朱を奪う紫  気炎万丈


   


――自分はそんなに弱い忍びだっただろうか。自惚れるつもりはないが、『風』の名を戴いたことも、 特殊だったかつての部隊で副隊長も務めたこともある。…なのに何故、この男には勝てないのだろう。
熱に浮かされたようにイルカは考える。
「…んんっ」
「…何、他のこと考えてたの?」
現実に引き戻すように、カカシに中心を扱かれ、イルカはカカシを睨んだ。だが、その仕草さえカカシの劣情 を煽っただけのようだった。
「かわいらしい顔しちゃって、どうしたの?」
早く欲しい?笑い含みのカカシの声はひどく楽しそうに部屋に響いた。
「そんなこと言ってなっ…」
抗議の声も、カカシに胸の尖りを弄られて立ち消えた。
「嘘つき。」
こっちはこんなに欲しがってるじゃない、と中心を扱かれると、声が漏れた。
「あっ…や、やぁ…」
ずくり、と快感が背筋這い上がる。体中を這うカカシの唇が、ところどころに跡を残していく。
「…っ、いあっ!」
するり、とカカシがイルカの太腿から後孔に指を滑らすと、息を詰めるイルカに、カカシは軽く口付ける。
「大丈夫だから。…イルカ先生感度いいよね。」
「…やめっ…!」
ぐちゅり、と音を立てて中を掻き回すと、イルカがビクリと背を振るわせた。自身の意思に反して十分感じているのだろう。 昂ぶりからは蜜が滴っている。徐々に指を増やせば、イルカは苦しそうに喘いだ。だがその声に混じる快感の気配を カカシは見逃さない。これくらいでいいか、と呟くと、自身の昂ぶりを突き入れた。
「うあっ…、やっ、あぁ」
短く息継ぎを繰り返すイルカに宥めるように口付けを落として、カカシは奥まで自身を穿つ。ゆっくりと揺さぶると、 はらりとイルカの髪も合わせて揺れた。

「あっ、んんっ、ふっ…いあっ!」
前も同時に弄られて、痛みと快感に痺れて理性が飛んでいく。汗ばむ肢体も、穿たれる感覚も何もかもどろどろに溶けて。ひときわ高く喘ぐと、 イルカはのけぞり、白濁を放った。その収縮に合わせて、カカシも達する。
薄れゆくイルカの意識を現実に引き戻したのはカカシだった。満足そうな笑みでイルカの髪を梳く。
「…駄目駄目。完徹行くって言ったでショ?ちゃんと付き合って。」
「…なっ…」
声を上げすぎて痛む喉からはこんな言葉しか出てこない。だが、自分の中で形を変えるカカシの昂ぶりに、カカシの本気と自分の不幸を思い知る。

――夜は長かった。



   久々な更新ですが、エロスオンリーな回になってしまいました(汗)
   自分で書いててもエロス描写の難しさを痛感します。雰囲気が伝わってるといいのですが(え)
   2005 02 03 陸城水輝



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