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日曜大工集 vol.1

この日曜大工集を編集した目的は、狭小敷地(50坪以下の敷地)及び狭小住宅(建築面積が20坪以下の建物)における新築や改装計画をお持ちの方や、現在お住いの建物に満足の無い方に参考にしていただきたいものであり、住まいへの住まい方に対する考え方や、出来上がった建物に対し後悔のない住まい方、取り組み方を弊社なりにまとめてみました。如いては全ての住まい造りの参考にしていただける事が出来れば幸いです。

<ダイニングキッチン>

 
リビング・ダイニング・キッチンの広さを考えるに、それぞれのスペースを単独で積み上げると最低でも14帖が必要です。しかし、全て兼用という考え方に切り替えると10帖でも可能です。
この建物には多くの兼用の発想が込められており、狭小住宅ならでわの造りとなっています。


上写真は15年程前に新築した当時の状態です。規制の厳しい地域で建築面積12坪の建物となります。
夫婦二人の終の住処となる事と、子供達は女の子で、何れ結婚して出て行く事を想定してプランしました。
1.2階併せて1LDKを基本コンセプトとし、収納建具で各階3等分出来る様になっています。
外部の庭も倉庫と門からの通路以外は板貼りのテラスとして利用。敷地内の建物内・外部を一体的に利用出来る様にしました。
狭い建物を快適にするには工夫が必要です。日曜大工で少しづつ改良してみました。


  
囲炉裏テーブルの状態です。
娘達夫婦や孫が来た時は床几を出します。

次の写真は、お客様の多い時は床几に座っていただきます。
最大10人位の人達との囲炉裏を囲んで談話や食事会が可能です。

次の写真は、囲炉裏を最大に利用する時の状態です。自在鉤に鍋がかかっていますが、常は焼き物網の上に乗せています。


    
お湯を沸かしたり、お酒の湯せんにしたりで火鉢を入れて利用します。

次の写真は、夫婦だけ又は少人数では長七輪で焼き物や鍋を囲みます。

次の写真は、囲炉裏テーブルが大きい為、殺風景なテーブルに趣味の品を飾って楽しんでいます。手前と向い側に小さな引出しを取付、趣味の品や食事の時の小物などを入れています。

次の写真は、DKが狭く趣味の音楽CDを食事や団欒の際、部屋の大きさに合った機器での鑑賞が出来ない事と、根本的にはスピーカーが部屋の雰囲気に合わない事から、スピーカー収納を考えました。スペースに合わせた音響システムで聞けるようになり楽しんでいます。格子の前に居座っているのは空気清浄機です。余ったスペースには食器棚や家族写真を飾っています。

私はLDKは家族が長時間居る場所として、一番気を配らなければならない場所と考えています。例えば、常々の食事でも一人辺りの食事量やおかずの出し方、全員分まとめて出すのか、それとも個別に出すか、これだけでもテーブルの大きさや、そのテーブルを囲む部屋全体の広さ、色々なシチュエーションを考慮して、その時々に違和感を感じる事が無い様配慮しなければならないのです。
その為に生活習慣や生活物資の量等も計算に入れる事になり、短時間の打ち合わせで対応する事など不可能です。そして、プランニング段階で多くを考え時間を掛けて行く事も重要ですが、住んだ後も時間を掛けて修正して行く事も必要な事柄と言えます。こうして、家族全員に受け入れられる住まいづくりの完成となります。

 
リモコン、ティッシュペーパー、筆記用具、ゴミ箱等、常々よく利用する小物入れを、仕切り壁の壁厚を利用して造りました。
小物が色々な所に移動せず、整理も出来て重宝しています。家族の人気No.1です。

 
仏壇の下台は結構狭く、仏事関連の物を一緒にしまっておく事が出来ないものです。又、二重の扉、扉は必要ですが二重は必要ないと様に思います。我が家では毎朝、神棚と仏壇へのお参りをする事で一日が始まります。そして、祥月命日には寺からのお参りもあり、それなりの設えも必要となります。そういった意味で、収納量の少ない下台や経台、外側扉は処分し現実に合わせた形で造ってみました。

経台が無くなる事で広くなり、特別な時と常日頃の使い分けも出来、重宝しています。
因みに、二段の引出しはそれぞれ18p位の高さがあり、巾75p、奥行きも75p位あります。仏事関連の物は一段の引出しで充分で、下の台は趣味のCDやMDが収納されています。


 

キッチンの全体像です。

次の写真は、時々問われることですが、「流し台や調理台が灰汁汚れしていないのは何故」。それは、毎回炊事が終わる毎に乾燥した布巾で全体の水分を拭き取っているだけで、薬品や洗剤は年に一度も使用しません。

