■行程
「ホテル奈半利」6:25→8:50「27番:神峯寺」9:20→11:20道の駅大山11:45→14:40赤野休憩所14:50→16:00西分駅手前の善根宿
◆「ホテル奈半利」6:25
昨晩は大浴場に2回、今朝は部屋の風呂に入ったせいか、体が軽くなった気分である。天気は晴れ、海は青く輝き、冷たく凛とした微風が頬をなでる。奈半利川を渡って国道を北上し、安田川の手前から旧道に入り、商店街から集落を抜けると鉄道高架の所で道が分かれる。左の道は安芸に向かい、神峯寺へは直進3.5Kmである。ザックを預かってもらえるような所を探しながら歩いたが、高架を過ぎると人家も極端に少なくなり、コンクリートの裕急坂を登って行くと人家が途切れてしまったので、作業小屋の裏手に荷を置くことにした。
貴重品をナップサックに入れ、車道を何度か横断しながら遍路道を辿り、残り1.3Kmの道標から「真っ縦(まったて)」と呼ばれる急坂を登り、最後に車道を登って27番札所「神峯寺(こうのみねじ)」の仁王門に着いた。
「27番:神峯寺」8:50・9:20
仁王門から100mほど進み、石段沿いの斜面に広がる見事な日本庭園を見ながら182段の石段を上がると、左手に本堂、右手に大師堂があった。標高430mの山上にある神峯寺は土佐の関所寺になっている。納経を終えて戻る途中、二晩ご一緒した70歳のおじいさんに出会った。もう会うことはないだろうと思っていたので「ずいぶん早いじゃないですか」というと「腰が痛いので途中電車に乗ってきた」とのこと。別れた後、何のこだわりもない飄々としたおじいさんの言葉が妙に胸に残った。
途中でザックを回収し、高架下まで戻って遍路道を東に進み、唐浜駅前を通って国道55号線に合流する。日当たりの良い山の斜面にはブンタンがたわわに実り、枇杷の袋掛けが行われていた。ちょうど道端に果物屋があったので立ち寄ると、小夏という蜜柑を進められた。甘皮ごと食べるらしく、試食させてもらうと上品な甘みが爽やかで気に入り、5Kg詰め(2000円)を家に送る。道端の無人販売所では大きなブンタンが1個 50円前後で売られており、小夏も不揃いだが半値程度で売られていた。
道の駅大山11:20・11:45
中に入ると昼時だというのに人気がなかった。食事をしようと入ったわけではないが、釜揚げしらす丼とミニうどんセットの品書きが目に止まったので注文し、予想以上の美味しさに満足した。
大海原を眺めつつ、防波堤の歩道を一時間程歩き、伊尾木駅から国道55号線に戻って安芸川を渡り、旧道を進んで安芸の市街に入る。計画では、市街から二キロほど離れた所にある野良時計や武家屋敷などを見学しよう思ったが、やはり荷物を持っての寄り道は難しかった。そのまま市街を抜け、土佐電鉄の廃 線跡に作られたという海沿いの自転車道を進む。番外札所の八流山極楽寺は見落としてしまったが、赤野休憩所から見る琴ケ浜の美しさは見事であった。
赤野休憩所14:40・14:50
自転車道を歩いて鉄道の高架をくぐると、琴ケ浜に沿って美しい松原が続く。途中で海岸に出てみたが、歩きづらくてすぐに自転車道に戻る。自転車道は人も自転車もほとんど通っていないので気楽だが、単調な歩きが延々と続くので足裏がジンジンしてくる。今日は西分駅近くの善根宿に泊めていただく予定なので、国道に出てコンビニで食料を仕入れてから向かう。
西分駅手前の善根宿16:00
善根宿は西分駅から100m程手前の、土佐くろしお鉄道の高架下に建てられていた。五棟の小屋の前にはサイクリング道が通り、美しい松原の向こうには海が広がっていて絶好のロケーションである。但し、周囲の景観に善根屋がマッチしていないのがやや難点である。小屋を管理されている萩尾さんの連絡先が書いてあったので電話すると、すぐ行くから小屋にいてといわれた。
汗をぬぐい、着替えて待っているとバイクでやってこられ、夜間ライトをセットしてくれたり、駅から水を汲んできてくれたりとお世話いただく。私の荷物を見て、野宿場所のリストをもっているかと聞かれ、持っていないというとA3サイズの一覧表をくれた。
|