■行程
光明寺・通夜堂6:10→8:25妙雲寺8:35→9:40横峰寺登山口9:55→10:58「60番:横峰寺」11:30→13:08奥の院13:25→13:55「61番:香園寺」14:15→14:30「62番:宝寿寺」14:45→14:50ビジネス旅館「小松」
◆光明寺・通夜堂6:10
同宿の方は6時前に出て行かれた。私はトイレ掃除をして、本堂に入って納経してから出発する。今朝は最低気温が3度と冷え込み、息が白い。大明神橋を渡って遍路マークを追いながら町中を進むと田園地帯に出て、南方正面に石鎚山が姿を見せた。右から左へ、石鎚山、瓶ケ森、笹ケ森と続く稜線にはまだ雪が残る。これからめざす60番札所・横峰寺はその石鎚山塊にあるのだが、寺の標高は745mで、標高差700mを登る遍路ころがしの難所である。丹原の商店街を抜け、中山川に掛る石鎚橋から、まっすぐ立ち上る煙を見て、国道11号線を渡ると妙雲寺があった。
妙雲寺8:25・8:35
ここでようやくヤッケを脱ぐ。高速の高架を潜ると、いよいよ道は登りになり、カーブを繰り返しながら車道を1時間程登って行くと、広い駐車場と東屋のある登山口に着いた。
横峰寺登山口9:40・9:55
この辺りの標高は280mほどで、ここから本堂までは2.2Km程あるらしい。「お早いですね」と声を掛けられたので顔を上げると、何度かご一緒した私と同年の東京の男性だった。ここの東屋は広くて近くにトイレもある。広場の山側には水場があり、20Lのポリタンを10個以上並べて水汲みしている人がいた。男性から10分遅れで急な石段に取り付いたが、階段の段差が大きくて足が上らない。階段が終わると急な山道、岩ゴロ道、石段道と続くが、車道歩きより楽に感じられるから不思議だ。マイペースで1時間程頑張ると仁王門に着いた。
「60番:横峰寺」10:58・11:30
ここから右に600m程行くと奥の院・星の森があり、そこから石鎚山が展望できるらしいのだがパスする。左に100m程進んで石段を上がると、右手に本堂、左手の少し離れた一段高い所に 大師堂があった。大師堂の左手から次々と人がやって来るので、そちらに駐車場があるようだ。お堂の前でご夫婦が熱心にお参りされていたのでしばらく待ってから納経する。
大師堂の横からコンクリート道を上がり、遍路マークに従って林道を下っていくと車道に降り、少し先から再び遍路道に入って下っていく。このまま一気に下るのかと思ったら、途中で2回ほどアップダウンしながら尾根を長々と進み、最後に急下りして車道に降りた。アスファルト道を0.6Km程進むと61番札所の奥の院があったので、納経して休む。
奥の院13:08・13:25
車道を緩やかに下っていくと、大谷池の縁を通って松山自動車道の高架を潜る。池の外れから右に分かれる坂道を上がって行くと墓地があり、下っていくと高鴨神社の裏手から境内を抜けて、61番札所「香園寺(こうおんじ)」に着いた。
「61番:香園寺」13:55・14:15
石段を上ると満開の桜に出迎えられ、広い境内に建つ巨大なコンクリート作りの近代的な建築物に驚き、目を奪われる。この建物は1976年(昭和51年)に建立された大聖堂で、高さが16mあり、1階が大講堂、2階が本堂と大師堂になっているらしい。
横幅50m以上はありそうな建物の左手の階段から2階に上り、スリッパに履き替えて堂内に入ると、たくさん(600席)の椅子が並び、正面には大日如来像が金色に輝いていた。この大日如来が本堂にあたり、横の大師像が大師堂ということらしい。団体が出て行き、私一人になったので、広い堂内で、大きな声を出して納経する。二階から境内を見渡すと、遍路に混じって花見客も多く、子供連れのご家族が桜の下で写真を撮っておられた。
次の62番札所「宝寿寺(ほうじゅじ)」へは1.3Kmと近く、国道11号線に出て車道を進み、伊予小松手前から遍路マークに従って左手の村中に入るとすぐの所にあった。
「62番:宝寿寺」14:30・14:45
山門はなく、"一国一宮宝寿寺"と大書された古い石柱に迎えられる。山門をくぐると正面に本堂、右手に大師堂があり、大師堂手前の観音像の表情がややアンバランスなのが微笑ましい。団体に混じって本堂で納経し、大師堂に向かう。今日の宿は、夕食に牛肉鍋が出るというビジネス旅館「小松」に予約を入れておいた。
ビジネス旅館「小松」14:50
旅館に行くと、100m程離れた別館の三階に案内された。マンションのような造りで、ドアつきの部屋と襖で仕切られた部屋が二つあり、風呂、トイレ、台所があった。私は襖の部屋で、隣は偶然にも東京の男性だった。
洗濯、乾燥、充電しながら風呂に入り、浴衣姿で本館に行って夕食をいただく。宿泊客は15人程で、その一人ひとりにコンロが置かれ、野菜と牛肉、鶏肉などが盛られた大皿、甘えびのお造り、茶碗蒸しなどが配られた。驚いたのは、途中何度かご一緒した大坂のMさんがおられたことで、再会を祝して乾杯し、鍋にタップリの野菜と肉を入れて完食する。
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