■行程
法泉寺・通夜堂6:30→9:20「20番:鶴林寺」9:40→10:25接待所10:35→11:42「21番:太龍寺」・捨身ケ岳ピストン12:55→15:42「22番:平等寺」16:00→16:10善根宿「喜久屋金物店」※17:10まで布施作業
◆法泉寺・通夜堂6:30
おじいさんは腰が痛いのでここでもう一泊するという。日を置いて2晩ご一緒したのも何かの縁と思い、出発する時に、失礼ながらと1000円包んでお渡しすると、「どうも」 といってアッサリ受け取られた。
途中のコンビニでお握りとパンを買って朝食とする。通学の子供達から「おはようございます」と挨拶され、「おはよう!」と元気良く挨拶を返す。わが町ではこんな経験をしたことはなく、実に新鮮な気持ちである。勝浦町に入ると、狭い通りに面した家々の玄関先に雛人形が飾られていた。歩道のない街中の狭い道を車がビュンビュン走るのでゆっくり見ていられない。生名に入ると「鶴林寺参道」の道標前に休憩所があったので一休みする。
休憩8:05・8:15
ここから県道を離れて左手の山に向かって登って行く。前述した通り、ここからは阿波徳島の遍路ころがしとして「一に焼山(12番焼山寺)、二にお鶴(20番鶴林寺)、三に太龍(21番太龍寺)」と歌われる山道が連続する。鶴林寺の登り口から集落を抜けると道は急勾配となり、山中に入ると丸太の急階段が続く。途中「水呑み大師」を通過し、眼下に大きく蛇行する那賀川を眺めながら車道を2回3回と横切って登ると、ようやく20番札所「鶴林寺(かくりんじ)」の駐車場へ着いた。
「20番:鶴林寺」9:20・9:40
寺の標高は500mで標高差470mを登ったことになる。山門をくぐって樹齢千年を越えるという老木が生い茂る参道を進むと、正面奥に大師堂を見て、右手の57段の石段を登ると本堂があった。本堂の前には寺の名前にまつわる雌雄二羽の白鶴像が向かい合い、本堂右手には美しい三重塔と鐘楼が建つ。
21番札所へは大師堂前から遍路道を下る。車道を横切って段差の大きな石段を顔をしかめながら降り、林の中を縫うようにして標高差400mを下ると那珂川沿いに休憩所があった。
休憩所10:25・10:35
休憩所の標高は40m程で、「下りも大変でしたね~」と5人のお遍路さんと挨拶を交わし、置いてあったお接待の蜜柑をありがたくいただく。那賀川にかかる水井橋を渡り、若杉谷川に沿ってコンクリート林道を標高180mの若杉まで進むと、ここから本格的な登りが始まり、丸太の階段登りが21番札所「太龍寺(たいりゅうじ)」まで延々と続いた。
「21番:太龍寺」・捨身ケ岳ピストン11:42・12:55
仁王門から本堂へはさらに200m程あり、中程の本房の前にザックを置く。ロープウエイで上がって来られた多くの参拝者と一緒に石段を上って鐘楼門をくぐり、石段を上って本堂のある広場に出た。太龍寺の標高は510m程なので、那賀川から470mを登り返したことになる。本堂は修理中で覆いが掛けられ、手前に仮本堂が設けられていたが、何ともお粗末な感じで、手を合わせる人も少なそうだった。
本堂右上に建つ三重塔が美しい。大師堂に納経後、本坊に戻って持仏堂の天井に描かれた太龍の図を見学したが、迫力があって見事だった。せっかくなので捨身ケ岳の大師像に会いに行く。ロープウエイの山上駅から広い地道を12分程進むと、突き出た岩の上で瞑想する大師像があった。大師の目にも、その横を通過するロープウエイが見えているはずだが、どのように感じておられるのだろうか・・・。
男性が来られて、このまま遍路道を東に下って国道195号線に降りるつもりだったが、寺の人に聞いたら荒れているといわれたので断念したと言っておられた。ロープウエイ駅まで戻って料金表を見ると、往復2400円(全長770m、乗車10分)だった。山門まで戻って22番の標識に従って車道を下って行くと広い駐車場があった。車での参拝者はここから歩くことになるが、これだけ遠いとほとんどがロープウエイを利用すると思われた。ズンズン下って龍山荘の先で休憩する。
休憩13:45・13:55
厳しい上り下りで足裏がジンジンしているので、靴を脱いでマッサージしながら休む。車道をダラダラと進んで国道195号線に合流するが、そのまま突っ切って進むと登りになる。ガイドブックには小さな峠を越えると書いてあったが、疲れた体には結構きつかった。峠を降りると雰囲気の良い里道を桑野川に沿って進み、門前町の家並みを抜けるとようやく22番札所「平等寺(びょうどうじ)」が見えてきた。
「22番:平等寺」15:42・16:00
二層の堂々たる仁王門をくぐり、ザックを山門に置き、手水場で身を清めてから、鐘を撞く。正面の石段を上って本堂前で納経し、戻って山門左手の大師堂に納経する。今日泊めていただくつもりの善根宿は、町中を0.4Km程進んだ信号のある交差点の角にあった。
善根宿「喜久屋金物店」16:10※17:10まで布施作業
店におられたお婆さんに宿泊をお願いすると、一時間程布施作業をお願いしますといわれた。布施作業のあることは承知していたので「何をやりましょう」というと、乾電池の値札貼り、荷物の運搬、ボルトとナットの組み合わせ・・・など次々と指示が出て、途中からやってきた男性と一緒に一時間足らず作業を行った。
作業が終わると「疲れているのにご苦労様でした」といわれ、カップラーメンのお接待を受けてプレハブ小屋で荷物を解く。小屋は10畳程で、水、流し、コンロ(ガスがなくなれば自前)、トイレ、風呂(温水は100円で5分)があり、フトンもあって快適。温水シャワーで汗を流し、300m程離れたスーパーで食料を仕入れて、北海道の日高(牧場)から来られた50歳の男性と話しながら夕食をとる。
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