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タイトル:涼宮ハルヒの約束
ジャンル:非日常体験アドベンチャー
対応機種:プレイステーション・ポータブル
開発元:ガイズウェア
発売元:バンダイナムコゲームス
メディア:UMD1枚
プレイ人数:1人
発売日:2007年12月27日
音声:フルボイス(主人公・モノローグ含む)
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古くて新しいシステムデータの仕様
さて、いきなりですがアドベンチャーゲーム、中でもノベルタイプのそれにおけるシステムデータという存在を少し考えてみましょう。
環境設定の保存を担うシステムデータ、昨今は「シナリオのクリア状況を記憶し、隠しシナリオの出現状態を管理する」という役割を与えられるようになってきました。
この仕組みはジャンルの進化として、特にエンディング収集、CG集め、そして既読率アップを幅広く行えるという多大なメリットを生じましたが、一方でそのシナリオ出現状況を全てのセーブデータに適応するシステムデータは、ネタバレの温床となる危険性を生んだのです。
この仕様ですと、たとえば友人、家族と一緒に遊んでいるときにその中の誰かが隠し要素を全て解禁してしまったら、ほかのプレイヤーはいきなりネタバレ満載のシナリオを読んでしまうことが起こりえます。
フラグ管理を担うシステムデータは現在主流となっていますが、つきつめるとその存在意義は、すべてのセーブデータを「便利なしおり」として活用するためのものという価値に落ちつきます。
ところが、それは同時に、サウンドノベルの金字塔として知られる「弟切草」あるいは「かまいたちの夜(チュンソフト)」。これら作品にあって誰かがピンクのしおり、あるいは金のしおりを出したら他のプレイヤーも全てそのシナリオに行けてしまうという事態が日常的に発生しているとも言えるのです。冷静に考えるとこれはえらいことです。
例えばAirでしたら、まだ初めてあそぶ人に「えぇか?サマーってのとエアーってのは絶対に選んだらあかんねんで、絶対やからな(神尾晴子さん風)」
と伝えればなんとかなりますが、Fateなんかは大変です。
いきなりHeaven's feelに突入して、料理をつくったらおじいさんが出てきて神父と中華料理で先輩が・・・
ということにならないとも言い切れません。
ただ、こうしたシステムがわるいのだという話ではなく、個人で楽しむ上ではしおりを複数枚挟める利便性は選択肢&エンディング埋めにおいて多大なる威力を発揮します。どちらが悪い良いと言い切れないこの状況・・・まさにFateです。ともあれほんとに難しい問題です。
あちらが経てばこちらが立たず。・・・ゲームの開発ってほんとに大変なんだなと思います。
さて、ここで前説を述べたのは、今回照会する「涼宮ハルヒの約束」。本作が、そのシステムデータが持つパラドクスを解決する上での1つの答えになるのかもしれないように思えたからです。
それはなぜか。
本作には隠しシナリオというものが存在せず、最初から全てのルートを読むことが出来ます。
その代わり本編には数多いルートが用意され、それぞれのシナリオボリュームもかなりの量となっています。
ネタバレがあってもなお楽しめる話を用意し、その執着にそれぞれ意味を持たせる。そして、2週目3週目とあそぼうという気分にしてくれる。
これはまさしく「ファミコン探偵倶楽部」の昔から続くADVの基本ですが、この回帰こそが現状の一人1メモリーカード状態を脱却しうる解答たりえるように思えてならないのです。
本作には隠しこそありませんが特定のシナリオに突入するにはそれ相応の研究と失敗を要するゲームデザインがとられていて、これは、攻略するという意味においても大きな意義を与えてくれています。
その積み重ねで全容を了解していく。自らの腕でシナリオを切り開くこの過程は、クリア時にことさらの達成感を与えてくれるものです。
ある意味古式ゆかしい本作の裏側。ぜひ触れていただいてその作りの巧妙さを味わってみてください。
作品全体について
さて、なんといってもこれは「涼宮ハルヒシリーズ」のスピンオフ作品ですが、アニメ版同様キョンがフルボイスでモノローグしてくれてて非常に良い感じです。
講談にも似た独特のテンポ兼おもしろさをほこるこのしゃべりに耳を傾けつつ、ちょっと公何度のADVを楽しむ。ハルヒシリーズの世界観がお好きなら楽しい時間がすごせること間違いなしと断言いたします。
オラ、ハルヒ見たことねぇずらってそこの人はアニメ版をレンタルして見てみるといいです。
平凡たる日常と危険にあふれた非日常の狭間をテンポよく、叙情的に、そしておもしろく描写してくれる独特の作風は、序盤こそ人を選びますがなかなかどうして視聴者を楽しませてくれます。
レンタル以外にも原作の小説を読んでみるのも1つです。
大型の書店で簡単に手に入るほか、利用可能ならないーぶネットでもシリーズ中の数冊を読むことができます。
ともあれおもしろいので、ぜひに触れてみてください。
そしてひとしきり原作かアニメを見終わったらこのゲームを遊ぶといろいろわかってスムーズなのですが、このソフトはまさにアニメ版と同じ感覚で楽しめるつくりになっています。
まずなんといっても外せないのが、本編に対するただならぬリスペクトの数々。
PSP版を手がけられたライターさんが相当にハルヒシリーズを研究されてかかれたであろうテキストに装飾されている本編のすばらしい出来上がりによるおもしろさはまさしく見事の一言につきます。
書いている人が違う以上時折文章のタッチに差異が散見されますが、原作のおいしいエッセンスを全力で尊重してゲーム内シナリオがつくられているということこそすばらしいと思うのです。
加えてこちらもアニメ版をたっぷりリスペクトしたBGMと各演出は、それぞれ高水準でまとまっているような気がします。
そして極めつけは上でも数度ふれたキョンのモノローグがすべてのシーンで収録されていること。
ついこの間、ベスト盤が発売されました。
ぜひアニメの、原作の延長として楽しんでみてください。