余談になりますが、下の洗面台や風呂の写真でもそうですが、薬品や掃除の為の洗剤は殆ど使用しなくてよいのです。水分をしっかりとふき取る事がカビや汚れの発生を抑えてくれます。
例えば私共では風呂から最後に上がった人だけでなく、全ての人が浴室の壁・床・建具・窓・鏡台等を一番強いシャワーで風呂から上がる時に流します。最後の人は流した上にバスマットや各人が使用したバスタオルで壁と床、鏡台等を拭きます。そして、排水口の蓋を上げて干します。シャンプーやリンス、髭剃りや歯ブラシ等の物は各人がそれぞれに拭き取って浴室外の収納場所に移動します。これは、カビや汚れ、髪の毛の付着の原因となる要素全てを、それぞれの人達が責任をもって処理する事で、週に一回、月に一回の大掃除を数か月に一回で済ます事が出来ます。又、それぞれの毎回の処置は3分とかかりません。トイレの便器でも下に掲載していますが各自が責任をもって洗浄しています。これなどは2分とかかりません。

話がそれましたが、現在既に灰汁がこびり付いている場合で、通常の洗剤で取れなくなっている状態では、市販のパイプ洗浄剤をボールに入れ、使用済みの雑巾にするタオルにたっぷり浸して軽く絞り、キッチンの台や流し一面に敷いて下さい。2〜3時間経過後、タオルを除けて金タワシの様な物で表面をこすり、その後濡れ布巾で何度もふき取って下さい。半日は匂いが取れませんが換気扇をかけるか、窓を全開するかで匂いが楽になります。又、水栓金具もピカピカになりますので大変気持ちの良いキッチンとなります。

因みにパイプ洗浄剤は近隣のホームセンター等で1ビン200円位で販売されているものですが、必ず後ろの内容確認をして下さい。メーカーは言えませんが、黄色のプラスチック製のビンで、アルカリ性分、水酸化カルシウム1〜2%、界面活性剤入りと書かれた物を購入されるとよいと思います。又、使用する時は完全防備が必要とされていますから必ず注意事項を確認し、危険な利用や使用は絶対にしない事。弊社では立ち会わない限り一切の責任は持てない為自己責任でご使下さい。

 
 

包丁立て・はさみ掛け調味料入れしゃもじ、調理箸、鉄板返し類
システムキッチンの流し台の前に包丁立て、ガス台の前に調味料入れとしゃもじや鉄板返し、調理箸等の収納引出しを作ってみました。本来こういった物や収納はシステムキッチンやキッチンセットに付帯されているか別売されています。
日曜大工ではその家に合った物を作る事が出来、私共の場合は余り材を利用して継ぎ接ぎで制作していますが、表面材だけは同じ余り材でも工夫しますと、見た目も収納を閉めておくとそれ程違和感を感じず、必要な物が目の前で出し入れできるのは便利です。
例えば調味料入れには、酒、味醂、薄口・濃口醤油、塩、砂糖等の出汁作りに必要な物の他、胡椒類やガーリック、そして、計量スプーン等が入れてあります。


流し台下流し台下隅調理台隅調理台ガス台
流し台下
よく見る光景ですが、流し台下にはボールや網、包丁、まな板等が入れてあり積み上げられています。それらの一つを取り出すにも全体を取り出し選択しなければならず、整理が出来ていないと取り出しがしにくくなります。上部のデッドスペースに深さ10p程度の引出しを一段付けるだけで細かな分別が出来、出し入れが大変便利になり整理も楽に出来ます。造る時に気を付けていただく事は、流し台下だけに排水管がど真ん中に通っている事でUの字型の引出しが必要となります。

隅調理台下
このスペースは大変利用が難しく、たいていの家庭では通常あまり使わない物の収納か、使っていても整理がしにくく汚れていたり、ゴキブリの巣になっている事が多く見られます。
これを、平面スペースの半分を三段の収納引出しにししますと、これまでの約1.5倍の収納量が確保出来、その上整理整頓分別も可能になります。それと物が取り出しやすくなります。この部分は結構緻密で大変な工事となりますが、落ち着いて採寸し、きちっとした材料カットで組み合わせる事で、心地よい引出しが出来ます。

ガス台下
レンジ下の為、デッドスペースが少なく感じますが結構あります。平面的に見ますとスペースが小さく、鍋やフライパン、蓋等を積み重ねて収納されている事が多く、目的の道具を取り出すのに手間がかかります。これもデッドスペースに一段引出しを入れるだけで積み重ねられていたものが整理され、取り出しやすくなります。気を付けていただく事は、奥からガス管が出てきてレンジに接続されている為、配管部分には充分なスペースを開けてやる事が必要です。


