「…………どうするリョーマ?」
「……」
「ダメか? 何なら俺のお菓子分けてやるぞ?」
「……………………ゲーム出来るっスか?」
「当然じゃん!」
「じゃあ、○○○の攻略の仕方知ってるっスか?」
「ああ、アレなぁ。アレはなかなか難しかったぜ。天才の俺もだいぶ苦戦したシロモノだからな。で
も、あるコトに気付けばすぐ分かるぜ」
「分かんないから聞いてるんス!」
「答えそのまま教えたら面白くねーからヒント教えてやるよ。あのな……」
ゲームの話で盛り上がる二人。
どうやら気が合ったのと精神年齢がぴったり一致したようだ。
「セイ兄。ブン太も一緒に泊まっていい?」
いつの間にか丸井はちゃっかり自己紹介を済ませ、図々しくも下の名前で呼ばせていた。
少々黒いモノが生まれたが、リョーマが楽しそうにしているので気付かなかったことにした。所詮
リョーマが一番大事なので、リョーマに何事もなければそれが一番良いことなのだ。まあ、我慢出来
ることと出来ないことはあるが。多少のことには目を瞑れるくらいには理性をコントロール出来る幸
村だった。
そう多少のことにはだが、それが彼の基準で図るため、意外にも小さかったりする。
「だからな…………」
「えっ!? 聞こえないっスよ!」
「もっとこっち来いよ」
どうしてもゲームを攻略したいのかリョーマは夢中で丸井の言葉に耳を傾ける。そのため、リョー
マを呼び寄せた瞬間目が怪しく光ったことに気づかなかった。
「えっ!?」
突然強く引き寄せらたと思ったらギュッと抱き締められていた。
「うん、思った通り丁度いいサイズじゃん。抱き心地もサイコーvv」
「な、な、な、な、何するんスか−!!」
暫し呆然となり、その間不覚にも丸井に好き勝手されていたリョーマだが、自分を取り戻すと当然
のことながら腕から逃れようと暴れだす。
「だってサイズ的に丁度いいと思ったからな」
「ブン太は良くても、俺は良くない! 放して!!」
「え〜!? イイじゃん、減るもんじゃ……うぇっ」
「減るんだよv」
突然首が絞まったと思ったら、それはもう冷たい冷たい声と視線が丸井を待っていた。
さすがにやり過ぎたか?とは思ったが、やはり怖いもの知らずの丸井は笑ってすごそうと試みた。
「………………次やったら、泊まりなしだからね。もちろん夜中でも叩き出すからね」
「……(汗;)」
「セイ兄、泊まりなしはダメ。ゲームするんだから!」
この言葉を自分の都合良く解釈する丸井は先程のことがあるのに懲りずにリョーマに抱きつこうと
腕を広げようとした瞬間幸村とばっちり視線が合い、渋々諦めたのだった。
「リョーマ。いくら明日休んでもいいからって、ゲームのやり過ぎは駄目だよ。守らなければ、今後
僕のマンションではゲーム禁止。わかった?」
「………………分かった」
ずいぶん間があることが不満をおおいに表していた。
実際、もっともらしいことを言っているが裏を返せばただの嫉妬である。
まあ、リョーマが気付くことは恐らくほぼ100%近くないだろう。
何せ彼は王者立海をまとめる幸村だから。
「リョーマおいで」
「?」
「すぐに済むといっても、その間一人にするのはやっぱり心配だからね。ファンタ買ってあげるから
部室に行こうね」
「……っス」
仮にも他校のレギュラーである自分がいくら許可をもらったからといって神聖な部室に入るのはど
うなのかとやはり一度は考えたが、許可したのが例え兄といえども立海の部長である。何かあっても
兄が何とかするだろうと確信して、今日はどの味のファンタにしようか悩むのだった。
−N E X T− −B A C K−
◆◆コメント◆◆
3は管理人の書く幸村はいかに不二属性かということが分かる内容です。(笑)
また、ウチのブンちゃんはこんな感じです。
カッコイイ彼も書いてみたいのですが、何故か誰かサンに似てしまいます(^_^;)
まだ、幸村のマンションに着かないです……
一話の予定で書き始めたはずなのに、
まだ最初のメインにもいってないってどうなんでしょう?
無事完結出来るよう頑張ります!!
2005.3.19 如月 水瀬