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2010年


橋本和明 — Execution Scene —ささやかな30の時間

11月20日から始まった自宅アトリエでの展覧会—ささやかな30に時間—は、湯浅町内のご近所の皆さん、和歌山県内外、遠くは兵庫・京都そして三重からも・・・6日間で200名を越す来場者で連日盛況でした。
 展覧会終了後の26日には自宅アトリエならではの番外編で、和歌山県立近代美術館学芸員の寺口淳治氏訪問の後、耐久高校美術選択生の授業で終了となりました。

20日のオープニングには、26年前の新聞記事と写真をわざわざお送りくださった毎日新聞記者・城島 徹氏も大坂から駆けつけてくださいました。
つかず離れずのご縁に感謝です。
期せずして今回の初日11月20日と26年前の記事掲載日が同じというのも何だか不思議な因縁を感じました。

湯浅中学校美術部

24日の放課後の耐久高校美術部員の見学時間には、タイミングよろしく和歌山県立近代美術館長 雪山行二氏が見え、館長さんを巻き込み。

耐久高校

私の制作の話に加え、和歌山県の彫刻家(保田龍門・春彦、建畠大夢・覚造 父子)の話から、現在開催中の保田春彦展にも触れたレクチャーと相成りました。

和歌山県立近代美術館 雪山行二氏 http://www.bijyutu.wakayama-c.ed.jp/message20101120.htm

毎日新聞 城島徹氏 http://mainichi.jp/tanokore/column/jojima/archive.html

『彫刻家の仕事場ってどんなとこ?』をキィーワードに企画した展覧会。
制作の実際を、作品と、制作台とともに道具類も見せる事で、塑造という私の仕事をより具体的にイメージしてもらえたでしょうか。

30年前の美大卒業の年の作品『モロエの顔』から、現在の『kanon』の連作までアトリエにある約50点の作品群とエスキースやドローイングに加え、「身につける彫刻」として1999年以来制作を始めたシルバーアクセサリー群や、掌におさまる小さなブロンズも含め、橋本和明の思考と制作の変遷をある程度感じていただけたとは思っていますが・・・。

『ささやかな30の時間』をしつらえ、表現できていたかー。 

彫刻家の制作現場の空気感を味わっていただけたかー 。

秀吉に満開の朝顔を所望され、満開の朝顔を一輪だけ残し全てほかし、その一輪を茶室に設え茶をたてた利休の美意識・・・。

おこがましいですが、今回のアトリエのしつらえを試行錯誤している時にふと感じた事でした。

最近、彫刻制作は「農業」に似ていると感じています。

土を耕し種を蒔き、水をやり、芽が出て成長する・・・やがて花が咲き実がなり収穫する・・・。丹誠込める日々の努力とともに、そこには太陽の光や、恵みの雨のような「自然の力」という、人の手の及ばないさまざまな助けが不可欠であります。

制作者として、その時その時を努力する事はもちろんですが、個人の力の及ばない『何か』・・・作品が実を結ぶためには、その様な個人の力ではどうにもならない『何か』・・・言葉であったり、人との出逢いであったり・・・。

それら全ての事どもを、腑に落とす時間の積み重ねも、作品制作には必要なのだと感じます。

高村光太郎の「心はいつでも新しく毎日何かしらを発見する」という、人として理想的なひとつの生き様を示す言葉は、制作の日々の指針であり、未だこの事を噛み締めている日々だなぁと思い至った6日間でもありました。

正信偈の最初のくだり

帰命無量寿如来

南無不可思議光     とわのいのちと ふしぎなひかり に帰依します

青木新門氏著「納棺夫日記」と正信偈 ー この夏の新たなひとつの発見は、今後の制作とどのように関わって来るのでしょうか・・・。

橋本和明 -Execution Scene -ささやかな
30の時間

2010.11.20.~25.
10:00~17:00 橋本和明アトリエにて

橋本和明 ー Execution Scene ー  ささやかな
30の時間と題してアトリエでの展覧会を開催します。

未発表の小品群、エスキース、仕事場の道具類・・・
初期から現在までの作品が乱立するアトリエは、美術館やギャラリーといった展覧会場とはまたひと味ちがう面白みがあります。

アトリエは、私がひとり孤独に制作する場所です。

思考し、悩み、苦しみ、作品が生まれる現場なので、見せたくないところなのです。

けれど、逆に『見られない場所』だからこそ他人は『見てみたい!』と思うのですね。

今回はそのような気持に思い切ってお答えしようと、『彫刻家の仕事場ってどんなとこ?』をキィーワードに企画しました。

「ささやかな30の時間」とは、金沢美大在学中からの二科展初出品以来、
制作発表の積み重ねが30年というささやかなくぎりを意味しています。

アトリエにてお待ちいたしております。

お問い合わせは・・・・ 橋本和明
643-0004和歌山県有田郡湯浅町湯浅1499-1天神山
  e-mail  cast-y.1or8.ka@iris.eonet.ne,jp


第95回二科大阪展OPEN
大阪市立美術館地下展示室
11月2日(火)~14日(日) 9:30~16:30
11月8日(月)休館


絵画・彫刻・デザイン・写真
併催:第59回こども二科展
第8回ポストカードデザイン大賞


毎年11月恒例の『二科大阪展』が開幕しました。
彫刻室には、関西支部会員・会友と入選作品・全国巡回作品の計21点が並びます。
展示点数は東京六本木・国立新美術館の比ではありませんが、他の部の展示もあわせて
お楽しみください。
橋本和明作、kanonー空の柱 是非ご覧ください。


WBS オピニオントークに出演

和歌山放送ラジオの「オピニオントーク」という番組にゲスト出演しま
した。

何しろラジオ局など初めてなので、少々緊張気味に午後7時から
ディレクターの寺門秀介氏・パーソナリティーの上野真歳氏と
雑談のような打ち合わせの後、スタジオに入り収録しました。

