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撮影/玉森潤一 |
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・建物が密集する都市の一角に建てられた夫婦と子供5人という大家族のための住宅です。
「近隣をあまり気にせずのびのびと暮らしたい」という事から計画は始まりました。
・狭い路地、境界いっぱいまで建てられた隣接建物、交通量の多い前面道路といった都市部ならではの外部環境からは、容赦なく声や音、振動、人の視線が侵入してきます。
家族生活をこういった外界の喧噪からうまく遠ざけながら、如何に豊かな空間を創るかが課題でした。そこであえて、隣地に対し、閉鎖的な壁に囲まれたコンクリートの箱としました。
外界から閉ざされた「囲まれたコンクリートの箱」で日々の生活を包み、その中に小さな中庭、テラスを重層的にセットバックさせながら配置することで、緑・光・風を取り入れ、閉じた中にも自然が感じられる潤いのある開放的な空間を目指しました。
・また行事の際には、非常に多くの人が集まるため、居間・食堂を大きく取るだけでなく、和室も含めて一体として使える平面計画とし、構造的にも工夫することで、できるだけ広い空間を確保しました。この空間は大きな開口を開け放すことで、中庭を見下ろすデッキテラスへとつながります。
自然素材で仕上げた暖かみのある内部空間は、デッキテラス、中庭を介して無機質なコンクリート打放しの外部空間とコントラストをなしながら一体となり、更に奥行のある空間となります。
・壁に囲まれた中庭空間は、(なぜか)そこに暮らす人の気持ちを和らげ、静かな落ち着きと安心感を与えてくれるのです。
PS.この計画では家相、風水と格闘しました。 |
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