君という光 2


  



「今日はどの子をナンパしようかな〜♪」

 休日のため、普段よりもオシャレな女の子たちがどこを向いても目につく。

 ナンパが目的らしい彼は人目には判らないように鼻の下を伸ばしターゲットを絞っている。少しで

も気を弛めて怪しい動作をすれば間違いなく警察に通報されそうだが、恐らく免れるだろう。寧ろ歓

ばれる確率の方が高いかもしれない。

 何故なら彼の容姿が整っているから。





 派手なオレンジ色の髪に薄い茶色の瞳。濃い茶だともっと印象は異なるのだろうが、薄いからこそ

優しさが感じられる。

 全体的に見て細身なのだが、きちんとみればしっかりとした筋肉が綺麗に付いており、バランスも

とれていた。

 そんな彼千石清純にナンパされて断わる女の子など多くはないだろう。

 嬉しさはあったとしても。

 なので、密かに千石を見ている者もいたりする。





(う〜ん。オシイっ!)



 どうやら千石の基準は少し高いみたいだった。

「今日はなんかイマイチだねぇ〜。朝の星占いでは絶好調だって言ってたのにね。もしかしたらって

っコトも期待してたんだけど、今日はアンラッキーかなぁ?」

 気合いを入れて家を飛び出した千石だったが、少々気分は下降気味。



 その時だった。



「うわぁ〜、やっぱオレってラッキー♪」

 ふと視線を変えてみたその先で見たモノは以前他校に偵察と称して、女の子の見学に行った際出会

った少年。

 それからずっと忘れたことは一日もなかったほど気になって気になって仕方なかった少年だった。







 千石はどうしようか頭で考えるよりも先に無意識に身体が動いていた。



「ねぇねぇ。君、青学の越前リョーマ君だよね?」










      ◆◆コメント◆◆
       今回は千石視点です。次回はモチロンCPにある通り跡部視点になります(^o^)
       いつになったら話が進むのか……^_^;

                  2005.03.29 如月 水瀬