四国八十八ケ所遍路旅

行程 日付 天候 札所 歩行距離 累計
30日目 4月10日 曇り時々晴れ 65番~66番 45.0Km 993.0Km


「三角も 雲辺も越え 大師堂」


■行程
延命寺前の休憩所6:05→8:50戸川公園9:00→10:08「65番:三角寺」10:30→11:25半田休憩所11:40→12:15椿堂12:25→佐野14:00→14:05ラーメン屋14:20→15:58「66番:雲辺寺」16:15→17:25白藤大師堂 

◆延命寺前の休憩所6:05
旧街道を東に進むと、久しぶりに海が見えた。途中、コンビニで買った朝食を食べる(7:40・7:55)。伊予三島の町に入ると山側に向かって町中を抜け、松山自動車道の高架をくぐって20分ほど歩くと戸川公園があった。 

戸川公園8:50・9:00
この辺りの標高は100m程である。公園の東屋は泊まるにはうってつけと思えたが、貼り紙に野宿禁止とあった。車道から遍路道に入ると山道になって、樹林の中を急登する。一時間足らずでまた車道に出て、左に200m程行くと65番札所「三角寺(さんかくじ)」の石段下に着いた。 

「65番:三角寺」10:08・10:30
三角寺は平石山の中腹、標高380m辺りにあり「伊予の関所寺」だそうだ。石段下にザックをおいて72段の急な石段を上がり、鐘楼門で鐘を一撞きしてから境内に入る。境内はそれ程広くないが、左手奥に立派な本堂があり、手前の大師堂の前では15人程の団体が納経されていた。三角寺の名の由来は、弘法大師がここで三角形の護摩壇を築いて21日間の降伏の秘法を修したことによるらしい。
納経を終え、駐車場のおばさんに「山道は通れますか」と訊ねると、「車も人も通れない」とのことだった。ここに来る前に聞いた話では、工事中のため車は通れないが、人は通れると聞いていたのでガッカリだ。仕方なく、車道を1Kmほど戻った地点から下って村中を抜け、ダラダラと登り返して半田休憩所で一息入れる。 

半田休憩所11:25・11:40
休憩所にはMさんの他に3人がおられ、しばらく話をしてから4人が先行された。私は少し腹ごしらえをしてから腰をあげ、車道を緩やかに下って椿堂に向かう。 

椿堂12:15・12:25
お堂のある辺りの標高は100m程で、コンクリート製の朱色の丸柱の山門がアクセントになっている。納経後、400m程先で国道192号線に合流し、そこからダラダラと1時間近く登って、最後に標高300m辺りを貫通する全長855mの境目トンネルを抜ける。名前の通り、トンネルの中間が愛媛県と香川県の県境になっていた。今日は、佐野の集落の手前にある大宗谷というバス停に泊まるつもりでノンビリと下って行ったが、ドアには鍵が掛っていて、貼り紙に「宿泊者がバス手停の周辺に大便をするという無作法を行ったので使用を禁止する」とあった。 

佐野の大宗谷バス停14:00
これが事実なら、住民のお怒りは当然だ。一方、このような行為で、歩き遍路のねぐらが無くなる事は本当に残念だ。バス停が使用できないなら前進あるのみ・・・と気持ちを切りかえ、佐野の集落に入っていくと、民宿岡田の前に女性がいて、民宿が満室(6人程しか泊まれないらしい)なので、他の民宿から迎えの車を待っているとのことだった。そういえば、Mさんも佐野には民宿が一軒しかないので、前日に予約したといっておられた。村を抜けると、国道沿いにラーメン屋があったので立ち寄る。 

ラーメン屋14:05・14:20
味噌ラーメンで腹ごしらえして、標高230mの佐野から、標高910mの66番札所「雲辺寺(うんぺんじ)」に向かう。村を抜けると徳島自動車道の高架をくぐって、超急なコンクリート坂から石段を上ると山道になった。樹林の山道は急だが、ゆっくり45分程登ると緩やかになり、やがて車道に合流した(15:15・15:25)。道標には雲辺寺2.5Km、岡田屋2.8Kmとあったが、ここから30分程の車道歩きの方が山道より余程しんどかった。 

「66番:雲辺寺」15:58・16:15
雲辺寺は八十八ヶ寺のうちで一番高いところにある寺だが、杉の巨木に囲まれた境内は広く、よくぞこんな高いところに立派な伽藍を建てたものだと感心させられる。
本堂はコンクリート製の新しいもので、大師堂は右手に少し上がったところにあった。納経所近くの看板には四国霊場最高峰の看板が掛っていて、(1)66番雲辺寺(900m)、(2)12番・焼山寺(800m ※地形図では700m)、(3)60番・横峰寺(700m※地形図では745m)、(4)21番・太龍寺(610m※地形図では510m)、(5)20番・鶴林寺(550m※地形図では500m)とあり、当寺の高さを誇示してはいるが、現在では、寺の北側に全長2600mのロープウエイが開通していて、僅か7分で山頂に到達できるそうだ(往復2000円)。

さすがに山上は寒く、ヤッケを着て下山にかかる。通夜堂のある弥勒堂を覗くと、男性が一人おられた。参道に並ぶ新しい五百羅漢像は見ごたえ
があり、つい足が止まるほどだ。遍路道を一気に45分程下って車道に降り、村のかかりに民宿「青空」を見て、さらに10分程下ると白藤大師堂があった。 

白藤大師堂17:25
大師堂近くの安藤さん宅をたずねると、玄関に“大師堂の管理者は4軒先”と貼り紙されていたので、そちらにうかがって使用許可を得る。お堂と壁を隔てた通夜堂は10畳で、マット、毛布、流し、電気ストーブ、外にトイレがあり、快適だ。お堂で納経し、寒いので電気ストーブをつけ、汗を拭ってから着替える。管理者の方がわざわざノートを持ってこられたので記帳し、火の用心を約束する。お握りで夕食を済ませ、ウイスキーを飲んでいると雨が降り始めてきた。


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