君という光 7


  


 越前家に着いた菜々子はバッグから鍵を取り出し、鍵穴に差し込んで鍵を回そうとした。

「あら?」

「どうかしたの菜々子さん?」

「どうやらおじさまかおばさま、もしかしたらお二人とも帰ってらっしゃるみたいですよ」

「えっ!! 本当に?」

「ええ」

 証明するために回していない鍵を鍵穴から取り、引き戸を開けた。

「………………千石さん、跡部さん」

「何? リョーマ君」

「何だ?」

「悪いんだけど、今日は帰って下さい。お茶はまたいつかという……」

「何言ってるんですかリョーマさん。態々家まで来て頂い追い返すなんて。まして、こちらからお誘

いしたんですよ!」







(俺は誘ってないのに……)

 確かに誘ったのはリョーマではなく、菜々子だった。けれど、結局二人が来ることを承諾した時点

でリョーマも誘ったようなものだ。







「ご両親がいたら、まずいことでもあるのか?」

 自分たちを帰そうとするリョーマに跡部が問う。

「……あるっていえば、ある…………」

「えぇー!? オレはリョーマ君のご両親に会いたい! これから、長い付き合いになるんだから!」

「誰が、いつ、そんなコト、決めたんスか?」

「え? でも、跡部君も同意見だよ?」

 千石の台詞に跡部の方に視線を移すと……

「否定はしねぇ」

「……いつの間に……」

 仲良くなったのかと疑問に思うとすぐに答えは返ってきた。

「勘違いすんじゃねーぞ。別にこんな奴と仲良くなったわけじゃねぇ。取りあえず不本意だが意見が

一致しただけだ」

 嫌そうな表情を隠しもせず、リョーマの間違った思考を訂正する。

「意見が一致しただけなんて酷いなぁ。もうオレたち兄弟みたいなものじゃないか!」

「てめぇ、今すぐ地獄にいきたいみたいだな……」

「誰もそんなコト言ってないよぉ。というか、跡部君。君、言葉遣い崩れてるよ♪」

「っ!?」

「まだまだだね」

 二人の漫才ともとれる言い合いに、リョーマが評価を下す。







「やはり皆さん仲良しみたいですね。どうやら、おばさまもきたみたいですし、中に入りましょうか」




















      ◆◆コメント◆◆
       両親の登場は次回に延長しました(死)
       もの凄く長くなってしまったため、取りあえずきりの良い所できりました。
       (←本当にきりが良いかどうかは疑問です……)
       それにしても、話が進まない(-_-;
       内容には触れず、管理人は旅に出ます!!
       皆様お元気で!!

             2005.04.22  如月 水瀬