二週にわたり、第95回二科展出品の新作「kanon-空の柱」
を中心に一連のkanon制作のことなど、私の彫刻制作にまつわるお話しを
しています。

「オピニオントーク」
 9月26日(日)・10月3日(日)午前8時~8時20分
 パーソナリティー:上野真歳さん
 お時間許せば、お聞きください。


kanon - 空の柱

第95回二科展 出品作品のタイトルです。

  帰命無量寿如来
  南無不可思議光 とわのいのちと ふしぎなひかり に帰依します

  正信偈のはじまりの一節です。

  少年の頃の夏休み、母方の実家の大きな仏壇の前で朝早くに同い年の従兄弟と

意味も解らぬまま唱えさせられた思いでのある言葉です。

  青木新門氏著・納棺夫日記を読み、何十年かぶりに再会したその言葉の意味を

知り、ここ数年来制作の「kanon」に寄せる思いとの接点をこの言葉に

見出した感じがします。

無駄なかたちを削ぎ落とし、人体存在の核心に迫る、形を求める・・・

  目には見えない、言葉にできそうにない・・・

  けれど確かにそこにある存在 ― ひとすじの光の様なカノン制作当初、

制作ノートに、『天と地の間でふるえながら立ち現れて来るものの存在』と書きました。

  今回の作品は、その天と地の間の『柱』たり得たでしょうか・・・。


第95回記念二科展OPEN!


8月30日から9月2日まで、第95回二科展openingの為上京していた。
31日展示作業・9月1日初日とあわただしい時間を過ごした。
仕事を終えて美術館を出た午後8時を過ぎても、気温は下がらず、
身体にまとわりつく様な熱風・・・。期待と不安の初日前夜でありました。
9月1日、国立新美術館にて第95回記念二科展開幕。
9月13日までの12日間(9/7休館)、絵画・彫刻・デザイン・写真の4部門の
展覧と、ナイトミュージアムコンサートやギャラリートーク・95回特別講演会・95回記念シンポジウムなどなど、企画のいろいろもお楽しみください。
(詳しい情報は二科会ホームページ http://www.nika.or.jp/ をご覧下さい)
彫刻部は、会員・会友・一般入選作品をあわせて約160点の作品が、室内と野外空間に
展覧されています。二科彫刻の自由でバラエティーに富んだ作品群をお楽しみください。


夏の終わり ー 二科制作


残りの夏と感じられない、この暑さはいつまで続くのでしょう。
そんな酷暑の中、今年も『二科制作』が終わり、先日は審査の為一度目の上京。
一連の制作活動のひとつとはいえ、二科展出品作の制作は、やはりどこか緊張感の質がちがいます。

今年は「kanon ー空の柱」と名付けました。
カノン制作の当初、制作ノートに「天と地の間でふるえながら立ち現れて来る緊張感を伴ってあるものの存在」と書きました。
それは、実際には目に見えないけれど確かに感じられる存在感のこと。
くり返し削ぎ落とし、形を求める・・・
その芯の如きフォルムから何を感じ取ってもらえるでしょうか。

第95回二科展は、六本木・国立新美術館で開催されます。
9月1日(水)~13日(月)/9月7日(火)休館
午前10時~午後6時/3日・10日(金)は午後8時まで

彫刻の他、絵画・デザイン・写真の力作も是非ご高覧下さい。


和歌山県立近代美術館
開館40周年記念展1
ようこそ彫刻の森へ

-開催中ー
 9月5日(日)まで 月曜日休館


和歌山県ゆかりの彫刻家、建畠大夢と覚造、保田龍門と春彦。二組の父子の作品とともに,
ロダン・ブールデル・マイヨール・・・と近代から現代に至るさまざまな作家達の多様な
作品が,空間にちりばめられています。
柳原義達の横に、エミリオ・グレコ・・・シーガルがあり,イサムノグチの石がある。
中でも、土谷武の鉄の作品を改めて見て,『良い仕事やなあ』と思いました。

私の作品『存在の軌跡-影』(1998年)も展示されていますので,是非ご高覧下さい。
ぎらぎらの光と酷暑の日々,美術館の空間は,少し光もおさえられ,ひんやりとした
心地よい所まちがいなしです。

ぶらりと遊びに出掛けてみて下さい。
ミュジアムショップでも、楽しい発見が・・・・
橋本和明のシルバーアクセサリーもご覧頂けます。


いぬいの会 彫刻展
神田毎実・二ノ宮裕子・橋本和明・松田重仁・宮澤光造

2010年7月28日(水)~  8月3日(火)
高島屋大阪店6階アートサロン
大阪市中央区難波5-1-5 tel 06-6631-1101

7月の開場時間:午前10時~午後8時30分
8月の開場時間:午前10時~午後8時 
*最終日は午後4時閉場


このたび戌・亥年生まれの二科会会員による「いぬいの会」彫刻展を開催いたします。

ここに集まる5人の彫刻家各々は、様々な素材を用い表現の可能性を追い続けています。

新たなる試み、強固な意志を感じ取って下されば幸甚です。


新作SILVER RING


昨年末、50代の男性からリング制作の依頼があった。
どこにいっても、指に合うリングがないそうだ。
それもそのはず指のサイズは30・・・人差し指にはめるという・・・。

とにかく太い。
今まで制作した事のないサイズなので、なかなか取り組めずに時間を過ごした。

とりあえず、リングの原型を作りそれをベースに、がっしりと量感と存在感のある形をとイメージした。
それに加え、私の制作の基本である彫刻制作からこぼれて来た形『falcon』をはめ込み、一体感を出すよう工夫した。

