5.  「とっておきのエリア」

 

 突然、上から白人の兄ちゃんが現れ、
「荷物ヲ、ヨコシナサイ!」
と、いう意味のことを(英語で)叫んだ。
ありがたいことに、助けてくれるらしい。
私が手伝って、ヒロコのザックを彼に渡し、なんとか無事降りることができた。
その間も彼は
「OK、OK」とか、「No Problem!」
とか言って、ヒロコを力づけてくれた。
ヒロコにはスーパーマンのように見えたことだろう。

  全員無事下り終わって、彼に丁重にお礼を言った。
彼は「You’re welcome!」
と、爽やかな笑顔を残し、岩場のほうに消えていった。
ヒロコは
「怖かったよー!」
と、まだビビりがおさまっていないようだった。
しかしすぐ後で、
「さっきの兄ちゃんが助けてくれた時、上を見たら短パンの隙間からチ○チ○が見えた。
下着をはいてなかったよ」

と、言った。

 おまえ、本当は余裕あったんとちゃうか!?

 さて、本筋のクライミング。
この岩場はトポによると、
 「すべてのルートにボルトを打たれ、登られるまで、秘密にされていた」 とコメントがある。
う〜〜〜ん、なんかワクワクするではないか。

 まず、右端の「Monkey's Bum 6B 」を登る。
核心のムーヴはすぐに解決できなかったが、何度かトライして突破。
上部は被ってくるが快適だった。
ちょっと下部のボルトが多く、うっとうしい。
OS M、体感グレード 5.10c 。

  登ってるうちに人が増えてきた。
左のほうのルートは満員だ。
空くのを待って、「Medusa's Lover 6C ☆☆☆」をトライする。
 大岩の上からスタート。
快適なホールドが続くが、 核心で極端に細かくなる。
岩質にも慣れてないせいもあるが、スメアが上手く決まらない。
ビビリも入ってテンションしてしまう。
ハングドッグ(HD)してムーヴを解決し、上部を登る。
ガバあり、ポケットありでなかなか面白い。

  他のルートが空きそうにないので、いったん帰ることにした。
一度バンガローに荷物を置いて YAYA に昼食を食べに行く。
さんざん迷ったあげく、 Indonesian Fried Rice を食べる。
ここはけっこう量が多い。
夕食も来ようかと、ヒロコと話す。
ライレイ・ウエストの日暮れ

  また部屋に戻り、少し昼寝をする。
まだ疲れが完全に抜けきれてないようだ。
  夕方4時ころ、ヒロコが外に行こうと言うので、
散歩がてらTON SAI BAY(or ANDAMAN)まで行くことにした。
潮はやや引いていたので、海岸を歩く。
小さい牡蠣が岩に付いていて、転ぶと間違いなく怪我をするだろう。
ライレイ・ビーチから15分ほど歩いて砂浜の端に着いた。
TON SAI はどっかぶりと聞いていたが、実際に目の当たりにすると、
想像以上の傾斜だった。

  ひととおり見て、ライレイに戻る。
少し休憩し、夕食を食べに YAYA に行く。
ここはビールがあるのでありがたいのだが、ちっとも冷えていなかった。
料理の味はまずまず、値段も安い。
バンガローからも近かったので、その後何度も足をはこぶことになった。

  この YAYA には、オカマっぽい店員がいる。
外見は「ちょっと華奢な男」という感じだが、 仕草がなんとも女性っぽいのだ。
しかし、手術はまでしていないようだ。
ヒロコは、
「ここでお金を貯めて女になるんかなぁ」
と言っていた。
 タイにはニューハーフが多いと聞いていたが、 ライレイで出会うとは思わなかった。
そして、私とヒロコは彼(彼女?)のことを親しみを込めて、「オカマちゃん」と呼ぶことにした。

  食後にライレイ・ウェストに行き、何か行動食になるものを探す。
何軒か見て歩き、Sand Sea のミニマートでバナナと胚芽パン(ともに35B)を買う。

 プラナンの看板エリア、TON SAI で登りたいのだが、体力はまだ万全でない。
クライミングの調子もまだまだだ。
明日も、もう少し易しいルートで調子を上げていこうと思い、
DUNCAN'S BOOT へ行くことにした。



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