2 ――自分はそんなに弱い忍びだっただろうか。自惚れるつもりはないが、『風』の名を戴いたことも、 特殊だったかつての部隊で副隊長も務めたこともある。…なのに何故、この男には勝てないのだろう。 熱に浮かされたようにイルカは考える。 「…んんっ」 「…何、他のこと考えてたの?」 現実に引き戻すように、カカシに中心を扱かれ、イルカはカカシを睨んだ。だが、その仕草さえカカシの劣情 を煽っただけのようだった。 「かわいらしい顔しちゃって、どうしたの?」 早く欲しい?笑い含みのカカシの声はひどく楽しそうに部屋に響いた。 「そんなこと言ってなっ…」 抗議の声も、カカシに胸の尖りを弄られて立ち消えた。 「嘘つき。」 こっちはこんなに欲しがってるじゃない、と中心を扱かれると、声が漏れた。 「あっ…や、やぁ…」 ずくり、と快感が背筋這い上がる。体中を這うカカシの唇が、ところどころに跡を残していく。 「…っ、いあっ!」 するり、とカカシがイルカの太腿から後孔に指を滑らすと、息を詰めるイルカに、カカシは軽く口付ける。 「大丈夫だから。…イルカ先生感度いいよね。」 「…やめっ…!」 ぐちゅり、と音を立てて中を掻き回すと、イルカがビクリと背を振るわせた。自身の意思に反して十分感じているのだろう。 昂ぶりからは蜜が滴っている。徐々に指を増やせば、イルカは苦しそうに喘いだ。だがその声に混じる快感の気配を カカシは見逃さない。これくらいでいいか、と呟くと、自身の昂ぶりを突き入れた。 「うあっ…、やっ、あぁ」 短く息継ぎを繰り返すイルカに宥めるように口付けを落として、カカシは奥まで自身を穿つ。ゆっくりと揺さぶると、 はらりとイルカの髪も合わせて揺れた。 「あっ、んんっ、ふっ…いあっ!」 前も同時に弄られて、痛みと快感に痺れて理性が飛んでいく。汗ばむ肢体も、穿たれる感覚も何もかもどろどろに溶けて。ひときわ高く喘ぐと、 イルカはのけぞり、白濁を放った。その収縮に合わせて、カカシも達する。 薄れゆくイルカの意識を現実に引き戻したのはカカシだった。満足そうな笑みでイルカの髪を梳く。 「…駄目駄目。完徹行くって言ったでショ?ちゃんと付き合って。」 「…なっ…」 声を上げすぎて痛む喉からはこんな言葉しか出てこない。だが、自分の中で形を変えるカカシの昂ぶりに、カカシの本気と自分の不幸を思い知る。 ――夜は長かった。 |