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攻略情報のコーナー
だいたいのことは攻略wikiに書いてあるのですが、ここではそこで足らなさそうな情報(特に目を用いないで遊ぶ上で必要と思しい情報)をいくつか書いておきます。
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タイトル画面の並び
上から順に、
はじめから
続きから
環境設定
ギャラリー
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1.ゲーム画面での操作
丸:文書送り
丸ボタン長押し:オートモード
罰:メッセージウインドウの非表示
四角:メニューへ移動
三角:台詞リピート
L:バックログ
スタート:文書スキップ
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2.メニューについて
下記の順で並んでいます。上下で移動、端で突き当たりません。
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セーブ
ロード
クイックセーブ
クイックロード
環境設定
ヘルプ
終了
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3.セーブとロード
上記メニューからセーブを選ぶ
ファイルを選ぶ
丸
左
丸
ロードも同様の手順である。
なお、クイックセーブ&ロードとはそのときだけ有効なセーブデータ。ゲームを終了する、電源を切るなどすると消えてしまいますのでご注意を。
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4.環境設定の詳しい中身
上下で項目移動、丸で選んだ項目の選択、左右で項目切り替え
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文字表示速度:(右ほど早い)
自動送りの速度:(上に同じく)
ウインドウの透化レベル:右ほど濃くなる。100%にすると文字が見やすくなるかもしれない
スキップ判定:既読のみスキップするか、すべてをスキップするかを選ぶことが出来る。
選択肢の色替え表示
BGM音量:右ほど大きくなる
SE音量 (同上)
ボイス音量 (同上)
画面エフェクト
オートクイックセーブ
キョンのモノローグ
初期設定にもどす
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ビーチバレー攻略
劇中挿入されるミニゲームその1。
画面に表示されるコマンドを入力してレシーブするという代物で、いわば音ゲーのそれと同様の雰囲気が漂います。
目を使わない攻略を下記に記載しますのでご参考ください。
1.やたら長い時間読み込みをやるのでしばらくマツ
2.画面が切り替わったら(音が鳴らないので注意)、
スタート
上
丸
と操作。これで、難易度{やさしい}が選ばれた
3.ホイッスルが鳴ったら
丸 四角 三角 罰
の同時押しを連打。ちょっとやりづらいところだが、持ち方を工夫してみたり指の腹を匠に活用すれば突破できるはず。
ここでの勝敗はルート分岐に関連するので、ぜひ勝ち負けを自由に操作できるようにしておきたいところ。
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5.ざでいおぶさじたりうす
SOS団の二つ隣にあるコンピ研が開発したSRPG。原作に出てきたのはIIIであるから、このゲームに出てくるのはおそらく初代作品なのだろう。
ともかくもそれを遊ぶシナリオがある。
これまた本編に直接関係するイベントなのでぜひ勝とう。
画面説明
とりあえず始まったら丸やらスタートやら方向キーやらを駆使してゲーム本編へ入る。
ゲームスタートしたら{シュキーン}と音が出て、同時にテロップで知らせてくれるのでわかりやすい。
まず基本ルールは世間のシミュレーションRPGと同様である。すなわち、碁盤の目状に配置されたマスの上を移動して、敵に隣接して、戦って、勝つという代物だ。
さて、大切なのはここからになる。
まず、自分たちのいる位置はマップ右下で長門とキョンが横並びになっている状態。
だがこのゲーム、マップ端でカーソルが突き当たらない!
もし画面右下端にカーソルがある状態で
右
下
などと入力したならば、なんとカーソルは画面左上端にあるということになる。
これを踏まえてどう動くかを考えなければならない。
実際の戦略については、攻略Wikiにもあるとおり2人のプレイヤーが斜めになるように位置をとり、それを維持したまま移動していくのがよいだろう。
うまくいけば十字砲火により敵を各個撃破できるからだ。
捜査対象のプレイヤーにカーソルを合わせて丸を押すと移動画面になる。
ここでは上下左右に、1マスもしくは2マス動くことが出来る。
敵を探す方法
敵のいるところで丸ボタンを押すと{ブブー}と言われる。
これを目印に探していくとよい。
あまりにも探しすぎて味方の場所がわからなくなったら罰ボタンを押すと、今動かせるキャラにカーソルが自動で移るので活用するといい。
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ポーカー
ミニゲームその3
これまたルート確定させるための大切なイベント。
バレー同様、上 丸で難易度を落として遊ぶのがいい。
目を使わないで行う攻略としては、とりたてて有効なものがないといったところ。
ただ、相手(みくる)の台詞から相手の手中がどうなっているかを推察することができるので、
自信なさげな台詞になったら三角ボタンを押して必殺技発動、確実に点を稼いでいくというのがよい方法なのかもしれない。
運を味方につけてがんばってください。
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最終更新:
2009年1月6日