3.高山病の定義と諸症状 | |||||||||||||||||
急激に高所に登ると誰しも体の不調を訴えるのは、不思議でもなんでもありません。高所といっても色々ありますが、一般的には次のような分類で行なわれているようです。各々の高度域の特徴を表2に示します。 高所は低酸素、低気圧更には低温の三苦境の世界ですが、高所障害を起こすのは主に低酸素の影響です。急性高山病は「病」という字を当てますので、「病気」だと思われがちですが、生体の正常な反応です。 |
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各高所域の特徴と高度順応 | |||||||||||||||||
「この低酸素環境は危険で、生存困難ですよ!」と知らせてくれる赤信号(お告げ)です。ですから「お告げ」を無闇に恐れる必要はありません。お告げに従い、下記のように行動すれば何の心配もありません。逆にこの症状が出ないのは、貴方が高所に強いか、あるいはお告げ機能が正常に働いていないことです。 |
[i] Singh I al:Acute mountain sickness.N Engl J Med 280:
175-184,1969 |
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急性高山病(AMS) 高地脳浮腫(HACE) |
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高山病の定義(国際低酸素シンポジウムにおける合意:1991年、カナダ、レイクルイーズ、) |
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通常高所到達後6〜12時間から出現し、2〜3日で最大となり、4〜5日後には次第に消失するといわれます。その期間を決めるのが、いわゆる「順応の速さ」です。前述のファクター以外に、高度差、体調も大いに影響します。 私は何時も会合で、「高山病は二日酔いの如し」と申しています。 事実、軽度の高山病は、頭痛、食欲不振、嘔気、全身倦怠更に不眠(私の場合、アルコールは入眠促進に働きますが!?)など、まさしく二日酔い症状そのものです。[i]まあ二日酔いは1日もたてばなくなりますが、高度に弱い人にとってAMSはその分厄介です。 |
[i]山ではアルコールが非常にまわり易いので、飲みすぎるとどちらの症状か分かり難いことにな ります。本当のAMSならば高所到着時に、気分不良でアルコールを飲む気にはなりませんので鑑別可能です。 |
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