暗い山と明るい山

山裾から見ると、暗い山は横のよく日のあたる登山道がしっかりした山につながっている。しかし、暗い山から明るい山への道はなかった。やっとのことで登ることが出来た暗い山の不気味な山頂から、明るい山の方向へ少し進んだが、そこは、野ばらがたくさん生えていて、とても進めるような状態ではなかった。それでも、次に行く時はそこを通って明るい山に出ようということになった。その企ては二人で実行することにした。野ばらのとげで腕が傷だらけになりながら、もう、戻ることすら出来なかった。そしてそこを抜けた。ところが僕たちが明るい山の方角だと思っていたその先は、急ながけだった。命からがら僕たちは山を降りた。