出来上がり、ぴったりと指にはまった時の満足そうな顔が忘れられない。
彼曰く、「キムタクもこんなんはめてるやん。」若い!!
「こんなん何処ヘはめていくん?」という奥様には、『falcon』の一部からペンダントに仕立てプレゼントした。

試行錯誤、なかなか面白い仕事をこちらも夫婦で知恵を絞り楽しませていただいた。


『氷室の日』

7月1日・・・毎年、学生時代を過ごした金沢から『氷室饅頭』が届く。
古く加賀藩では、倉谷の渓谷にある氷室を開け、その氷雪を江戸まで運んで幕府に献上していた。

庶民の間では、盛夏を迎えるこの季節の変わり目に麦まんじゅうを食べて、無病息災を祈ったと云われ、この慣習を今に伝えるのがこの氷室饅頭である。
加賀の昔をしのぶ風物詩といえる・・・。(金沢 森八・氷室饅頭より)

今年も届いた氷室饅頭を美味しくいただいた。
最近は、氷室よろしく冷凍庫で保存し、文字どおり「凍らせて」残りをいただく楽しみ方をしている。

暑い日の仕事の一服に、これがまた格別おいしく感じられる・・・。
金沢の『氷室』、京都の『水無月』
我が家は、この季節 夏に向かって『無病息災』を祈る菓子でひとときを過ごす。

しかし、『氷室』を食べると自然と制作中の二科作品に気持ちが向く。
毎年毎年の、私の条件反射・・・。


ART 100 in CD CASE

2010.6.29.ー 7.11
12:00 ~ 19:00 (最終日17:00)
ギャラリーはねうさぎ

橋本和明展ーkanonー  の次は、ART 100 in CD CASE
はねうさぎの企画展にゲスト出品します。
12×13.5  厚さ1cmのCD CASE の中に作品を入れ込みました。
限定された空間に表現することのおもしろさ。好きです。

参加各作家の作品も、合わせてお楽しみください。

星のしっぽ    
(石膏・ジェッソ・鉛・真鍮・鉛筆)   2010


橋本和明展-kanon-

4年ぶりの、京都 『G.はねうさぎ』での個展『橋本和明展ーkanon』が始まった。
今回は、はねうさぎの新しい場所 Room4。
京・町屋の二階にある小さな空間。
部屋のそこここに古い町家の名残が・・・。
高くない天井・土壁も一部残されている。
新たな壁に隠された床の間には違棚があり、横に設えられた壁には四角な覗き穴・・・。
もちろん、違棚に作品をインスタレーションした。
『kanon』とは、もともとギリシア語で戒律・基準という意。
彫刻制作に対する自戒も込めてタイトルに使っている。
カノンの響きは観音ともオーバーラップする。
無駄な形を削ぎ落とした人体。
小さな空間。
二体の彫刻と二枚の素描。
そこから立ち上がる、静かに微妙にゆれるような空気感の表現を意図した。

ご高覧・お楽しみください。


橋本和明展-kanon-

京都ギャラリーはねうさぎ4

2010.6.15(火)‐6.20(日)
12:00‐19:00(最終日‐17:00)


6月15・18・20日は在廊しています。ぜひご高覧ください。

京都市東山区三条神宮道北東角2F
TEL&FAX075-761-9606
地下鉄東西線東山駅(1)(2)出口より東へ徒歩3分


薔薇が咲いた


年末に頂いた薔薇の花が咲いた。

世話もせずにいたのだけれど、健気に花をつけてくれた。

かたい蕾から、徐々に色を変え花びらが開いてゆく様は

花の王といわれるだけのことはある。

風薫る季節に、文字どおり薔薇の香りを楽しんでいる。

アトリエでは、春先からの塑造の作品とともに、急遽

決まった6月の京都での個展に発表予定の素描が続く。

夏の制作に向けての心構え。

素描は塑造の心構え・・・

空間の中にかたちを求め、かたちを構え

足したり引いたり、消したり描いたり、

試行錯誤の跡を指でなぞり確かめる。

ひとすじな気持ちで、薔薇は咲くけれど

切詰め削られ、なかなかひとすじな気持ちで決められぬ。

まだまだ修行が足りぬということ・・・


長谷川等伯展+ロダンの背から京都タワー


関西二科展搬出後、京都国立博物館・長谷川等伯展を観に行った。

30分待ち・・・初夏を思わせる日ざしの中、建物自体をじっくりと観察することなどなかったと気づいた。

お目当ては「松林図屏風」。最奥の部屋まで、人をかき分け直行した。

「松林図屏風」「月夜松林図屏風」「檜原図屏風」は、やはり、一見の価値ありの作品群でありました。

余分なものを一切描写しない。

描写しないで表現すると言えば良いのだろうか。

削ぎ落とし、芯の如き、それでいて充分に潤いに満ちた空間表現は、侘び寂びをも越えた等伯独自の世界観の現れであろうか。

只、「松林図屏風」は、平面的設えでなく、屏風そのものの立体で鑑賞したかった。

いつも思うところなのだが、これらが描かれた時代の状態そのものを観てみたいと思うのは私だけだろうか。

外に出ると京都の夕刻。

せっかくだからと、久々にロダンの「考える人」を見てと近くに行くと、考える背中越しの京都タワー。


関西二科展
kanon-梛の舟


黙々と削ぎ落とす・・・
いつもいつも制作の際念頭にある「緊張感」という言葉
緊張感をもちつつ、静かで穏やかな空間をつくりたいと思う

展覧会の間に、桜は終わり
きらきらと新緑はまぶしく 春は過ぎ行き

アトリエに差す日もずいぶんとながくなって来た


第45回関西二科展
京都市美術館
2010 4月20日-5月2日



サクラ・サクラ

関西二科展の制作も、やっと目処がたち、爽やかな晴天に誘われて桜を見に出掛けた。
湯浅・栖原海岸を見下ろす山は、施無畏寺の桜。ここは、鎌倉時代の華厳の高僧・明恵上人二十代修行の地である。
はるか海上には、明恵が手紙をしたためた鷹島がみえる。

