」と「縦波」の2種類があります. 例えば水波・光波・地震のS波は横波で,音波・地震のP波は縦波です. ここでは,2種類の波の特徴を学習します. まず下図の名称を確認して下さい. @ 青色の○印を「媒質」と呼び,波を伝える物質を表します. 例えば水波の媒質は水,音波の媒質は空気です. A 赤色の直線を「変位」と呼び,波がない位置からの媒質の「ずれ」を表します. ![]() |
【重要】まとめを確認して下さい. |
【考察1】波の表示コンボボックスをに設定し,右方向に伝わる横波(SIN曲線)を観察して下さい.
右方向に伝わる横波を見ていると,横波の媒質も右方向に移動しているように見えませんか?
そこでをクリックして,赤枠中の媒質に注目して下さい.
横波の媒質は上下に振動するだけで,右方向には移動しないことを確認して下さい.
例えば,無風状態の水面に浮かんだ木の葉は,上下にゆれるだけで波の進行方向には移動しません.
【参考】サーフィンのように,波によって物体が動く例もあります.
例えば波に乗ったサーファーは,波に乗って岸の方へ移動しています.
しかしサーフィンの例では,
@ 波の形がSIN曲線ではなく,波頭が崩れるほど大きな波に乗っている.
A サーファーは波に乗る前に,サーフボードを波の進行方向に進めている.
サーフボードの速度が遅ければ,サーファーは波に取り残されます.
等,波に乗って移動するには特別な条件が必要です.
【考察2】波の表示コンボボックスをに設定し,右方向に伝わる縦波を観察して下さい.
【考察3】波の表示コンボボックスをに設定し,縦波を横波に変換して表示する規則を観察して下さい.
横波と縦波の特徴が確認できましたか?
次に一定時間後の,波の変化を作図する方法を考えます.
【図1】では,点線の位置から実線の位置に移動する,
横波の変化がわかりやすく作図されています.
一方【図2】では,点線と実線が混じり合って
縦波の変化がわかりにくいです.そこで
縦波を横波に変換して表示する規則が考え出されました.
左図のように青色の縦波を横波に変換すると,赤色の波になります.
なお灰色の□印は縦波の媒質の初めの位置を表し,灰色の直線は□印と縦波の媒質を結んだ線です.
灰色の直線は,縦波が伝わっていない所では鉛直な線になり,
縦波が伝われば左右どちらかに傾いた線になります.
縦波を横波に変換する規則がわかりますか.
それではボタンを押して,縦波を横波に変換する規則を確認して下さい.
まず左図の水色の四角形内を見ると,縦波の媒質の全てが初めの位置から右向き(正方向)にずれています.
例えば灰色の斜めの線を見れば,A点の媒質は右向き(正方向)のB点にずれています.
そこでABを半径として,上向き(正方向)90度の円弧を描くと,赤色の横波に接します.
その他の点も同様に描けば,横波の山形の部分が作図できます.
次に左図の水色の四角形内を見ると,
縦波の媒質の全てが初めの位置から左向き(負方向)にずれています.
例えば灰色の斜めの線を見れば,C点の媒質は左向き(負方向)のD点にずれています.
そこでCDを半径として,下向き(負方向)90度の円弧を描くと,赤色の横波に接します.
その他の点も同様に描けば,横波の谷形の部分が作図できます.
縦波を横波表示する規則がわかりましたか?
それでは次の問題を考えて下さい
【考察4】下図は右向きに伝わる横波を表します.次のことを考えて下さい.
【考察4】下図は右向きに伝わる縦波を,横波に変換して表示したものです.次のことを考えて下さい.
はじめに縦波の媒質が初めの位置から右向きにずれているとき,
縦波の媒質は正方向にずれている(正の変位である)と約束します.