「お帰りなさい。リョーマ、菜々子ちゃん。……あら? お客さま?」
見知った二人の後ろに見知らぬ少年二人。
倫子は二人の紹介を求めた。
「リョーマさんのお友達です。学校が別々なのでお茶にお誘いしたんです。なのにリョーマさんとき
たら、おばさま達がいると分かったら、お二人を帰そうとするんですよ」
「菜々子さん!!」
「本当のことですよね?」
「…………」
まだまだ経験の浅いリョーマは菜々子には敵わなかった。そんな二人を楽しそうに静観しながら、
視線を跡部と千石に移す。
「いらっしゃい。ごめんなさいね、リョーマが失礼なことしたみたいで」
「いいえ。俺達も迷惑を考えず突然来てしまいましたし」
先ほど崩した言葉遣いを綺麗に修正していた。
「そんなこと全然気にすることないのよ。リョーマがお友達を家に招くなんてめったにないことなの。
だから私たちも嬉しいわ。時間があるのならどうぞゆっくりしてって頂戴。ね?」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます。本当オレってラッキーだなぁ。会いたかったリョーマ君には会えるし、お
姉さんやおばさんは美人だし」
「まぁ、お世辞でも嬉しいわ。ありがとう。それよりも、いつまでも玄関で立ち話もなんだし、あが
って頂戴」
千石の言葉に倫子はそれはもう嬉しそうな表情だ。
けれど、二人を見つめる瞳に一瞬だが真剣な色が見えたのは気のせいだろうか?
(!?……何だ?)
跡部は敏感にソレを感じ取った。
視線を感じた方に怪しまれないように注意を向けると、跡部とバッチリ視線が合った倫子が微笑ん
だ。
(……気のせい……か?)
釈然としないが、いきなり追及するわけにもいかず、このことは胸の内にしまっておくのだった。
◆◆コメント◆◆
倫子は登場したのですが……
南次郎の登場は次回に再び延びました(死)
そして、今回も短くてすみませんm(__)m
2005.04.24 如月 水瀬