私のお気に入りのスポット。
今日は、太陽の光が水平線のあたりを白く輝かせ、満開の桜並木越しに
見る梛の海はまた格別。
西白上の岩の上で、しばし海を眺めた。



昨年の今頃、旅をしたニューヨーク・イサムノグチ庭園美術館にも桜が
咲いていたことを思い出した。
どこにいても、春は桜。


ぎゃらりーこれから村
ーこけら落としの5人展 OPENー

2010年3月20日(土)~ 28日(日)
10:00am.~5:00pm.
一色信彦(日本画)・内田武久(かな書)・加藤靖紀(写真)・田端 
優(油彩)・橋本和明(彫刻)

書家の内田武久先生のお誘いで、三重県在住の方々の中に参加させていただきました。
100坪というとても大きな空間に、ジャンルの違う5人の作家の作品を展覧しています。
また、ギャラリーに隣接するように、レストラン「とりみそ家」とスウィーツの「しあわせ家」もあり、味覚も楽しめます。
広大な敷地には、ひつじ・ヤギ・ポニーも・・建設中の野外プールと・・・ギャラリーだけでなく「これから村」の名前どおり
これからの展開が楽しみなところです。
ご高覧いただければ幸いです。

ギャラリーこれから村

三重県多気郡明和町前野1320

お問い合わせ tel 0596-55-3578


これから村へ紀伊半島横断・・・189km

寒波の後の3月11日、これから村への搬入に行きました。
和歌山・湯浅を早朝出発、紀の川沿いをひたすら上流へ・・・
橋本市を抜け、吉野川をさかのぼり、雪の残る高見峠を越え・・・三重県多気郡へ。

『極寒の山越え』から、菜の花の黄色がとてもまぶしい『春うららかな地』へ
くちどけプリンに迎えられ、お昼は美味しいとりみそを、デザートは自家製シュークリームと有機コーヒー・・・
春うららかな陽気とともに、胃袋もギュッと捕まえられた旅でした。


ー春季二科展ー

春季二科展が始まりました。
2010年3月14日~24日 東京都美術館



3月13日、作品を持って搬入・展示作業に行って来ました。
 東京はとても暖かな一日でした。
 4月から2年間、東京都美術館は改修工事に入りますので都美館での春季二科展は今回で最後です。

 作品は冬の間制作していた「kanonー光降る」を出品しています。

 ご高覧いただければ幸いです。


ー如月ー



庭の梅が満開。

もともと芝生だったところに、息子の誕生祝いにと植えたもの。

なかなか大きく成長はしないものの、このところ毎年花の数は増えて来た。

同じところに植えたローズマリーも花盛り・・・。
こちらは逞しく成長し、ぐんぐん背が伸びると同時に陣地もひろげた。



ラベンダーはローズマリーの隣に居たのだが、
ローズマリーの勢いに居心地が悪くなったのか勝手に場所を変え、
随分と離れた彫刻作品の近くに引っ越して花をつけるようになった。





うちの植物達は、あまり世話を焼いてもらえないので、それぞれがそれぞれの力で素のまま生きている感じ。
白梅が咲くこの2月はちょっと好きな季節。

耳の後ろの方で真冬のピンとした空気感を残しつつ、緊張しながら、じわりと、そろりと、ものごとが動き始める・・・感じ。

初摘みのふきのとうをいただいた。

ほろ苦い・・・口の中で・・・そうそう、この空気感が好き。

ローズマリーは「まんねんろう」という。

白浜に住む歌人の方から贈られた歌集で知った。

3月・東京での春期展の作品の制作が大詰めをむかえた。


ー節分の熊野詣ー

2月3日節分の日

那智大社の『鬼面札』を頂きに出掛けた。
湯浅から田辺・311号を本宮に向かって走り、本宮大社から新宮に入り速玉大社と神倉神社、
そして那智の大滝・那智大社・青岸渡寺から、串本の無量寺を訪ね、帰って来た。
雲一つない晴天に恵まれて、盛りだくさんの300kmあまり、12時間の冬の熊野詣での旅だった。

熊野本宮大社

湯浅を早朝6時に出発、一路田辺まで・・・311号を走り紀伊半島内陸部「熊野本宮大社」へ。
鳥居をくぐり石段を上るのだが、こんなに長い石段だったか・・・と思った。
上りきった先に「甦りの聖地」はある。社殿の森にちょうど朝日が当たり、朝の冷気(霊気)に身も引き締まる。
「神門札」を求めた。


熊野速玉大社

新宮に入り、熊野速玉大社に詣でた。
朱の鳥居をくぐり、本殿へ・・・。
手水舎の竜の鼻のかたちが長く伸びて何ともユーモラスな感じ。
南紀の太陽に照らされて、ここは明るい。


神倉神社

「お灯まつり」の舞台で有名な神倉神社。
山頂の「ゴトビキ岩」は、麓から眺めても異様だ。
今回初めて上ったが、想像を遥かに超えてとても急な石段だった。
お灯まつりの夜、白装束の上り子達が松明を手に駆け下るというが、これは下るというより落ちるだと思った。
山頂のゴトビキ岩からキラキラ光る新宮の海を見た。