食器棚カウンター食器棚カウンター下台食器棚カウンター下台お酒棚
食器棚カウンター下のデッドスペースを開き戸と共に収納にしました。重たく大きな陶器皿や鉢等はこちらに収納すると取り出しが楽になります。又、通常の棚板枚数をもう一枚増やす事で、整理の出来る収納スペースに変わる事になります。

この様に、製造メーカーではその家庭の細かな食器の量や大きさ、鍋釜の種類まで想定する事は出来ません。その為出来る限り大きめのスペースを自由に使えるようにするか、最新のシステムキッチンではそれを少し細かく分けて引出し収納としているのが主流となっています。包丁なども流し台手前に開き戸を開けると数本の包丁類が収納できます。
日曜大工の醍醐味は、現存の機材を大切に使用する為、不便さを想像し解消する事です。整理が出来て独自の快適スペースに時間を掛けて変化させて行く事です。特に水廻りの箇所の清掃、整理、整頓は結構大変です。家族全員で愛着の持てるものに仕上げられれば、多少歪んでいても何時までも大切に使われるのではと思います。
プロ並みに綺麗さも丈夫さも追求したい場合は、連絡ください。ご教授します


<浴室・洗面脱衣・トイレ>

浴室
新築当時のままの浴室です。現 在大改修を計画していますが、その前に浴槽への塗装剤がどの程度密着性を持つか、毎日お湯に浸かる事で変色や退化性は無いかを調査したい為に、その実験が終わる迄は改修後の現状写真を公表する事が出来ません。仕事の合間に行う事と、浴室を完全に使用せず乾燥させてからの仕事となる為、又、工期が1週間程度見なければならないので、暫くかかります。

次の写真は、浴室掃除の3点セットです。左から体を洗うナイロンタオル、パイプ洗浄剤、浴室洗浄剤です。
まず、浴室洗浄剤は石鹸垢、水・湯垢の付着した建具、洗面器、鏡、浴槽等に吹き付け暫くしてからナイロンタオルで拭き取り、その後シャワーで流します。
パイプ洗浄剤はカビ対策で、建具、浴室内部のカビの発生しやすい所にかけて、3時間以上後にシャワーで流すとカビ化が消えます。この時には通気・換気を忘れないようにして下さい。
浴室のカビ化を防ぐ手立てとして、我が家で行っている事は、毎朝5時半頃から建物の寝室以外の窓を全開する事から始まり、各室に備えた扇風機、換気扇、空気清浄機のスイッチを入れます。そして、浴室では夜の入浴後と早朝に浴室暖房乾燥器の機能の一つである涼風機能を3時間入れます。夜の入浴後には洗面脱衣室の窓と浴室の窓・建具は全開し、扇風機を回します。機械が勝手にやってくれることなので手間はかかりません。又、建物内の生活臭がありません。


洗面・脱衣・トイレ洗面・脱衣・トイレ洗面・脱衣・トイレ
浴室の隣に洗面・脱衣・トイレがあり、新築当時に少し手を加えた状態です。
トイレが単独個室として設置されていない事に抵抗を感じる方が多い様です。しかし、慣れてしまうと家族全員違和感なく使用できるもので、今では便利に使用しています。只、少しだけ気配りは必要です。因みに欧米の一般家庭ではよく見る状態だそうです。

小便器左の棚は現在ガラス建具で見えなくしていますが、上の棚には私個人が使用する物が入っています。2段目には家内の物、下の段には共通で使用する物です。

余談となりますが、上写真の左2枚の写真と右写真とは便器が変わっています。左はTOTO一体型便器でアプリコット、右はINAX一体型便器でタンクの無いものです。ウォシュレット洗浄に微妙な違いがあり、メーカーの違いなのか商品によるものかは分かりませんが、使用される方は要注意です。出来れば何処か探されて試される事が出来る事をお勧めします。又、一体型便器は最新式の物で、昔からあった単純構造の物ではなく商品寿命が恐らく10年持たないのではと思います。そして、修理に多額の費用が掛かる為、どのメーカーも5年間保証を推奨していますが、申請しなければ1年保証となります。これも可笑しな話ですが、メーカーがその様に決めていますので、必ず取扱説明書付帯の葉書で5年保証申請をして下さい。バカバカしい費用負担をしなくてはならず後悔します。

一体型便器と旧来の便器に別売されたウォシュレットを取り付けた物とどの様な違いがあるかは、個人の感覚にもよりますが、スマートになっている事と便器掃除のしやすさが機能に加味されている事です。その他色々な機能が付いていますが、あまり必要性は感じません。旧来の便器は何か故障しても部品交換で安価で済みます。そして、いつまでも長く、私の知っている施主様では40年以上に渡り、大変綺麗に使用されている例もあります。ウォシュレットに関しては別売ですので安いものなら近隣のホームセンターでも購入できます。


