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欧米の圧力容器の設計概念〔R.W.ニコルズ編著 監訳者割愛〕
 1972年初夏に圧力容器技術者の座右の書として好適判断され監訳出版されている。

 1965年から1968年版を基盤として,代表的設計規格として,米英欧の規格を紹介し,国内の官民の識者が携わっている。

 原著者名・監訳者は割愛し,祖語・乖離は原文によることとします。

 設計応力;BS-1501-620Bによる1%Cr,0.5%Moの焼きならし焼きもどし鋼で,機械的性質は1966年のBISRA/ISI会議のときの出版された結果で,クリープ域以下温度の300℃,クリープ域の温度を500℃を設計温度として選定(数値は割愛)。
 
 設計応力の比較(設計応力〔σdの根拠)表1-1
ASME8-Div-1;クリープ域以下 σyd/1.6
                σud/4
        クリープ域   σr/1.67
ASME8-Div-2;クリープ域以下 σyd/1.5
              σud/3
       クリープ域   検討中
BS 1515 part 1 クリープ域以下 σyd/1.5
                σua/2.35
       クリープ域    σr/1.5
DIN     クリープ域以下 σyd/1.5
       クリープ域    σr/1.5
       
       比較表1-2
規格     σd(T/in2) 割合(ベースDiv-1)
       300℃ 500℃ 300℃ 500℃
ASME8-Div-1 7.25  5.7   100  100
ASME8-Div-2 9.7  -   134  -
BS 1515 part 1 12.0 6.4    165  112
DIN       12.0 6.4     165  112


 上記は,延性・靭性・ひずみ等は含有せず簡略化。

 一般圧力容器の設計区分では,コンポーメントの設計手法は規格毎で,設計手順が異なることも特徴で評価も,応力集中係数(scf)・極限解析・シェークダウン・過渡熱応力解析・破壊モード・疲労・過剰クリープ変形・破断・急速破壊・応力の分類・計算機等と問題点の抽出と文献の紹介がある。

 ANSI/ASMEでは,欧州と比較すると機械的性質は1966年のBISRA/ISI会議の材料では,σdの根拠の通りである。

 国内の安全率(安全係数)4~3.5が採用され,ASMEは2007年に欧州と同等に遷移し,div-3の1.732(安全係数)を含み当該安全係数(率)の2.4が採用され,寿命評価の詳細解析手法も紹介され各種の技術解析もパラに累積される。

 関連リンク;圧力容器(原子力・火力)の安全係数

 許容応力度・設計手順・公式計算・破壊強度計算・等規格毎に,見積もり設計から製造メンテナンスまで一貫した規格を採用する。

 国(指定検査機関)から設置者責任に遷移したが,許容応力等は安全係数・安全率の変化で異なり設計対象・設計温度・適用部品毎に比例遷移することと国内ではSI単位・数値換算・単位換算を適切にした設計手順と製造・検査を一貫させAIJ・JASS・JIS等の適用を,平成12年7月の電気事業法改正で解釈にJIS・国際規格・民間規格が引用され設置者が検証することになった。
記号;第1章の凡例