四国八十八ケ所遍路旅

行程 日付 天候 札所 歩行距離 累計
26日目 4月6日 快晴 52番~53番 37.7Km 846.7Km


「瀬戸に入り 塩の香強く なりにけり」


■行程
石手寺・通夜堂6:30→道後温泉・本館6:50→9:10「52番:太山寺」9:45→10:12「53番:円明寺」10:30→11:25栗井坂11:40→12:40鹿島12:55→13:28鎌大師13:40→編照院15:20→16:00青木地蔵・通夜堂 

◆石手寺・通夜堂6:30
本堂にお参りして山門を出かかったが、寺の裏側を通るんだった・・・と気付いて、再びマントラ洞窟を抜ける。道の両側に何やら怪しい建物やモニュメントを見ながら、坂道を越えて市街地に入る。 

道後温泉・本館6:50
道後温泉・本館には随分前のことだが一度入ったことがある。温泉街を抜けて市街地を歩いていると、釜飯、うどんの有名店「大黒屋」の看板が上っていた(7:00)。松山城を見ながら小川沿いの桜のトンネルを抜けて196号線に合流した後は、ガイドブックのルートを無視して、細かくジグザグを切って北西に進む。途中で、長野の女性に道を尋ねられたが、その方はせっかく遍路保存協会の地図を持っていながら、磁石を持っておられなかった。しばらく同行しているとバイクに乗ったおじさんが来て「どこに行くの」と聞かれ「52番へ」というと、「遍路道は分かりにくいので、この道を(北東)に行って広い道路に出たら(西)に進んで53番の前を通った方がいいよ」といわれ、私が「遍路道はどう行けば・・・」と聞いても、分かりにくいの一点張りで要領を得なかった。結局、女性が「その道を行きます」いったので、「それじゃ、私はここで・・・」ともいえず、53番札所の前を西に進んで、52番札所「太山寺(たいさんじ)」の一ノ門に着いた。本堂まではここからまだ1Km近くあり、一ノ門から坂道を300mほど行くと石段の上に仁王門があった。 

「52番:太山寺」9:10・9:45
この単層の門は鎌倉時代の作で国の重要文化財に指定されているそうだ。仁王門の裏にザックを置いて坂道を進み、参道を右に曲がって石段を上ると立派な木組みの三ノ門があり、門の四方には四天王がおられた。門をくぐると左手に大師堂、右手に鐘楼、正面奥に本堂が建つ。本堂は屋根の四隅を大きく広げた鎌倉時代の大母屋造りの豪壮なもので、国宝に指定されているそうだ。
納経して三ノ門を出ると、途中で道を教えてくれたバイクの男性がおられたので驚いた。聞くと、この近くに畑をお持ちのようで「ちゃんと着いたか心配だったので寄ってみた・・・」といわれ、蜜柑のお接待までいただき恐縮する。ザックを回収して、53番札所「円明寺(えんみょうじ)」に向かって車道を戻る。 

「53番:円明寺」10:12・10:30
道路沿いの円明寺の単層の仁王門をくぐると、左に大師堂、右に観音堂と鐘楼等があり、さらに二層の小さな中門をくぐると正面に本堂があった。
納経を終え、車道を北に30分程歩くと堀江港から瀬戸内海が開け、穏やかな海沿いに進んで栗井坂の休憩所で一息入れる。 

栗井坂11:25・11:40
ここには粟乃井という井戸があり、おばあさんが掃除されていた。JR予讃線に沿って国道196号線を歩き、大師堂を過ぎて伊予北条の旧道を進むと鹿島が見えてきた。海岸近くに浮ぶ緑に覆われた美しい島で、防波堤のコンクリート道を歩いて島に最も接近したところで休憩する。 

鹿島12:40・12:55
鹿島周辺はNHKドラマ「花へんろ」の舞台になったところだとか・・・。階段状の防波堤に腰掛けて波音を聞いていると、気だるい眠気に襲われる。北條の町を横切ってJR予讃線を渡り、立岩川に掛る大師橋を渡って田園から村中に入ると「鎌大師」があった。 

鎌大師13:28・13:40
境内の休憩所には30代と思われる歩き遍路の方がおられた。納経して、お接待の蜜柑と飴をいただきながらお話しすると、東京からここまで1ケ月半かけて歩いてこられたとのことだった。短い急登りで標高80mの鴻之坂を越え、浅海に下って穏やかな海岸線を歩く。太平洋側よりも、瀬戸内海を歩いているときのほうが潮の香りが強いと感じるのは何故だろう・・・。菊間の町に入ると、瓦工場が続き、巨大な鬼瓦などが展示されていて面白い(15:00)。 

編照院15:20
番外の編照院の山門には、仁王像の代わりに阿吽の形相をした大きな鬼瓦が納められていて、思わずニッコリしてしまう。近くのコンビニで食料を調達し、行く手に巨大な石油コンビナートを見ながら海岸沿いを歩き、国道196号線に出て、工場の外れから左手の道に入ると直ぐ先に青木地蔵があった。 

青木地蔵・通夜堂16:00
お堂の前にある通夜堂は10畳程の広さで絨毯敷き、フトンも割りと綺麗で、電灯もあり、外には水道もあって快適そうだ。ただし、お堂の裏にあると思われるトイレには行く気がしなかった。


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