越前家に着いた菜々子はバッグから鍵を取り出し、鍵穴に差し込んで鍵を回そうとした。
「あら?」
「どうかしたの菜々子さん?」
「どうやらおじさまかおばさま、もしかしたらお二人とも帰ってらっしゃるみたいですよ」
「えっ!! 本当に?」
「ええ」
証明するために回していない鍵を鍵穴から取り、引き戸を開けた。
「………………千石さん、跡部さん」
「何? リョーマ君」
「何だ?」
「悪いんだけど、今日は帰って下さい。お茶はまたいつかという……」
「何言ってるんですかリョーマさん。態々家まで来て頂い追い返すなんて。まして、こちらからお誘
いしたんですよ!」
(俺は誘ってないのに……)
確かに誘ったのはリョーマではなく、菜々子だった。けれど、結局二人が来ることを承諾した時点
でリョーマも誘ったようなものだ。
「ご両親がいたら、まずいことでもあるのか?」
自分たちを帰そうとするリョーマに跡部が問う。
「……あるっていえば、ある…………」
「えぇー!? オレはリョーマ君のご両親に会いたい! これから、長い付き合いになるんだから!」
「誰が、いつ、そんなコト、決めたんスか?」
「え? でも、跡部君も同意見だよ?」
千石の台詞に跡部の方に視線を移すと……
「否定はしねぇ」
「……いつの間に……」
仲良くなったのかと疑問に思うとすぐに答えは返ってきた。
「勘違いすんじゃねーぞ。別にこんな奴と仲良くなったわけじゃねぇ。取りあえず不本意だが意見が
一致しただけだ」
嫌そうな表情を隠しもせず、リョーマの間違った思考を訂正する。
「意見が一致しただけなんて酷いなぁ。もうオレたち兄弟みたいなものじゃないか!」
「てめぇ、今すぐ地獄にいきたいみたいだな……」
「誰もそんなコト言ってないよぉ。というか、跡部君。君、言葉遣い崩れてるよ♪」
「っ!?」
「まだまだだね」
二人の漫才ともとれる言い合いに、リョーマが評価を下す。
「やはり皆さん仲良しみたいですね。どうやら、おばさまもきたみたいですし、中に入りましょうか」
◆◆コメント◆◆
両親の登場は次回に延長しました(死)
もの凄く長くなってしまったため、取りあえずきりの良い所できりました。
(←本当にきりが良いかどうかは疑問です……)
それにしても、話が進まない(-_-;
内容には触れず、管理人は旅に出ます!!
皆様お元気で!!
2005.04.22 如月 水瀬