洗面台
洗面台や水栓金具は使用後濡れた儘にしておくと必ず見えない汚れが付着し、水垢や石鹸垢も蓄積します。カビの繁殖もあり、拭くと分かりますが黒い細かなほこりの様な物が多く出現します。こういった状態から守るには、毎朝・晩、歯を磨いたり、うがいをしたり、顔を洗ったりした時の使用したタオルで必ず洗面台や水栓金具をふき取る事です。使用後のタオルは洗濯機に入れておけば自動で洗ってくれます。お客様以外の使用者全員が必ず1分で済む作業をする事で、何時も新品の様な洗面台が使用出来るのです。次に使用する方の為に新しいタオルを掛けておく事を忘れずに。尚、顔を拭くタオルで洗面器を拭く事に抵抗のある方は、雑巾を大量に(家族の人数にもよりますが10枚程度では)準備しておかれればよいと思います。
排水口の部分に、たまにパイプ洗浄剤を撒いておくとカビ化が取れもっと清潔な洗面台となります。


トイレ トイレトイレ
体の大きい方や横を向く事に不自由を感じる方はリモコンや紙巻器をスライドさせると便利です。通常紙巻器は洋式便器ならその先端か若しくは先端から10p位の位置に取り付けるものですが、体の状態で変化が必要な場合があります。又、建具が邪魔して取り付けられない場合等にもこうしたやり方の応用で便利に使用できます。

浴室横収納
どれ程小さなスペースでも工夫をすれば多くの収納が可能です。
上の収納はバスタオル10枚以上、普通タオル20枚以上、石鹸類、シャンプー、リンス、化粧品、薬品等色々なストック商品が入れてあります。その後ろには、事務所からの建具を開けると、家内の下駄箱となっています。こちらも和洋履物に加え、ブーツ等数十足が収納されています。



以上、水廻りの関連したスペースをご紹介しました。この建物の一階は、一部の板貼り箇所を除き全てタイル床で、1・2年に一度は洗剤と水をふんだんに使用してポリッシャーで洗浄しています。その時はワックスも全て剥がし塗り替えをします。建物内部の洗面所と浴室に大きな排水口が有り、その他は玄関と勝手口から排水出来る様大きな排水口が設けられています。一階の全ての床暖房をかけ、エアコン、扇風機を動作させ、大量の水分を即時乾燥させています。昔の大掃除の頃を思い出しますが、その頃の事を考えると楽なものです。

この建物は狭小であるが為に、新築の際、結婚当時買い揃えた家具全てを近隣の中学校のバザーに引き取っていただき処分しました。クローゼット、物入れ、収納、和洋タンス、囲炉裏テーブル、デスク、本棚等、全て造り付けました。又、床に物を置かない事にもこだわり、最小限としています。この為、整理整頓や掃除が楽になりました。我が家では家族全員が掃除や整理整頓の協力者です。男女や大人、子供に関係なく自分の始末は自分で、共同で利用する場所は常に気持ちよく、それぞれが気を付ける事にしています。全て1〜2分で片付く事ばかりなので時間もかかりません。皆が気持ちよく暮らせる事ですから義務感に縛られる事無く普通に対応しています

例えば、最近は小便器を設置されている家庭が少なく、洋式便器で大小排泄を済ませる家庭が増えています。男性では座って小便をされている家庭も増え、悪い事とは思いませんが、私の様な年齢のものには抵抗があります。やはり小便は立ってする様に衣類も伝統的に対応されています。
只、少し違う事は、汚した後の始末を、特に男性の場合は放置されることが多く、各自が責任をもって処置する。この事が無いと、後始末を押し付けられている奥様は汚くなる事を受け入れて放置してしまう可能性があります。汚したものが直ぐに清掃すれば1分で済む事を、後でやると時間がかかります。

又、自宅の洋式便器のウォシュレットを女性が使用しないといのもよく聞きます。理由を聞くと、家族が使用後の後始末をしてくれないので汚く気持ち悪いからだそうです。そうしますと汚いから使用後の洗浄もせず放置しておくと、便座と便器の間や、ウォシュレット機能部にも便カスが堆積し、軽く洗っても取れなくなります。この状態でトイレを使用している事自体もっと汚いです。

私の知っている和食屋さんの亭主は、10数名程度入れる店を一人で賄っておられますが、お客様がトイレに行かれると数分後に必ずトイレに行かれます。不思議に思い問うてみたところ、便所が汚れていたら洗浄しておかないと、一つしかないトイレの為に女性客が入るのを嫌がり、店への出入りが止まってしまうとの事でした。逆に使わせていただく私達客側も最低限のモラルとして、公共の場でも率先して配慮されることを期待したいものです。

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