クロツヤクワガタの飼育方法です。この基本をマスター後は
　　さまざまな応用研究を試み、クロツヤクワガタの飼育繁殖をお楽しみ下さい。
　　　湾曲した大顎と黒漆を塗った様な黒光りの身体が特徴です。
　　　挟まれない様に注意しましょう、針のような牙が深く刺さります。

　　　　　　　　　　　　　　 資料作成：BEETLE・SCHOOL
　                   　   
　　　　　　　　　　　　　　 ＨＰ：http://www.eonet.ne.jp/~beetle-s/

入手可能なクロツヤクワガタ

　国内：     生息していません

　外産：   ザウテルシカクワガタ（台湾）
　　　　　　クロツヤシカクワガタ（中国）

　
　　　　　　　
             写真はザウテルシカクワガタ【台湾産】

1、準備する物

 �@飼育ケース（中〜大ケース）
　�A産卵材
　　クヌギ・ナラ・霊芝材の軟らか目の材
　�B埋め込みマット：広葉樹１００％の２次発酵の良質の微粒子マット。
　�Cエサ：昆虫ゼリー・バナナ・リンゴ
　　
２、ペアリング

　�@クロツヤクワガタ（ザウテル）は羽化後、１年近く後食しませんので
　　成虫を大切に管理し成熟を待ちます。
　�A成熟した♂と♀を一緒のケースに入れた場合、数日で交尾は完了している。
　　（交尾が確認でたら、安全のために♀のみで単独飼育しましょう）
　�B大型の♂は気性が荒いので、交尾後は別々に飼育下さい。
　　（ペアリング方法はヒラタクワガタの飼育を参考にして下さい）
　　野外採集した♀は、ほぼ交尾が完了していますのでペアリングは不要で
　　産卵もさせ易い様ですが、是非Ｆ１個体の産卵にも挑戦ください。

３、産卵材のセット

　�@産卵材：軟らかめの材を１時間〜２時間程度水に沈め、取り出した産卵材を
   半日程度陰干しする。その後、表面の樹皮のみをナイフ等で剥がして準備する。
　�Aマット：微粒子の醗酵マット
　�B飼育ケースへのセット
　　細かいマットを５Ｃｍ程度底に入れて、硬く押し固める。
　　その上に材を６本程度、垂直に立てかけマットから材が突き出ている状態に
　　セットする。（写真参照）
　�C材とマットの境目付近が産卵場所の様で、マットへの産卵は確認していません。
　�D最後に成虫Ｐｒを入れ、エサを産卵材の間に入れる、虫の転倒防止は産卵材が
　　マットから突き出ているので不要です。
　�E蓋の間に乾燥やコバエを防止する為に、穴を明けたビニールシートや紙をはさむ。

４、日常の管理

　�@保管場所：直射日光が当たらない涼しい静かな所に置く。
　�Aエサやり：時々チェックし、新しいゼリーに交換する。
　�Bその他：表面が乾燥してきたら霧吹きなどで湿気を保って下さい。又、産卵材の
　　上面が乾燥する場合も同じく十分な湿度を材に与える事が重要である。
　�C成熟している成虫なら、２ヶ月もすれば材とマットの境目付近に産卵した形跡が
　　確認出来ます。
　　（別の産卵セットに♀を移し更に産卵させる）
　　　
５、幼虫割り出し

　�@幼虫の割り出し：材を慎重に崩し、幼虫を傷つけない様に回収します。
 （産卵材の中心まで幼虫が入っていますので取り出しましょう）
　�A卵の場合は、再度そのまま保管するか、水分を若干含んだ良質のマットに埋め
　　ふ化を待つ。状態の良い♀なら２０〜４０個程度は産卵します。
　　

６、幼虫の飼育方法

１）材飼育：
　　あまり使用されませんが、確実に成虫にする方法です。

２）菌糸ビン飼育：
　　菌糸ビン飼育はほとんどの種類で可能ですが、孵化したばかりの幼虫は
   しばらくマット飼育し、ある程度大きくなった幼虫を菌糸ビンに入れる方が
　　安全である。
　　菌糸ビン飼育の方が醗酵マットより大きな成虫に成るようです。

３）マット飼育（良質のマットなら、大きく育ちます）
　　【いろんな種類の添加剤入り発酵マットが市販されていますので、お試し下さい】
　�@水分を含ませた発酵マットを入れ、更に硬く押し固め容器に詰める。
　�Aその上に飼育中のマットを３〜５cm入れ一杯にする。
　�B幼虫をその中に入れ、通気穴のある蓋をする。
　�C２〜３ヶ月間毎に、マット交換しながら幼虫飼育する。（１０ヶ月程度で成虫になる）
　　（１〜２令は４００cc程度の容器で飼育し、３令は４００〜１０００cc程度で飼育する）
　

７、その他注意点
　�@成虫は♀のみで産卵飼育し、♂は別容器で飼育観賞下さい。
　　（小型の♂とならＰｒ飼育も可能ですが、大型のクロツヤは攻撃性が高く
　　　ペアリング時以外は一緒に飼育しない方が賢明です）
　�A産卵した材は♀親が居る容器内に長く置かない。
　　（♀親がふ化した幼虫をエサにし幼虫が減少する）
　�B幼虫は極力一匹づつ別々の容器で飼育する。

　�C産卵材は５Ｃｍ程度の細いものを何本も入れた方がよい結果が出る
　　場合が多い様ですが、いろいろ試してみて下さい。