那智の大滝・那智大社・青岸渡寺

133m 垂直に流れ落ちる那智の大滝は、何度見ても「すごい」と言ってしまう。
紺碧の空から降ってくる・・・まさに神が降臨するのだと・・・
那智は、水ーは全てを生み出す源と理屈抜きに得心する所でもあると思う。
この那智の聖水で刷った那智大社の「鬼面札」を頂きに来たのだ。
滝を後にして、山を登り那智大社へ向かう。
「鬼面札」をいただき、すぐ隣の青岸渡寺へ参拝した。
古木のうろの底まで降りて、別の穴から出て来るという「胎内くぐり」を初めて経験した。
うろの底は、あのトトロの棲む・・・


串本・無量寺の虎

本州最南端・串本に無量寺がある。
今年は寅年、鞍馬山の『あうんの寅』と無量寺の『芦雪の虎図』は今年の必見。
無量寺境内にある「串本応挙芦雪館」を訪ねた。
虎図は想像どおりの迫力でしたが、このふすま絵の裏はご存知ですか?
さて何が描かれているでしょう?
虎はよ~く見ると猫のような顔・・・
虎も良かったのだが、「唐子遊図」がまた絶妙な描写でとても良かった。
子供達の仕草といい、顔といい、思わず「ほ~」と見入ってしまった。
動物達の目も、子供達の目も、芦雪の描く『目』は、それぞれが、それぞれの空気を見て実に良い。


「あ  うん の寅」

京都・鞍馬寺の「あ  うん の寅」をご存知でしょうか。

以前から気になっていたので、今年の寅年にちなみ、初寅の福をいただきに参りました。

晴天の午後、出町柳から叡山電鉄にゆられること30分・鞍馬に到着。

仁王門から由岐神社を経て、九十九折参道を徒歩で登り本殿金堂へ・・・。

お参りし、「あ うん  の初寅」を頂いた。

初寅は小さな陶製。黄黒の縞や目は手書きの素朴な置物。

金堂前の「あ  うん の寅」は、青銅で、ちょっとユーモラスなお顔。

ぐるぐる渦巻きのような体の形がユニークな表現。

晴天なのに、ちらちらと小雪も舞う寒い一日でしたが、鞍馬の凛とした空気感と、
あ  うん の寅と・・・頂いて来ました。


新年おめでとうございます

どのような新年を迎えられたでしょうか?
皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
招福万来、本年もよろしくお願いいたします。
2010年寅年

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2009年


保育園ー卒園制作

今年最後の保育園の「絵画教室」でした。

今回から『卒園制作』です。

共同制作で園に残しておく大きな版画を作ります。

今年のテーマは『キャンプファイアーをしたよ!』

夏のお泊まり保育の時のおはなしです。

時として、ドキッとするフォルムや線・・・。

この出合いがあるからやめられないですねぇ。

完成まであと2回・・・今回も楽しみです!


アゼリア賞授与式

12月17日、第18回アゼリア賞授与式の出席しました。

今回の受賞者は、 バイオリニストの北島佳奈さんです。
和歌山市出身、京都市立芸術大学大学院を主席で修了し、
現在、兵庫芸術文化センター管弦楽団 レジデントプレイヤーとして活動中とのこと。
彼女の『音』を聴ける時を、今から楽しみにしています。

アゼリア賞は、学問・芸術その他の文化活動を通じ和歌山の文化水準を高め、また、文化の振興に寄与されていると思われる方に和歌山青年会議所から贈られる賞で、1989年から始まりました。
その記念トロフィーを第1回から毎回制作させて頂いています。
第1回から20年・・・私も歳を重ね、青年会議所のメンバーの方々は文字通り私から見れば若者達となってしまいました。

アゼリア賞トロフィーの制作は、私も受賞者の方々に負けないよう制作活動に励まねばと気持ちを新たにするよい機会でもあります。


湯浅中学ギャラリー

12月8日~25日まで、母校湯浅中学校に3点の作品を展示することになった。
初日に、後輩達を前に授業をさせてもらった。

作品を前にスライドを交えながら彫刻の話しなどを、学年別に3時間。

クリスマスまでの間、作品と生徒達の間にささやかな何かが生まれることを念じて・・・。
感謝の気持ちで、母校を後にした。


干支の仕事ー寅

手のひらにのせて・・・ころりと円きかたち
十二の干支たちの顔を私なりのイメージで形にしました。

いと小さきもののなかに宿りし福が輝きますよう。

古来「寅」は、決断力と才知の象徴とされて来ました。
あたらしき年が幸多き一年でありますよう、『つきにむかう』『つきをよむ』と名づけました。

 作品に関するご希望・お問い合わせは・・橋本 和明  cast-y.1or8.ka@iris.eonet.ne.jp 
 までよろしくお願い致します。


新着・2008 野の香ワイン


2008野の香が誕生しました。
今年のラベルはいかがでしょうか?
封を切るのが楽しみです。

*野の香のお問い合わせは・・・

 綾部市・ワインショップ高本さん tel 0773-42-0579     三和町・梅垣ぶどう園さん tel 0773-58-2615


伊勢神宮

伊勢神宮に行きたいと常々考えていた。
松阪市での元上司の個展を良いチャンスと繰り出した。

京都を早朝5時半頃車で出発し、7時過ぎには伊勢神宮外宮に到着。
まだまだ人影が少ない参道、晩秋の朝のぴりりと引き締まる空気感と緊張感を感じながら、正宮から多賀宮・土宮・風宮と巡った。

鳥居をくぐってゆくそこは、天照大御神の食事を司る豊受大御神の森。

勾玉池を散策し、内宮へ・・・

架け替えられたばかりの宇治橋を渡り、五十鈴川へ・・・
この時間になると、大勢の参拝の人また人・・・。

正宮の石段を一段一段上がって行くと、純白の御幌(みどばり)がはためき始め、
私達が参拝中舞い上がっていてくれた。
そばに立つ宮を警護する人に声を掛けられ、しばし雑談。
正宮参拝が叶わなかった西行法師の有名な句「なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」
 何とはなしに身が引き締まるように感じるのは、やはり、ここの空気なのかしら。


ワインラベル・・野の香のはなし


この季節、私にはひとつの楽しみがあります。
京都・三和町で葡萄園を営んでいる梅垣誠氏が作るぶどう100%の赤ワインがあります。
名前は『野の香』
私は、そのワインのラベルの原画を制作しています。
いやいや・・・楽しく・遊ばせて・もらっているというほうが・・・。
梅垣氏の作るぶどうは、種類も豊富で本当に美味!!

