波の重ね合わせ
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2010.03.19〜2010.4.19

横波と縦波
波の重ね合わせ
【波の観察】
 2つの物体が正面衝突すると,変形や破壊が起こります.
しかし2つのが重なっている間は互いに影響を受けるが,
その後は互いに影響されずに伝わります.
これは波独特の性質で「波の独立性」と呼びます.
ここではどのような規則で波が重なるのか学習します.
【重要】まとめを確認して下さい.

【考察1】波の合成コンボボックスがであることを確認し, ボタンをクリックして下さい.
   そして,緑色と紫色の連続波の条件を変えて,どんな合成波ができるか観察して下さい.

【波の各部の名称】
初めに,左図の物理量を確認して下さい.
@ 波の最も高いところを
  低いところをと呼びます.
A 波の山〜山(谷〜谷)までの長さを
  波長
と呼びます.
B 横軸からの山の高さ(谷の深さ)を
  振幅
と呼びます.
 [注意]波の山から谷までの垂直距離
     を振幅だと勘違いしないように
     して下さい.
C 左図のように,山と谷が連続する波を
  連続波,一つの山(谷),1組の山と谷
  だけの波をパルス波と呼びます.

波が重ね合わされる規則を以下の手順で考えて下さい.なお横軸より上側は正の変位(目盛),下側は負の変位(目盛)とします.

【考察2】波の合成コンボボックスがであることを確認し,ボタンをクリックして下さい.
  そして,ものさしをドラッグして,波が重ね合わされる規則を確認して下さい.

【図1】                【図2】

@ 図1では,緑色の連続波の変位は 目盛 で,紫色の連続波の変位は 目盛 です.
  それらを重ね合わせた,青色の合成波の変位は 目盛 です.
A 図2では,緑色の連続波の変位は 目盛 で,紫色の連続波の変位は 目盛 です.
  それらを重ね合わせた,青色の合成波の振幅は目盛 です.
B 以上のことから合成波の変位は,2つの連続波の振幅を( 足し算 引き算 掛け算 割り算 ) して求められます.

【考察3】波の合成コンボボックスがであることを確認し,ボタンをクリックして下さい.
  そして固定端(媒質の端が固定されている)と,自由端(媒質の端が固定されていない)で,パルス波がどのように反射するか確認して下さい.

@ 固定端では,山のパルス波は(谷)のパルス波になって反射する.
A 自由端では,山のパルス波は(谷)のパルス波になって反射する.

【参考】水波だけでなく光波も,屈折率が小さい空気と屈折率が大きいガラスの境界面で反射します.
     光波が空気からガラスの境界面に進むとき,境界面は固定端になって光波の山は谷で反射します.
     光波がガラスから空気の境界面に進むとき,境界面は自由端になって光波の山は山で反射します.

【考察4】固定端でのパルス波の反射につて考えます.

左図は固定端でパルス波が反射している様子ですが,なぜこのような波形ができるか考えます.

固定端の右側にも媒質が続いておれば,パルス波はA点まで伝わるはずです.ところが実際は
@ 固定端より左側には,反射する前の緑色の波が残っています.
A 固定端より右側には,媒質がないので反射しなければならない灰色の波があります.
ところで固定端では,波の山は谷で反射するので
B 灰色の波は山が谷へ上下逆になり,オレンジ色の波になります.
C オレンジ色の波は反射し,固定端をはさんで左右対称の紫色の波になります.
固定端の左側には,@反射前の緑色の波とA反射後の紫色の波が,2つ存在します.
これら2つの波が重ね合わされると,青色の波形ができます.

【考察5】自由端でのパルス波の反射について考えます.

左図は自由端でパルス波が反射している様子ですが,なぜこのような波形ができるか考えます.

自由端の右側にも媒質が続いておれば,パルス波はA点まで伝わるはずです.ところが実際は
@ 自由端より左側には,反射する前の緑色の波が残っています.
A 自由端より右側には,媒質がないので反射しなければならない灰色の波があります.
ところで自由端では,波の山は山で反射するので,
灰色の波は山が谷へ上下逆にならず,Bのオレンジ色の波がありません.
C 灰色の波は反射し,自由端をはさんで左右対称の紫色の波になります.
自由端の左側には,@反射前の緑色の波とA反射後の紫色の波が,2つ存在します.
これら2つの波が重ね合わされると,青色の波形ができます.

【考察6】 連続波もパルス波と同じ規則で,反射前の波と反射後の波が重ね合わされていることを確認して下さい.

【参考】連続波が反射している様子を見ていると,青色の合成波が普通の波と違って見えませんでしたか?
     普通の波は,左右どちらかに進んでいるように見えますが,青色の合成波はどちらにも進んでいないように見えます.
     このような波を「定常波」と呼びます.

【考察7】波の合成コンボボックスがであることを確認し,ボタンをクリックして下さい.
  そして,どんな条件の2つの波が重ね合わされると,定常波ができるか確認して下さい.

逆向きに進む緑色と紫色の波が重ね合わされると,左右どちらにも移動しない青色の定常波ができます.
定常波の媒質が常に静止している部分を「節」と呼びます
反対に赤い矢印の部分は,媒質が最も良く動き「腹」と呼びます.
定常波ができる条件を考えて,適当な数字を入力して下さい.
@ 右向きに伝わる,緑色の連続波の振幅が5,波長が2,速度が1の場合,
  左向きに伝わる,紫色の連続波の振幅は で,
                 波長は で,
                 速度は
  これら全ての条件が満たされた時,定常波ができる.
A 緑色(紫色)の波の波長は,節と節(腹と腹)の間隔の 倍である.