石山寺多宝塔
所在地 | 滋賀県大津市石山寺一丁目 | 種別 | 寺院(真言宗) |
構造形式 | 三間多宝塔、桧皮葺 | ||
時代区分 | 鎌倉前期 | 年代 | 建久5年(1194) |
指定年月日 | 1951.06.09 | 所有者 | 石山寺 |
附指定 | 1951.06.09 | 棟札 |
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石山寺については、本堂の項を参照。 多宝塔は、下層が方形、上層が円形の二重の塔であり、宝塔をもとに弘法大師空海が建てた、高野山・金剛峰寺の大塔を小型化したものとされ、日本独特の様式の建造物である。 石山寺多宝塔は、建久5年(1194)、源頼朝によって建立されたとされる。創建当初の形を保つ、最古の多宝塔である。 |
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密教では、万物の構成要素である、地、水、火、風、空を、方形、円形、三角形、半月形、宝珠形で象徴するが、これらを方形の下層、円形の上層、宝形造りの屋根、四方に垂らす鎖、相輪頂部の宝珠で表現していると考えられている。 | |
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下層 柱の上の組物は、出組(一手先)。組物間の中備は間斗束。 軒下は平行繁垂木。 |
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上層と亀腹 十二本の円柱で円形につくり、複雑な四手先で宝形造の屋根を支える。 |
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相輪から上層の屋根の四隅に鎖を垂らし、その鎖に風鐸を下げている。 このように鎖で風鐸を下げるのは、多宝塔にみられる独特のもの。 |
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金剛界大日如来(国重要文化財) 多宝塔の本尊であり快慶作。 塔と同時期に制作され、像高102cmの寄木造り。 表面に漆を塗って、元々は金箔が張られており、衣には切金文様が施されている。 典型的な鎌倉様式とされる。 |