三和の自然に育まれ、丹誠込めて育てられている山ぶどう・・・
出来上がったワインには、その年によって微妙にちがう個性があります。
毎年、自然の光や風やその時の空気や時間さえも頂いている気分になります。
そして、もうすぐ今年の『野の香』が頂けます。
 さて、今年のワインラベルはどんな顔でお目文字しますやら・・・・お楽しみに。


第94回 二科京都展

2009年11月26日(木)_12月6日(日)
京都市美術館(月曜日休館)


大阪展にひきつづき、京都に巡回致します。
美術館の後は、疎水の紅葉と界隈の散策というのはいかがですか。


虹がでた


二科大阪展も、多くの方々の来館を得て無事終了した。
ようやく、晩秋の気配・・・朝夕急に寒さが増した気がする。

そして今日、久しぶりに虹を見た。

2009.11.18.


保育園のこと


月に2回、京都市内の保育園に絵画・造型の講師として行っている。

毎年11月は『制作展』。

今回の共同制作のテーマは「おみせやさん」今日はその1:カップケーキを制作した。

色画用紙・色和紙・新聞紙・モール・プリンカップetc,etc・・・

どれも使い残したモノばかりを集めて来た。

いつもいつも、4歳・5歳児の元気をいただいている。

私は彼らをeducateする・・・。

こどもたちは実におもしろい!



第94回二科大阪展 開催中
 絵画・彫刻・デザイン・写真


11月3日(火・祝)~15日(日)11月9日(月曜)休館 
○入館は9:30am~4:30pm
大阪市立美術館 地下展覧会室

東京からの巡回展・二科大阪展が11月3日から大阪市立美術館で始まりました。
第58回こども二科展・第7回ポストカード大賞展も併催です。
是非ご高覧ください。


和歌山県立近代美術館はおもしろい

田中恒子さんに会って来た!


自宅から美術館へ
田中恒子コレクション展
和歌山県立近代美術館2009年9月8日~11月8日

和歌山県立近代美術館へ、田中恒子さんに会いに行って来ました。
「現代美術と一緒に暮らす」ことを楽しみに、一人のコレクターが自らの足で歩き、選び、集めてきた作品の数々。関西の若手作家を中心に、100人以上による1000点を超える作品の中から、日々ともに暮らすものという視線にしたがって作品を選び紹介します。(和歌山県立近代美術館リーフレットより)

京都から、ギャラリーはねうさぎの巽さん達と美術館で待ち合わせ、田中恒子さんを紹介していただきました。
大小1000点もの作品をどうしているのかという疑問とともに、お目に掛かった田中恒子さんは、とても気さくな関西のおばさんでした。
といっても、住居学を専門とする研究者で大阪教育大学の先生でもあります。コレクションのひとつひとつに思い入れとエピソードが隠れていて、それをお聴きしながらの時間はとても楽しく面白く、コレクションもろとも田中ワールド炸裂といったところで、思わず引き込まれてしまいました。作品との出逢いは一期一会。欲しいと思ったら迷わず買う!!お金は天下の回りもの!手に入れた作品は手放さない。
ていねいに暮らす。美しく暮らす・・・共感することが沢山ありました。

立体・平面とりまぜコレクションの多彩さと質の高さは、とりもなおさず田中さんの目の確かさ。そして何よりも、どの作品も大切にされている様子が伝わって来るのです。
和歌山の美術館だから企画に乗った事。そして、学芸員さん達の真面目さと質の高さを話されていた事が印象的でした。
我々が居る間にも、小学生の団体が鑑賞に・・・。面白いかとの問いに、笑顔で「面白い!」こんな機会と時間がこの子達にはもっともっと必要と感じました。

コレクションは野外にも1点あります。お見逃しなきよう!!

美術館に来られ、鑑賞者の方々と過ごされ(もちろん立ち詰め)お帰りは美術館から徒歩でJR和歌山駅まで行かれるとか・・・。田中さんのこのエネルギーあればこそのコレクションと、改めて納得、感服しました。

展覧会は11月8日(日)までー。

お薦めです!!まだご覧になっていない方は急ぎましょう!*土曜・日曜日は田中恒子さんに会えますよ!


美術鑑賞のおまけ

はねうさぎの巽さんが、「京都から来たので、海が見たい!」とのご所望で浜の宮近く、
カフェレスト『カンタ・デル・ソル』に・・・。
『季節のジュース』がとても美味!
秋の夕暮れ、海風にあたりながらの会話がはずみました。


HOT・ひといき Tea Time

和歌山県紀美野町の山の上に、
我々夫婦のお気に入りの空間、ベーカリーテラス・ドーシェルがある。
最初に訪ねてから、何年になるだろうか・・・
オーナー戸田氏とは、同い年ということもあり親しくして頂いている。
といっても、我家から簡単に行ける場所ではないので、ご無沙汰ばかり
している。
今日は、8月から続いていた『お仕事が』やっと一段落したので、二人でほっと一息つきに来た。
そう、ほっと一息・・・
いつも、ほっと一息つけるとても心地よいお店なのです。
今日も、戸田さんが笑顔で「どうしてはるんかと思ってた」と迎えてくださった。
ニューヨークに行って来た話しや、お互いの子供達の話しをしながら
オーガニックのお茶と、パンプレートをいただいた。
山並のはるか遠くに水平線が見える、ここからの眺めがまた良いのです!
夕日が沈んでゆくのを眺めながら・・・そう、ほ~っと緩むんです。。。

