四国八十八ケ所遍路旅

行程 日付 天候 札所 歩行距離 累計
6日目 3月17日 雨のち曇り 23番 23.9Km 160.2Km


「初海や 荒波寄せる 田井ノ浜


■行程
善根宿「喜久屋金物店」9:35→12:25田井ノ浜12:40→15:20「23番:薬王寺」15:40→16:10善根宿「廃バスを改造(橋本)」

◆善根宿「喜久屋金物店」9:35
夜半から降り出した雨は朝になっても止まなかった。男性は9時頃に出て行ったが、私は小降りになるのを待って9時35分に宿を出た。しばらくすると雨は止んだが風が強いので雨具を着たまま歩く。山中の月夜御水庵(10:10)を越えて国道55号線に降り、しばらく行くと遍路道は国道55号ルートと海岸ルートに分かれる。ガイドブックは海岸ルートを示していたので、左に進んで標高130mの由岐坂峠を越える。途中で千葉からこられた同年の男性とご一緒し、由岐の町を抜けると目の前に田井ノ浜が広がった。

田井ノ浜12:25・12:40
空は厚い雲に覆われ、美しい砂浜にはゴウゴウと音を立てながら荒波が打ち寄せる。四国に来て始めて見る海だけに感激である。男性と話しながら、木岐の漁港から岸壁に沿った自然林の道を辿る。時折海が見えるので気分良く歩くことができる。山座峠を越え、海岸線を進むと“えびす洞”の標識があったが、どの岩がそれだか良く判らなかった。この辺りで今日の宿泊予定の善根宿に電話すると、夕食はいりますかと問われたのでお願いしますと答えた。やがて大浜海岸の向こうに日和佐の街と城が見え、町に入ると日和佐川の橋の上から、山の斜面に建つ23番札所「薬王寺(やくおうじ)」の赤い瑜祇塔(ゆぎとう)が望めた。

「23番:薬王寺」15:20・15:40
薬王寺は阿波路最後の寺である。仁王門をくぐって三十三段の女厄坂と四十二段の男厄坂を登ると右手に本堂、左手に大師堂がある。また本堂右手の瑜祇塔(ゆぎとう)までは六十一段で還暦の厄坂となっていて、厄年の人はこれらの階段に一円玉を巻いて登るとご利益があるといわれているので、階段の左右には一円玉が連なっていた。同行の方とはここで別れて善根宿へ向かう。宿は23番から国道55号線を1.5Km程戻った所にあり、丁度、喜久屋金物店の善根宿でご一緒した北海道の男性にお会いして、彼も泊まるというのでご一緒する。

善根宿「廃バスを改造(橋本)」16:10
善根宿は道路脇の空き地に置かれた廃バスである。中はドアの左右がフラットに改造されていて、5人程度の宿泊が可能と思われた。水はあるがトイレはなく、少し離れたパチンコ屋を利用するよう張り紙があった。しばらくすると若者が一人来て3人になった。18時頃に車が来て弁当3ケとお茶を届けてくれたので「料金は・・」と聞くと「結構です」といわれた。後で聞いた話では、善根宿はドライブインを経営する方が運営されているので、夕食はドライブインのお裾分けということのようだ。


nexthomeback