15.  アジア人のエリア



 韓国の少年が差し出したのは「韓国海苔」だった。
いきなりの出来事だったので、少し驚いた。
私は慌てて、
「Thank you ! 」
とお礼を言うと、
少年はニコニコしながら戻っていった。FireWall
さっそく皆と分けて頂く。
塩味がきいて美味しい♪

 私はお返しに、バナナを数本持って行った。
リーダーらしき高校生くらいの女性に渡すと、彼女は
「ありがとう」
と日本語で言った。
私が、
「韓国海苔、おいしい」
彼女は、
「(海苔は)キムといいます」
と、教えてくれた。

 韓国チームは皆、真面目そうで、とても印象が良かった。
実際、クライミングに対しても真面目で、K村さんに後で教えてもらったが、
彼らは毎朝、砂浜をランニングしているそうだ。
そして、登るグレードもすごい。
7B+ や7Cをバンバン登る。
私が見ていたときは、11歳の少年が7C+(5.13a)をRPしていた。

 私はしばらく休憩し、 K村さんと交代する。
彼も私と同じように、出だしで苦労している。
ルーフでもテンションは入ったが、終了点までは行けた。

 代わって私がTRでヌンチャクの回収に登る。
今度は中間まではノーテンだったが、ルーフ部分でフォール。
ポンプアップで引き上げてもらい、ルートに戻る。 なんとかすべてのギアを回収し、降りる。
このルートで疲れてしまったので、午後まで休憩することにした。

 K原さんとK村さんは、MELTING WALL に行くという。
私たちは TON SAI BAYのレストランで昼食をとってから、
FIRE WALL、MELTING WALLと登ることにし、いったん彼らと別れ、昼食を食べることにした。

 私たちは TON SAI BAYのレストランで昼食をとってから、
FIRE WALLMELTING WALLと登ることにし、いったん彼らと別れる。

 TON SAI BAY のレストランでシーフードスパとクラブ(蟹)ミートサンドを食べる。
味は・・・。

  スプライトを飲んだりしてゆっくり過ごす。
店の奥は宿泊の受け付けカウンターになっている。
左の方にウサギのヌイグルミが置いてある。
いや、よく見るとそのウサギは本物だった。
カウンターの上をピョコピョコ歩いていたが、いきなり止まってプリプリと豆粒のようなフンをした。
係りの人が苦笑いをしながら、それを始末した。

  2時をまわり、そろそろFIRE WALLに行くことにした。
FIRE WALL への登りは急登で、食後すぐの体にはきつかった。

  2組先客がいる。
1組はTON SAI BAY で何度も見かけた白人カップルだ。
男のほうが、俳優のドルフ・ラングレンと映画・トップガンのアイスマンをMIXしたような顔だ。
彼らは右端の「The Groove Tube 6A ☆☆☆☆」を登っている。
K村さんがこのルートを登ってみて、と言っていたので待つことにした。

  このルート、名前が表すとおりの形状をしている。
しかもこのグレードで四つ星ルート。
日本に帰って聞いたが、お正月など混雑する時期は10組待ちも当たり前らしい。
午前に予約して、登れるのは夕方?
しかし、今はそんなことはない。
15分ほど待って登る。
出だしは少しパワーがいるが、力を使うのはそこだけ。
あとは煙突を縦に割ったような(スノーボードのハーフパイプを立てたような) ルートをグイグイ登る。
ホールドは100%ガバ。ただ、傾斜の割に体が空間に出ているので、恐怖感はある。
最後の部分を乗っこしてテラスに上がる。
FL M 体感グレード 5.10a

  ヒロコも同ルートを登る。 かなりびびったようだ。
他のルートは人が取り付いていたので、MELTING WALL に移動する。
K原さん、K村さんはすでに何本か登りレストしていた。

  ここで、また日本人の2人組と会った。
彼らは東北のほうから来ているそうだ。
どれを登ろうか迷ったが、東北ペアのトライしていた「Bone Swa 7A+ ☆☆☆」を 登ることにした。
ヌンチャクも掛かってるし・・・
↑弱気。

 さっそく登ってみる。
下部はアーチ状の部分を登り、レスト。 中間はあまり休めないようなので、いっきに行く。
見えにくいカンテのホールドとフェースのホールドを使って登るが、 核心部でムーヴに詰まった。
クロスで右手を出すムーヴが遠いのだ。 結局解決できずにフォール。
このルートリーチで差が出そうだ。
クロスはやめ、デッドポイントで違うホールドを使い核心を越える。
最後はガバで問題なかった。
HD P 体感グレード 5.12a(完登してないけどこれくらいかな)

  もう一度トライする時間はあったが、明日の最終日に力を残したかったので、 これで終わりにする。
また明日、TON SAI に行くと告げ、皆より一足先に岩場をあとにする。

  夕方のTON SAI の砂浜を歩く。
このビーチは小さな珊瑚のかけらがたくさん落ちている。
2本拾って、お互いを叩いてみた。
乾いたいい音がする。
私とヒロコは同じような大きさの珊瑚を10数本拾い、 日本に帰ったら、これで風鈴でも作ろうかと話した。



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