山を下りたら、また、ひと頑張りです。
今度は、デジカメ忘れずに!
次回のドーシェルをお楽しみに。


武相荘ー秋

7月 武相荘ー夏 につづき、9月3日 武相荘ー秋 を訪ねた。
今回は、二科展オープニング・授賞式の後、和歌山へ帰る途中夫婦で立ち寄った。
美術館のある乃木坂駅から鶴川まで、千代田線・小田急経由でとても簡単にいける事がわかった。

鶴川駅からの道すがらみつけた『蕎麦切り 左膳』さんで頂いたお蕎麦がまたとても美味!!
店の前に置いてあるオブジェの話題から、美術好きのご主人たちとそのオブジェの作家さんの話題、
彫刻や二科展の話しがはずみ、疲れも癒された。

武相荘は、夏の装いから秋の装いに・・・
ちょうどお客さんも少なかったので、縁側の畳にすわって外を眺めたりできた。
本当に静かな何ともいえず涼やかな空間で、白洲正子愛用の品をゆっくりとすわって鑑賞できたのは良かった。

自らの美意識で集めたモノを大切に使う精神の自由さ・・・

上京の折には、時間をつくって是非訪ねてみたい場所がまたひとつ増えた。


kanon - 浮月 第94回二科展 会員賞受賞


今開催中の第94回二科展で会員賞を受賞しました。
 (9月2日~14日/六本木  国立新美術館)
「kanon・カノン」というタイトルで制作しはじめて5年目。
kanonとは、ギリシア語で『戒律』という意味。
音楽的なカノンとも相まって、その響きから観音をイメージさせる・・・
余分なものを削ぎ落とし、凛とした緊張感を求めています。
今回の作品は、宙空から静かに降りて来ました。
わずかに後方に傾いた、その空気感を味わっていただきたい作品です。


第94回二科展 六本木 国立新美術館
2009年9月2日(水)~14日(月)休館日9/8(火)

毎年夏の二科制作終了。
ツクツクボウシの声を聞きながら、最後の仕上げ・・・
いつもながらぎりぎりまで、なんだかんだとやっている。
5年目に入った『カノン』のシリーズ・
今年は、宙空より静かに降りて来ました。
『kanonー浮月』皆様の前にどのような顔でお目もじしますやら・・・。
是非ご高覧ください。


ふくろう・新作 owlー月守

顔が回転するブロンズのふくろうの新作がこのほど完成。
E邸玄関に設置しました。『owlー月守』と名づけました。
実は、以前からふくろうは私の作品には時々登場していまして、
頭にちょこんと乗っていたり、手にとまっていたり・・・
好きなフォルムですし、何よりふくろうは『福を呼ぶ・学問の神様・・とか』
イメージもなかなかよいですね。
これからも、形を変えて登場しそうな予感です。


ナイトミュージアムー浜口陽三展ー

生誕百年記念 浜口陽三展が和歌山県立近代美術館で始まった(7/28~8/30)
うれしい事に、毎週金曜日は20:00まで夜間開館だ。
さっそく我々夫婦も、ナイトミュージアムとしゃれこんだ。

浜口陽三・・・和歌山出身の世界的な版画家・・・
私の住む湯浅の隣町、広川町生まれという事、
そして、母校耐久高校創始者・浜口梧陵先生のひ孫と言う関係も身近に感じる所以かもしれない。

カラーメゾチントの静謐で、濃密な、まさに「宇宙」をゆっくりと堪能して来た。

漆黒の黒は、微妙な諧調を見せ、闇ではなく、億万の光を包み込んでみせる『黒』と感じた。
すみずみまで配慮され計画された空間は、緊張感に満ちているのに、やさしい・・・。

さくらんぼ・西瓜・てんとう虫にくるみ・・・
     モチーフは皆、我々の身近にある者達

私のお気に入りを3点・・・

会場最初に飛び込んでくる作品『赤い鉢と黒いさくらんぼ』
作品左下のサインをお見逃しなく!

1959年の作品『くるみ』  縦にながい黒い帯と一個のくるみ・・・禅問答のような緊張感・・・

1962年の作品『黒いさくらんぼ』  銀色に見える微妙な光が・・・

画像をお見せできないのが残念!!あとは美術館でお確かめあれ!
この夏、和歌山県立近代美術館に行ってみてはいかがでしょうか。

只今毎年恒例の『二科展』出品作品の制作中。
浜口陽三作品に久々に『執念』という言葉を思い出した。
まちがいなく、エネルギーを戴いた。。。
もう一度観に行きたいと思っている。


夏のアトリエで・・・

毎年、夏は9月の二科展(国立新美術館)の制作。
私のアトリエは、半地下の構造になっている。
東側は楡の木、ジュウヤク・水引草が鬱蒼と茂っている。
ここ数年、アトリエの中で羽化するクマゼミがいることに気がついた。
今年もすでに3匹が外の世界に飛び立った。
けれど、運悪く広い世界を観ずにアトリエの中で命を終える者もいる。。。
昨年は石膏取りの最中に『羽化』を観ることができたけれど、今年はどうでしょうか?


旧白州邸 武相荘 を訪ねた

町田での展覧会に行く前日、たまたま開いた雑誌でみつけた。
「明恵上人」の著書を通して白州正子氏のファンである私は、是非見ておきたいと思い訪ねた。

茅葺き屋根の家の凛とした空間は、暑い夏の時をしばし忘れさせてくれた。
また、季節をちがえて訪れたいと思った。


高橋  清 彫刻展ー連なる魂ー
(金沢美術工芸大学彫刻科卒業生の作品と共に)
町田市立国際版画美術館内 市民展示室 
 2009年7月15日~25日(10:00~19:00)

7月19日夕刻より、出品者による懇親の集いに出席した。
 金沢で高橋先生の教えを受けた者達が、それぞれの制作の時間を重ね、
 今は亡き師の作品と共にできた展覧会でした。


Hashimoto Kazuaki in New York-part4

連日の美術館巡りはやはり相当エネルギーを消費する。
何といっても食事は一大事。毎日ハンバーガーではちと寂しい。
けれど、レストランで食事というのもまたどこにしようかとエネルギーを使ってしまう。
そこで、オーガニックライフを楽しめて気軽に利用できる『ホールフーズマーケット』は、おすすめ!!

 コロンバスサークル59丁目の西にそびえる「タイムワーナーセンター」。

 コロンバスサークル59丁目の西にそびえる「タイムワーナーセンター」の地下に『ホールフーズ』がある。
ニューヨーカーをまねてアップルサイダーも・・・。サイダーと言っても炭酸飲料ではない。
冬にはホットで飲むらしい。 オーガニックライフは意外な場所でも楽しめた。
 ユニオンスクエアーでの朝食。焼きたてのホットケーキがおいしそう!
食材を自分でチョイスできるのがありがたい。ヨーグルトは絶品でした!!!
昼食はまたメニューが変わり、楽しめる。3人分で$25は安い?!
ここのイートインは2Fにあって、正面にユニオンスクエアーが見えて気持ちがよかった。

マンハッタンに4店あるうち、コロンバスサークル店とユニオンスクエアー店で、朝食と昼食を。
食品はもちろん生活雑貨用品まで、全てオーガニックの品揃えは買い物にももってこい!しかも思いのほか安い。

ニューミュージアムには、夕刻に入館。ラッキーな事に入館料は無料!

 ロウアー・イースト・サイドにオープンした、現代美術館・ニューミュージアム。
入館した夕刻からは、ラッキーな事に無料!
ここのカフェはオーガニック。腹ごしらえして鑑賞したのはいうまでもない。サンドウィッチはとっても美味!!

ここのカフェもオーガニック!まず腹ごしらえして、鑑賞したのはいうまでもない。

まだまだオーガニックのお店が少ない日本に比べ、アメリカのオーガニックライフはハンパじゃない!?と感じた。


Hashimoto Kazuaki in New York-part3

マンハッタンの美術館巡りの移動手段は、地下鉄とバスそして徒歩。
$25で1週間乗り放題の『メトロカード』は、我々の強い味方。
思いがけず、改札を通してもらえないトラブルも今では笑い話・・・。
今回の旅の起点になった『グランドセントラルターミナル駅』は、天井に描かれた星座がきれいな、木製の扉がとても素敵な駅。
そう言えば、行く先々で回転扉や木製扉にでくわした。

日本のような自動ドアではなく、ひとの手で押し開ける扉は、大都会ニューヨークに抱いていたイメージ、合理性と混沌の中に、前回の杉樽の給水塔とともに、ほのかな温もりを感じさせてくれた。


Hashimoto Kazuaki in New York-part2

2009.5.25の毎日新聞 余録で、折原恵さんの『屋上のとんがり帽子』写真絵本のことを知りました。
ニューヨーク行きの前に知ってたら・・・・と少し残念。
写真を捜すとありました。
イサムノグチの庭園美術館へ行く途中のケーブルから撮った写真の中、左上に3個
杉の白木で出来た給水タンクが写ってました!
寒暖の差が極端なニューヨークである。夏の水を冷たく、冬に温かく保つには木の桶が何よりだ。鉄はさびるし、プラスチックでは壊れやすいという。水は木に抱かれ、おいしくなる(毎日新聞・2009.5.25.余録より)

ミネラルウォーターがなくなった時、
試しにホテルの水に日本から持って来た備長炭を入れて一晩置くと
Oリングの結果が良好だったのは、こう言うことと納得しました。

左上、杉の給水タンク 杉の給水タンク

Hashimoto Kazuaki in New York-part1

4月14日~20日・ニューヨークに行って来ました。
SOFA NY 2009・オープニングを皮切りに、イサムノグチ庭園美術館・MoMA・ホイットニー・メトロポリタン・ニューミュージアム・自然史博物館と、チェルシーの画廊にも・・・。
 マンハッタンを地下鉄とバス・徒歩を駆使して巡って来ました。
 イサムノグチ庭園美術館は、イサムノグチ生前のアトリエ(印刷工場跡らしいです)を美術館にしているのですが静かなたたずまいでとても良い空間でした。
 他の美術館は、日本の美術館と違い常設展示を鑑賞に来る人の多さにびっくりでした。
 新型インフルエンザ・流行前のぎりぎりグッドタイミングな初海外体験となりました。


春季二科展
2009年3月14日(土)~24日(火)
会場 東京都美術館(上野公園内)

午前9:00~午後5:00(ご入場は午後4:00まで)
最終日は午後2:00終了(ご入場は午後4時まで)


Hashimoto Kazuaki Exhibition kanon
2009年2月19日(木) - 3月1日(日)●2月24日休廊
11:00am~6:00pm(最終日5:00pm)

5年目に入った「カノン」新作彫刻とデッサンを展覧。
あわせて、彫刻制作から生まれたシルバーアクセサリーも・・・。

エムズギャラリー12番丁
和歌山市12番丁10本山ビル2F
電話090-6320-0665

*シャトルバスにて京橋下車徒歩3分
*JR和歌山発3番のりば/南海和歌山市駅発8番のりば

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